県面積の約8割が森林である長野県。日本アルプスに含まれる多くの名峰があります。人気の観光スポット「上高地」や「白馬岳」なども長野県です。日本全国に23ある3,000メートル級の山のうち、15が長野県内なんです! そんな日本を代表する山岳県に、どのような食文化やご当地グルメがあるのでしょうか。
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「B級グルメ」とは?
日本には各都道府県に定番のご当地グルメがありますが、他にも各エリアで地元民のソウルフードとなっている「B級グルメ」が存在します。「B級グルメ」とは、華麗なテクニックやデコレーションはいっさい使わず、地元の食材で調理し、地元の人々に親しまれる、究極のローカルフードのことです。
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長野グルメの特徴
長野県は日本国内で4番目に面積の大きい都道府県で、海に面していない日本最大の内陸県です。そのため、長野県のグルメは主に山林、農作物と繋がりがあります。
県内の農地は標高300メートルから1,500メートルの高地に広がっており、標高が高く、日照時間が長い。昼夜の温度差が大きく、気温の年較差も大きいなど、恵まれた自然条件を農業に生かしています。
さらに、積極的に農業技術の開発と技術の普及によって、農業水準は大幅に向上しました。総農家数(*1)が全国一位で、さらに野菜や果物の生産が盛んで、生産量も全国トップクラス。例えば、わさび、レタス、セロリ、ぶなしめじはいずれも収穫量日本一です(*2)。
*1:総務省統計局「日本の統計2022」より
*2:農林水産省「令和2年産野菜生産出荷統計」、「令和2年特用林産基礎資料」より
長野のB級グルメ
山賊焼
鶏むね肉やモモ肉をニンニク醤油で漬け込み、片栗粉をまぶして揚げた、簡単に言うと「チキンカツ」です。長野県松本市、塩尻市発祥の郷土料理で、現在は県内各地で食べられています。
山賊焼の名前の由来には諸説あり、はっきりしていませんが、一説には塩尻市の居酒屋「山賊」の初代店長が山賊のような豪快な野性味の持ち主で、他の人が絶対に使わない面白い名前を付けようと「山賊」と名付けたという話も。その後、山賊焼はお客様に大好評で、店名を「松本食堂」から「山賊」に変えたほどだったんとか。
揚げ物なのに、なぜ 「焼き」 と呼ぶのでしょうか? 一説には当時の日本では食用油が貴重だったため、フライパンに少量の油をひいて軽く焼くだけだったそうです。別の説では、鶏肉を揚げたものを「鶏を揚げる」、山賊が財物を奪うことを「(物を)取り上げる」と発音が同じなので、この名がついたとも言われています。
信州サーモン丼
長野県は内陸県のため、古くから水産物は県内の河川や湖での漁や養殖が盛んでした。地元では特産の魚類を育てるため、1950年から大規模なニジマスの人工養殖を始め、1994年からニジマスとブラウントラウトを交配・繁殖させ、10年の歳月をかけて新しい養殖品種「信州サーモン」を誕生させました。
信州サーモンは身体は一般的な鮭のような銀色で、魚肉はきれいな紅色をしています。海面養殖されるサケ類と比べると、低脂肪・高タンパクで、かつ品質が安定しています。
さらに養殖専門の品種で寄生虫の心配なく、お刺身で安心して食べられることから、長野県の代表的な高級魚として定着するようになりました。長野県では安曇野市を中心に、「信州サーモン」とオレンジ色の旗を揚げているお店が信州サーモンを食べられる目印となっています。刺身はもちろん、程よく脂が乗った信州サーモン丼も地元民に人気なんだとか。各店舗によって味付けや付け合せが異なるので、食べ比べてみるのもおすすめです。
本わさび飯
わさびは、主に西洋品種の「西洋わさび」と日本原産の「本わさび」の2種類に分けられます。長野県産の本わさびは色がよく、香り高いだけでなく、すりおろして食べると、最初は鼻をつく刺激的な辛さの後、甘味に変わります。
実は、長野県の安曇野市は、日本有数のわさびの名産地。日本最大のわさび生産量(*3)を誇る長野には言わずもがな、わさびを主役にしたB級グルメがあります。安曇市にある日本最大規模の農場「大王わさび農場」は何度も改良を重ね、「本わさび飯」を産みました。熱々の白いご飯に、海苔、かつお節、ネギ、そして主役はもちろん生わさびです。普段は脇役のわさびですが、ここでは何物にも代えがたいスターです。その新鮮な美味しさを味わいたいなら、ぜひ本わさび飯を食べてみてください!
*3:水わさびと畑わさびの総生産量で算出。農林水産省「令和3年特用林産品工業統計調査」より。
栗スイーツ
長野県は「栗」の産地としても知られています。「小布施栗」と「信州伊那栗」が特に有名で、どちらも甘みが強く、濃厚な風味がウリです。
「小布施栗」は産地の「小布施町」にちなんで命名されました。一説によれば、小布施では室町時代(1336年~1573年)から栽培されていたそうです。その品質の良さが評判を呼び江戸幕府に献上されていました。
一方、「信州伊那栗」は2003年に栽培が始まり、栽培地の長野県南部「伊那谷」の恵まれた気候と地理的環境、専門家や農家による栽培技術の改良と徹底した管理、食品加工業社やスイーツ店による各種関連製品の開発などにより、信州伊那栗は小布施栗と並ぶ人気を誇っています。
スーパーや農産物店で購入する以外にも、秋には産地に足を運ぶのがおすすめです。一番新鮮なだけでなく、栗きんとん、栗あんぱんやモンブランなど、栗を使ったスイーツもたくさん楽しめますよ!
P.S.イナゴの佃煮(昆虫食文化)
安くて日常的に食べられる「B級グルメ」とは一線を画しますが、「伊那谷」周辺地域には、イナゴやミツバチの幼虫など、古くから「昆虫食」の文化があります。代表的な昆虫料理の一つは、イナゴを一晩放置して排泄物を全部排出させ、熱湯で加熱した後、醤油、砂糖で煮詰めた「イナゴの佃煮」です。
イナゴの佃煮は、食べるのに勇気が必要かもしれませんが、長野のような「山岳県」では、かつて昆虫の摂取は、動物性タンパク質の主な補給源となります。イナゴなど作物の収穫に悪影響を与える害虫を食べることで、稲を守るだけでなく、栄養補給にもなり、一石二鳥です!
実際、高タンパクの「昆虫食」は近年、日本で注目を集めています。無印良品が「コオロギせんべい」と「コオロギチョコ」を発売したり、東京・渋谷の街に低脂肪・高タンパクの昆虫食レストランが登場したり、昆虫料理が入ったガチャガチャも登場したほどなんですよ。
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