【日本の美食】地方B級グルメめぐり「静岡」編

静岡県 富士山

静岡といえば富士山とお茶畑を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。また、静岡はグルメも魅力的なものがたくさんあります!例えば漁業が盛んで、静岡の名物料理と海鮮は切っても切れません。また、海鮮以外に魅力的なB級グルメもいっぱいです!そこで今回は、海の幸を使わない、地元グルメをご紹介します!

「B級グルメ」とは?

日本では、その都道府県を訪れたら誰もが食べるような定番グルメのほかに、同じ都道府県でも、エリアごとに地元民のソウルフードとなっているご当地グルメ「B級グルメ」が存在します。「B級グルメ」とは、華麗なテクニックやデコレーションはいっさい使わず、地元の食材で調理し、地元の人々に親しまれる、究極のローカルフードのことです。

静岡に美味しいものがある理由

静岡県 富士山

静岡は水と縁に恵まれた地域です。その一番の理由は、富士山をはじめ豊富な水源からもたらされる良質な地下水や湧き水。こうした良質な灌漑水を農業に利用しています。そのおかげで水質や環境にデリケートな「静岡水わさび」の栽培が可能になり、水わさび(根茎)の生産量が日本で第1位になっています。

また、水深が2,500mにもおよぶ駿河湾や海岸線の全長が115kmの遠州湾、そして海水と淡水が混じり合う浜名湖を有するなど地形にも恵まれています。加えて、黒潮の影響で静岡は漁獲量が多く魚種も豊富。金目鯛、伊勢海老、サクラエビはもちろん、浜名湖のうなぎの養殖は日本全国に名を馳せています。

静岡のB級グルメ

太平洋沿岸に位置する、静岡の定番グルメといえば海産物が多いのです。しかし実は、静岡には海鮮料理以外にもたくさんのローカルB級グルメもあります。今回は、海鮮以外のローカルグルメをメインにご紹介します。

浜松餃子

静岡県 B級グルメ 浜松餃子
写真提供:公益社団法人 静岡県観光協会

日本3大餃子の一つ、浜松餃子とはもともと豚肉と玉ねぎとキャベツの餡が特徴の、静岡県浜松市で作られる餃子を指しました。しかし、今では定義がもっと厳しくなり、必ず浜松市に3年以上住んでいる人が作らなければなければ浜松餃子とは言わない、となっています。

キャベツと玉ねぎの甘味にジューシーな豚肉の絶妙なバランス。その餡がぎっしり詰まった餃子を鍋の中心から放射線状に丸く並べて焼く円形焼きという盛り付け方も浜松餃子の特徴です。

静岡おでん

静岡県 B級グルメ 静岡グルメ
写真提供:公益社団法人 静岡県観光協会

よく目にする黄金色のつゆのおでんとは違い、静岡のおでんはつゆが黒いのが特徴です。醤油で味付けしたつゆに、牛すじやもつ、大根、練り物などの食材を入れじっくり煮込むのですが、はんぺんなど練り物も色が濃いため、鍋全体の色味が濃く黒いんです。食べるときは、だし粉や青のりなどをかけていただきます。

静岡おでんのもう一つの特色は、具が竹串に刺さっていること。地元のお菓子屋さんでも一串単位で売っています。静岡県民にとっておでんは、小さい頃からおやつの一つなんです。

富士宮やきそば

静岡県 B級グルメ 富士宮やきそば
写真提供:公益社団法人 静岡県観光協会

富士宮やきそばの特徴は独特の食感にあります。とてもコシのある歯応えの特製麺です。一般的な麺は、まず蒸してから茹でますが、富士宮やきそばの麺は蒸した後そのまま冷すので、麺の水分が少なくもちもちとした食感になります。富士宮やきそば学会の資料によれば、12の特徴を兼ね備えていないと本物の富士宮やきそばとはいえないそうです。また、麺以外に、肉かす(揚げた豚の背脂)とイワシのだし粉も富士宮やきそば作りには欠かせません。

このローカルな焼きそばは、第1回・第2回のB−1グランプリでゴールドグランプリに輝いた、名実ともに静岡を代表するB級グルメです。

みしまコロッケ

静岡県 B級グルメ みしまコロッケ
写真提供:公益社団法人 静岡県観光協会

みしまコロッケは2年連続でB−1グランプリで入選を果たし、「みしまコロッケの会」もあるほどの人気グルメです。しかし、みしまコロッケの定義はとてもシンプル!100%地元産の良質な三島馬鈴薯(メークイン)が使われていること、ただそれだけ。コロッケの中に何を入れるかは、まったくもってお店の自由です!このようにシンプルで自由度が高いので、多種多様な面白いみしまコロッケが作られています。高級和牛や国産豚を使ったものから、半熟卵をいれたものまで多彩なコロッケがあります。

たまごふわふわ

静岡県 B級グルメ たまごふわふわ
写真提供:公益社団法人 静岡県観光協会

たまごふわふわの材料・作り方は茶碗蒸しに似ています。しかし、卵液にたくさん空気をいれ、クリーム状になるまで混ぜてから鍋にいれて蒸し、完成するとスフレケーキのような仕上がりです。口の中で溶けて、卵の雲を食べているようです。

この料理の起源は江戸時代に遡ります。新撰組組長・近藤勇が好んで食べたとも言われています。当時は高級料理で、限られた人だけが楽しめる味でした。それが、静岡県袋井市でこの幻の料理が再現され復活し、現在ではみんなが味わえるローカルグルメになりました。

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