【日本文化】2月22日は何の日?猫の日の歴史やイベントまとめ

猫 桜

猫――それは犬と並んで、多くの人に愛され、私たちの生活の中に深く溶け込んだ動物です。そんな猫について、日本では2月22日が「猫の日」として制定されています。では、なぜこの2月22日が「猫の日」に制定されたのでしょうか。日本における猫の文化の一例も挙げながらご紹介します。

関連記事:【日本文化】日本の記念日と「○○の日」一覧。今日は何の日?

文学、ことわざ、招き猫…日本における「猫の文化」

トラ猫 女の子

まずは、日本文化に猫の存在がどれほど浸透しているかを見てみることにしましょう。

村上春樹、夏目漱石…猫が登場する日本文学

文学の分野においては、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』はもちろんのこと、今や世界的な作家となった村上春樹の作品でも、たとえば『海辺のカフカ』では、猫と喋ることのできる不思議な老人が登場します。また、彼が父親に対する思いを綴ったエッセイでも、『猫を棄てる 父親について語るとき』というタイトルどおり、猫の存在が象徴的に描かれているなど、多くの優れた文学作品の中で猫は大きな役割を担っています。

「猫に小判」とは?猫が登場する日本の語彙

猫 日本

また、日本語の語彙の中には、猫にまつわる慣用句やことわざの表現も多くみられます。

猫に小判(Neko ni koban)

「客観的にどんな価値の有る物でも、そのことの分からない人にとってはなんの役にも立たないこと」を喩えていう。

猫の手も借りたい(Neko no te mo karitai)

非常に忙しくて、どんな人にでも応援してもらいたい状態」を指す。

猫の額(Neko no hitai)

猫の額が狭くて小さいことから、「非常に手狭な土地」のことを喩えた表現。

猫も杓子も(Neko mo shakushi mo)

ごくありふれた一般の人びとがそのことにかかわる様子を表す表現。

猫を被る(Neko wo kaburu)

「本当はおとなしくない(悪い事をした)のに、そうでないようなふりをすること」や「本性を隠していること」を意味する表現。

招き猫」の文化

招き猫 イラスト

日本における猫の文化を語るならば、「招き猫」は欠かすことができないものでしょう。これは、江戸時代に「福を招く縁起物」として日本で生まれた置物です。多くは二本の後ろ足で座った猫がこちらを向いて、見る人を手招きするポーズをとっているものが一般的ですが、ポーズや体の色についてはさまざまなバリエーションが見られ、それぞれの形に意味や願いが込められています。

たとえば、招き猫がどちらの手で手招きしているかについては、「右手を挙げた招き猫は「お金」を、左手を挙げた招き猫は「人やお客」を招く」と解釈されています。また、挙げた手の高さについても、「挙げた手が猫の耳を越すものを「手長」といい、遠くの福、大きな福を招く」ものとされ、「手の位置が耳より低いものは、近くの福、身近な幸せを招く」といいます。この他、猫の体の色について「白は総合的な「開運招福」や「家内安全」、金は「金運満足」、黒は「厄除開運」、赤は「健康長寿」、ピンクは「恋愛成就」など」を願うものとされているそうです。

日本観光で人気急上昇中の「猫島」 「猫寺」

猫 青島

最近では、「猫島」と呼ばれて注目を集める島が瀬戸内海をはじめ、日本各地に点在しています。これらの島では、いたるところに猫が住み着いており、場所によっては島で生活する住民の数よりも多くの猫がその島で暮らしているとされています。また、福井の「御誕生寺」を始め、猫がたくさん住み着いた「猫寺」も多くあります。猫のことが好きでたまらないという人、街の風景とともに猫と触れ合いたいと思われる方は、カメラ片手に、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

なぜ2月22日が「猫の日 」か?

