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2023年東京・港区にオープンした話題の複合施設「麻布台ヒルズ」。2024年2月9日、その話題の商業施設に「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」がオープン! 館内を散策しながら世界初公開作品を含む約 50ものアート作品に没入できる地図のないミュージアム「チームラボボーダレス」について紹介する。
アート集団・チームラボが手掛けるチームラボボーダレスの特徴・魅力とは?
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チームラボは2001年から活動を開始した国際的アート集団。ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、シリコンバレー、北京、メルボルンなど世界各地でアート展を開催し、東京・豊洲にあるアート施設「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」も手掛けている。
「チームラボボーダレス」は、「境界なく連続する1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する」をコンセプトに、境界のないアート群を楽しめる大型常設ミュージアム。2018年に東京・お台場にオープンしたチームラボボーダレスは、開館わずか 1 年で年間230 万人を動員し、その後2022年に今回の移転オープンのために閉館。
今回オープンした、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」(以下、チームラボボーダレス)では、約7,000平米もの広大な施設に、50以上のアート作品が展示。各作品は、部屋から部屋へと移動し、他の作品と影響し合いながら混ざり合って変化を遂げていくので、まるで迷路のような館内を散策しながら、永遠に変化し続けるアートを楽しむことができる。作品内容も、お台場の時からの作品がパワーアップし、さらに今回世界初公開となる新作アート「Bubble Universe」なども鑑賞できる、まさに話題のホットスポットだ。
麻布台ヒルズのチームラボボーダレスを体験!世界初公開含む幻想的なアートの数々を紹介
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2月に麻布台ヒルズのガーデンプラザB B1Fにオープンしたチームラボボーダレス。東京メトロ日比谷線「神谷町駅」の5番出口から直結なので、季節や天候に左右されずに観に行けるのがうれしい。ちなみに、取材日当日はまさかの大雪の日だったのだが、筆者も最寄り駅から一歩も屋外に出ることなく、チームラボボーダレスの入り口に到着できた。
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アート体験は施設のエントランスからもう始まっている。入り口へ向かうと、エントランスの天井に「teamLab Borderless」の文字が!この作品は、エントランス空間の指定の位置で、カメラを通して見ると空間に文字が浮き上がるというもの。指定以外の場所で撮ったものと、浮き上がったものを比べるとこの通り。
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季節の移り変わりを表現した作品「花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour」では、桜に、ひまわりなど、四季を彩る花々が、生まれ、咲き、枯れていく様子が体感できる。この作品は、複数の季節が同時に存在し、それらがゆっくりと移り変わっていくため、訪れたタイミングごとにまったく違う季節の花が楽しめる。まさに二度とは巡り会えない作品たちだ。ちなみに取材時、最初に行ったときには春の桜、後で訪れた時には夏のひまわりに移り変わっていた。
チームラボボーダレスの館内は案内図や順路の指定もないため、来場者が好きなように散策しながら作品を観てまわることができる。面白いのは、奥まった場所にも隠し部屋のような展示室が点在するところ。まるで迷路の中を探検するように、五感を駆使して、館内を巡るため日常を忘れて、アート空間に身も心も没入することができるのだ。
「Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光」
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そして今回、特に注目なのが、世界初公開の「Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光」だ。展示室に入ると、空間が無数の球体によって埋め尽くされており、それぞれの球体の中には異なる光の存在が入り混じっていて、人が球体に近づくことで色や光の強さが変化。さらに、光はその球体から最も近い球体に伝播し連続していく。球体の中には色が変化し続けるものと、まったく変化しない光もあるそうで、取材時も様々な色変が楽しめた。
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展示室内に短時間いただけでも色が目まぐるしく変化しており、立ち位置やアングルで様々な映え写真やセルフィーが撮影できるのも魅力だ。
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また、球体を使って宇宙を表現したのが「マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光」だ。無限に広がる空間の中を、無数の光の球体がレールに乗って走り抜ける。それぞれの球体ごとに動く方向やタイミングが異なり、互いに影響しあって輝く様子は、まるで本当に宇宙空間で縦横無尽に動く星々を観測しているよう!
