日本の牛タン焼き発祥の地といえば、宮城県・仙台市を思い浮かべる人が多いはず。しかし、わざわざ仙台まで行かなくても、東京でおいしい牛タンが食べられることをご存じですか?
今回は、牛タンのおいしさに秘密に迫りつつ、東京にある専門店3選をご紹介。英語や中国語メニューが置いてある、ツーリストフレンドリーな店ぞろいです!
※当記事に登場するメニューとその価格(税込み)はすべて2023年9月執筆時のものです。内容が変更している場合がありますので詳細は各店舗の公式HPにてご確認ください。
牛タンとは?栄養価値やよく見かける部位を解説
1948年頃、宮城県・仙台市で誕生した牛の舌を使用した牛タン焼き。その後、市内で牛タン専門店が増えていき、1975年創業の「味の牛たん喜助」により、仙台名物として日本全国に広まったと言われています。
牛タンは、一頭の牛から約 1~1.5kgしか取れない希少な部位です。カルビやロースと比べると脂肪分は少なめで、ジュワッと溢れる肉汁とコリコリの歯ごたえが魅力です。たんぱく質や脂質、ビタミンB12、ビタミンB2などの栄養価が豊富に含まれています。カルビやロースなどの生肉と比べて100gあたりのカロリーが約1/2、脂肪が約1/3と、比較的ヘルシーな部位と言えます。
牛タンは4つの部位に分かれ、舌の根本に近いほどやわらかいのが特徴です。部位や肉質が違えば、適した調理法もそれぞれ異なります。
- タン先(先端):硬めの肉質で深い旨味が特徴
- タン中(真ん中):適度な歯ごたえで脂肪が多い
- タン元(付け根):最も柔らかく、脂肪が多い
- タン下(付け根の下):かなり硬めの肉質で深い旨味
比較的に柔らかいタン中・タン元は焼肉など焼いて食べることが多く、肉質の硬いタン先・タン下はカレーやシチュー、テールスープといった煮込み料理、タン下はミンチにしてハンバーグなどにもよく使われます。
食べる際には、塩や塩+レモン、柚子胡椒などをかけたり、ネギと一緒に食べたりするのが主流です。また、生食の基準を満たしていれば、お刺身としていただくこともできます。
牛タン定食に付いてくる麦飯、とろろやテールスープの特徴
日本の牛タン定食には、ほとんどの場合、①麦ごはん、②とろろ、③テールスープと④お新香が付きます。
- 麦ごはん:食物繊維やビタミンB群など栄養価の高い大麦と米を混ぜて炊いたごはん。大麦は糖の吸収をゆるやかにするメリットも
- とろろ:生の山芋や長芋をすりおろしもの。ビタミンが豊富なうえ、消化を助ける働きのある酵素が豊富
- テールスープ:牛の尾を長時間かけて煮込んだ、コラーゲン豊富なスープ
- お新香:野菜の浅漬けのこと。肉料理の合間のアクセントとして、口の中をさっぱりとさせてくれます
1980年代まで牛タンは、お酒と一緒に味わう料理として食べられていました。一説によると、「麦飯+とろろ」のセットが定番になったのは、健康志向の高い人にも牛タン定食を食べてもらおうと、「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」が考案したのがはじまりだという。以降、「麦とろごはん」が大人気となり、現在では男女問わず人気メニューとして定着しています。
東京でおいしい牛タンが食べられるおすすめ専門店3選
仙台名物の牛タン専門店は東京にもたくさん出店しています。そんな牛タン専門店の中から、主要ターミナル駅からのアクセスが良く、英語や中国語メニューが対応可能の3つを紹介します。
【渋谷、上野、池袋 ほか】牛たん とろろ 麦めし ねぎし:とろろと麦めしをセットにした牛たん定食の生みの親
1981年、東京新宿・歌舞伎町で創業した「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」(以下「ねぎし」)。
牛たん定食の定番となった牛たんと麦めし、テールスープ、とろろを組み合わせたヘルシーなセットを生み出した、牛たんを中心としたお肉の定食屋さんです。
ねぎしでは主に3種類の牛たんが提供されます。これらの牛たんは、塩胡椒で味付けした後、熟成させ、遠赤外線で表面を一気に焼くと表面はパリッとし、中はジューシーな仕上がりに。
- しろたん:舌の根本あたりの部位を使用した、厚切りで提供される柔らかい牛タン
※ねげしが名づけた、1本のたんからわずか34%(約9枚)しか取れないタン元あたりの部位 - ねぎし:女性にも食べやすいよう「しろたん」を薄切りにしたもの
- がんこちゃん:赤身ならではのあっさりとした味わいの牛たん。
💡店内メニューは日本語のみ対応。裏面QRコードをスマートフォンで読み取れば、英語と中国語(簡体字)が表示されます。
ねぎしの必食メニュー①:牛たん3種盛りセット
牛たん3種盛りセット / 2,800円(一部店舗では価格が異なります)
しろたん(白たん厚切)ねぎし(白たん薄切)がんこちゃん(赤たん)の3種の牛たんの食べ比べで、多彩な食感と味わいが堪能できます。
ねぎしの必食メニュー②:まるねセット
まるねセット/ 1,800円(一部店舗では価格が異なります)
