福井県にある猫が自由に暮らす猫寺として有名になった「御誕生寺」。座禅会や参拝のほか、猫好きが多く訪れる禅寺です。そこで、このお寺が猫寺といわれるようになった理由や撮影スポットなどの魅力をご紹介。なお、このお寺を訪れる際は、かわいい猫たちへの挨拶の前に、まずはご本尊に挨拶しましょう。(※上記写真は2015年撮影)
福井県の猫寺「御誕生寺」とは?
福井県越前市庄田町にある曹洞宗の禅寺「御誕生寺」。大本山總持寺を創建した瑩山禅師のご誕生の地である越前市に建立されたお寺です。境内のあちこちには、自由気ままに過ごす猫たちの姿。猫寺とも呼ばれる「御誕生寺」には、2023年3月現在、16匹の猫たちが暮らしています。すべて、行き場のない猫または病気やケガをした猫たち。そんな「御誕生寺」では、毎週日曜日に「日曜座禅会」を開催。その後のご住職や修行僧との茶話会では、心和む時間が過ごせます。
猫がたくさんいる理由
「御誕生寺」に猫がたくさん住むようになったのは、2002年の小堂建立時にさかのぼります。当時の住職が境内で、段ボール箱に入れられた4匹の子猫が捨てられているのを見つけたことがきっかけでした。
その猫たちに水や食事を与えて保護した結果、増えていき、猫を捨てに来る人もいたため、しだいに増えていったのです。2012年には一時、80匹ほどに。
その頃から本格的な保護活動や里親探しをするようになり、これまで300~400匹ほどの猫たちがやさしい里親たちに引き取らました。すべて命あるものへの慈悲の心で行っている活動です。ところが、慈悲の心だけでは超えられない壁もあります。それが、猫たちにかかる医療費など。それらは、寄付で成り立っています。かわいい猫たちを守ってあげたいですね。
写真スポットはここ!癒される景色が!
ロケーションにも恵まれた「御誕生寺」では、美しい景色や風情ある雰囲気のなかで猫たちの姿を撮影できるスポットがいたるところに。猫たちのくつろぎの邪魔をしないよう、静かに歩いていくと素敵なシーンに巡りえるはず。お見逃しなく!
珍しい猫を乗せた仏様
このお寺の本堂の前には、左右の膝に猫を乗せた大仏様が鎮座しています。大仏様の大きさは、屋外にある石佛としては、北陸最大規模。右膝の上には気持ちよさそうに眠る猫、左側には腕にじゃれついている猫の姿がこのお寺らしい慈悲深さを感じさせてくれます。
周囲には自然や田んぼが広がり、のどかな雰囲気。四季折々の景色の中でさまざまな写真が撮れます。例えば、春から夏にかけてさわやかな緑色をしていた木々の葉が、秋には赤やオレンジ色になり降りそそぎ、絨毯のよう空気まで染めてしまうよう。その上でくつろぐ猫たちの姿は色鮮やかな絵画のようです。そして、雪が積もると温かい寝床があるにもかかわらず、雪の上に足跡を付けながら歩き回る猫がいると思えば、その様子を丸くなって眺めている猫も。季節ごとの情緒あふれる景色のなかで、個性豊かな猫たちの姿を見ることができます。
おみくじと結ぶ台
「招き猫おみくじ」もおすすめの撮影スポットです。猫がおみくじの箱の上でお昼寝をしたり、おみくじの箱の中に入っていたりと、憩いの場として猫にも人気の場所となっています。そんなおみくじの中に納められているのが、28種類の小さな招き猫。色は7色に分かれ、それぞれ異なるご利益が祈願されています。どんな招き猫と縁を結べるのかは、開けてのお楽しみ!そして、おみくじを結んだり、絵馬をかけたりする台には、木彫りの猫の肉球が飾られています。
また、絵馬には通常、馬の絵が描かれていますが、このお寺の絵馬に描かれているのは猫。そのほか、お守りや御朱印帳なども猫が描かれていて、猫がさまざまなご縁を結ばせてくれるような気になりますね。ちなみに、おみくじや絵馬、お守りなどは先ほど書いたように寄付へのお礼の品なんです。この収益金は、猫の医療費やお世話のために使われます。それぞれのお礼の品には価格が書いてありますが、それ以上の金額を払ってもいいですね。
猫のお食事時間
猫のお食事時間は、日によってずれることもありますが、朝8時と午後3時半の1日2回。お皿代わりの雨どいに入れられた餌を一列に並んでお行儀よく食べるかわいい姿が見られます。なお、お寺では健康のこともきちんと考えて食事を与えているので、肥満防止や健康のためにもオヤツは禁止なんです。猫たちのためにも、オヤツを与えるのは我慢してくださいね。
御誕生寺へのアクセス
JR東京駅から新幹線で金沢駅まで約2時間50分、武生までJRで約1時間、大手バス停下車、徒歩約6分
Spot Information
- 名称:御誕生寺
- 住所:福井県越前市庄田町32丁目1-1
- 営業時間:8:00-17:00
- 入場料:無料
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