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人々のための岩に憑依する滝
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数ある作品の中でも、チームラボボーダレスを象徴する作品の一つが「人々のための岩に憑依する滝」だ。館内の中継ポイントにあたる場所に位置するため、館内を散策していると何度もこの作品を通ることになるのだが、この作品では三次元空間の「人々のための岩」に、線で描かれた水を落下させてデジタルで滝を表現している。
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滝にあたって床に流れ出した水は、人が作品の上に立ったり作品に触れたりすると、水の流れが変わる。また、同じ場所にしばらく留まっていると、次第に水がその人の周りをぐるりと囲って流れるようになる。知らず知らずの内に、鑑賞者自身が岩となっている、というわけだ。この作品は周囲の「花と人、コントロールできないけれども共に生きる」をはじめ、他作品と混じり合って変化し、また別の作品へと変化を遂げていく。訪れる度にまったく違う作品が観賞できるため、身飽きることがない。
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光を使った作品に、廊下に波や可愛い動物たちも!チームラボボーダレス内は見どころがいっぱい
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チームラボが “非対称宇宙” と呼ぶ空間の中で、光線がまるで生きているかのように立体的な光の彫刻を生み出す「Light Sculpture - Flow」シリーズ。
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この展示エリアでは、無数の光線が、音楽に合わせて様々な方向に動き、1~2分ごとに次から次へと作品が移り変わっていく。
まるで生き物のようなムービングライトの動き、光の渦に思わず惹き込まれる。光線の動きがかなり早いので、SNSに揚げたい場合は、動画撮影必須だ。
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作品と作品をつなぐ廊下も楽しいのがチームラボボーダレスの特徴だ。江戸時代の浮世絵画家・葛飾北斎の代表作品「『富嶽百景』に登場する荒波を思わせる線で描かれた波や、人間やウサギやカエルなど可愛い動物による大名行列、季節の花々によって形作られた「花と共に生きる動物たち II」など展示室に向かう廊下でさえも二度とは観賞できない作品となっているので、気を抜かずに進もう!
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ここまで紹介した作品以外にも隠し部屋と言えるような展示室があったり、「EN TEA HOUSE 幻花亭」では、茶を入れてテーブルに置くと花や茶の木が生まれて花が咲き、飲みほすと花が散るドリンクも楽しめたりする。まるで迷路のような館内を散策しながら、身も心もアートに没入できるこの体験型の「地図のないミュージアム」を楽しみつくそう。
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日本旅行・東京みやげが作れる!買える!チームラボ スケッチファクトリー バイ チームラボボーダレス
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チームラボボーダレスのスケッチオーシャンでは自分が描いた魚の絵を作品として海に泳がせたり、描いた魚たちをスケッチファクトリーでプロダクト(缶バッジ、タオル、Tシャツ、トートバッグ)を作ったりして、お土産として持ち帰ることができる。
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ちなみに筆者が描いたのは「ぷよぷよに出てくるモンスターみたいなクラゲ」。「ぷよぷよ」とは、日本のゲーム会社セガが開発した超人気パズルゲームシリーズのことで、今回はそのパズルゲーム内で積み上げるスライム状のモンスターをイメージして描いてみたので、ちゃんと似ているかどうかはぜひ検索してみてほしい。描き終わったら、魚の絵をスタッフにスキャンしてもらい、海に泳がせよう!
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実際のクラゲのように、形を変えながら横移動する「ぷよぷよに出てくるモンスターみたいなクラゲ」。海で泳いでいる他の魚たちもみんな来場者の作品たちだ。観ていたらだんだん自分で書いた魚に愛着が湧いてきた!ちなみに、スケッチオーシャン内に用意されたQRコードを読み込み、必要情報を選択・記入し、併設のチームラボ スケッチファクトリーで支払いを済ませると、自分の絵でTシャツやトートバッグ、缶バッチが作れる。ちなみに筆者は今回、トートバッグを制作してみた。自分の描いたお魚がチームラボのグッズになるなんて!東京観光のお土産にもぴったりだ。
また、ファクトリー内では、米袋を再利用して作られたバッグなどの、チームラボのオリジナルグッズも販売しているので合わせてチェックしてみて!
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チームラボボーダレスへのアクセス
チームラボボーダレスへ行くには地下鉄が便利だ。最寄り駅は東京メトロ日比谷線「神谷町駅」直結の麻布台ヒルズ内にある。東京・豊洲にあるもう一つのチームラボの施設「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」と間違いやすいので、チケット購入や当日アクセスする際には注意を!
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