招き猫 置物

日本では、そんな猫について、2月22日を「猫の記念日」とされています。この記念日は、日本の「猫の日制定委員会」が一般社団法人ペットフード協会とともに「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日を」という趣旨で1987年に制定されていたといわれています。なぜ2月22日かというと、日本の猫の鳴き声の「にゃん」「にゃん」「にゃん」と、日本語の「2」「2」「2」の語呂合わせにちなんだものだそう。

日本では「語呂合わせ」といって、0から9、あるいは10や100などの数字に、日本語の五十音のうちのいくつかの音を割り当て、ある言葉のもつ音と、ちょうどその音の割り当てをもつ数字の列とを関連づけることがあります。数字の「2」は、「に(Ni)」「つ(Tsu)」「じ(Ji)」「ふ(Fu)」といった音の割り当てがあり、このうち「に(Ni)」という割り当てられた音と、猫の鳴き声「にゃん」を関連づけることによって、「2」という数字が多く登場する2月22日を猫の日をした、と考えることができます。

ちなみに、この語呂合わせという考え方は、この「猫の日」に限らず日本ではありふれたものです。たとえば、「富士山の日」が2月23日と定められているのは、2・2・3という数字の組み合わせを、「ふ・じ・さん」と読むことができる、語呂合わせに由来しているものです。

また記念日の話に限らず、学校の歴史のテストに向けて、ある歴史的な出来事が西暦何年に起きたのかを暗記しなければいけない際にも、「語呂合わせ」は多用されています。たとえば、西暦710年に当時の日本の首都である平城京に都が移されたことを暗記する際、しばしば「なんと大きな平城京(Nanto Okina Heijo kyo)」と覚えることがありますが、これは710という数字を7と10に分け、それぞれ「な(ん)」、「と/とう」という音を割り当てたことにちなんでいます。

日本の「猫の日」のイベント情報

招き猫 置物 複数

さて、この猫の日の周辺では、全国各地で記念のイベントが開催されています。

2月17日・18日には「ちよだ猫まつり2024」が、東京都千代田区の区役所で開催 。例年、このイベントでは、猫の病気や猫との生活に関する講演会、獣医さんの職業体験や、「猫落語」のステージ、子供向けのワークショップなどが開かれます。

岡山県真庭市では同じく2月17日・18日、「ねこフェス2024」が開催。このイベントでは、猫をテーマにしたイラスト・陶芸作品の展示や、猫おもちゃやオリジナル缶バッジ作りのワークショップ、地域猫活動の紹介なども行われます。

それぞれの関心や興味に合わせて、ぜひ会場まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

世界の「猫の日」、動物の日

猫 女の子

世界に目を向けてみると、ヨーロッパの多くの国では「2月17日」、ロシアでは「3月1日」、アメリカでは「10月29日」が「猫の日」とされています。このほか、2002年には国際動物福祉基金によって「世界猫の日」が「8月8日」に定められています。

また、先ほど日本の猫文化として紹介した「招き猫」についても、記念日が制定されています。これは1995年に「日本招猫倶楽部」という団体が制定したもので、「来る福(く(9)る・ふく(29))」の語呂合わせにちなんで、9月29日を「招き猫の日」としたそうです。

また猫以外にも、さまざまな動物にそれぞれ記念日が制定されています。日本の「犬の日」は11月1日(「全米犬の日」は8月26日)、「愛鳥週間」が5月10日〜16日、日本の「ウサギの日」が3月3日、「世界ハムスターの日」が4月12日(日本の「ハムスターの日」は8月6日)、「世界動物の日」が10月4日など、さまざまに定められているようです。

猫 女の子

ここまで、日本における猫の文化、そして日本で制定されている「猫の日」にまつわる話題、そして最後に幅広く猫以外の動物にまつわる記念日に関する話題をお届けしました。お家に実際に猫を飼っている方、近所にかわいい野良猫が住んでいる方も、あるいは猫好きだけど事情があって猫を飼うことができない方も、2月22日はみんなで「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝」する一日にしたいものですね。

記念日に関する他の記事を読む

【日本文化】日本の記念日と「○○の日」一覧。今日は何の日?
【2024年最新版】訪日旅行の前に必見!日本の祝日と大型連休一覧

Index

Recommend