やわらかく旨味のあるねぎし(白たん薄切)と歯ごたえがあり、あっさりした味わいのがんこちゃん(赤たん)との食べ比べが楽しめます。
店舗例:
- 【渋谷センター街店】
渋谷区宇田川町28-1
JR・東京メトロなど各線「渋谷駅」から徒歩約2分 - 【上野駅前店】
台東区上野6-14-7 Delicious Plaza 2F
JR・東京メトロ「上野駅」から徒歩約1分
※同ビル地下1階にも【上野駅前B1店】があります。 - 【池袋東口店】
豊島区東池袋1-11-1 オーク東池袋ビルB1
JR・東京メトロなど各線「池袋駅」から徒歩約3分
※東京32店舗・横浜4店舗・千葉1店舗・埼玉1店舗(2023年6月時点) - 公式サイト:https://www.negishi.co.jp/
- YouTube:https://youtube.com/@negishi_official
- Instagram:https://www.instagram.com/negishi_official/
【池袋、渋谷、新宿 ほか】牛たん炭焼 利久:職人仕込みの牛タンが堪能できる、仙台創業の専門店
1988年創業。炭火焼と職人の技により、伝統の味が堪能できる牛タン専門店「牛たん炭火焼 利久」(以下「利久」)。
伝統の技の1つ目が、包丁による手作業。柔らかい部分のみ切り分ける作業やスライス、厚みがあってもかみ切りやすくするため、スライスした牛タンの表面に切れ目を入れるなど、肉の下処理はすべて手作業で行われます。
2つ目が、1枚1枚の大きさと厚みを見ながら、熟練の職人が調節する手振り塩での味付けです。冷蔵庫で熟成され、より柔らかく、旨味が引き出された牛タンを炭火で焼くことにより、こだわりの伝統の味が完成。
💡店内メニューは英語、中国語(繁体字、簡体字)対応可能
利久の必食メニュー①:牛たん定食(3枚6切)
牛たん定食(3枚6切)/ 2,409円
炭火で焼き上げたジューシーな牛タン焼きと牛テールをじっくり煮込んだテールスープ、食物繊維たっぷりの麦飯、日替り小鉢、和菓子がセットに。ピリ辛のお新香がたっぷり添えられたヘルシーな定食です。
利久の必食メニュー②:牛たん極定食(3枚6切)
牛たん極定食(3枚6切) / 3,333円
通常の牛タンよりも厚切りのものを使用し、噛むたびに柔らかい弾力とともに旨味が口に広がります。
店舗例:
- 【池袋店】
豊島区西池袋1-12-1 ESOLA池袋7F
JR・東京メトロなど各線「池袋駅」から徒歩約5分 - 【渋谷ヒカリエ店】
渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ6F
JR・東京メトロなど各線「渋谷駅」から徒歩約1分 - 【ルミネエスト新宿店】
新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト7F
JR・東京メトロなど各線「新宿駅」から徒歩約1分
※東京10店舗・神奈川県2店舗・埼玉県3店舗・千葉県2店舗(2023年8月時点) - 公式サイト:https://www.rikyu-gyutan.co.jp/
【東京駅、池袋】味の牛たん喜助:「仙台名物牛たん」を日本全国に広めた牛たん専門店
仙台生まれの「炭火焼牛たん」を日本全国に広めた、1975年創業の「味の牛たん喜助」。
厳選した牛たん1枚ずつに熟練の職人が風味の良い赤穂の焼き塩や胡椒を手振りして、じっくりと数日間熟成。牛たん本来の旨味や肉汁は、強火の炭火焼によりさらに閉じ込められ、噛んだ瞬間に口のなかにあふれ出します。
そんな牛たんとともに味わう麦めしには、おいしいと評判の宮城県産米の「ひとめぼれ」をブレンド。昔ながらの製法で味わい深い牛たんがいただける専門店です。
💡店内メニューは英語、中国(繁体字、簡体字)対応可能
味の牛たん喜助の必食メニュー①:職人仕込 特切り厚焼定食
職人仕込 特切り厚焼定食 / 2,512円(2枚4切)~(写真は3枚6切3,520円)
約1cmの厚さの牛たんに切込みを入れて熟成させたステーキのようなボリュームのある、味の牛たん喜助ならではの絶品牛たんです。
味の牛たん喜助の必食メニュー②:厚切りゆでたん
厚切りゆでたん / 594円
特製スープでゆで上げた、お箸で切れるほど柔らかいたん。黒胡椒がたんにしみ込んだスープのさっぱりとした味わいのアクセントとなり、添えられたわさびで味の変化が楽しめます。
店舗例:
- 【東京駅八重洲北口店】
千代田区丸の内1丁目9−1 東京駅八重洲北口1F グランスタ八重北
JR・東京メトロ「東京駅」直結 - 【ルミネ池袋店】
豊島区西池袋1-11-1 ルミネ池袋8F
JR・東京メトロなど各線「池袋駅」直結 - 【丸の内パークビル店】
千代田区丸の内2-6-1 ブリックスクエアB1F
JR・東京メトロ「東京駅」から徒歩約5分 - ※東京都内3店舗、神奈川県2店舗(2023年7月現在)
- 公式サイト:https://www.kisuke.co.jp/
仙台で誕生した牛タン焼きを、東京で味わいましょう!
部位ごとに味わいや食感が異なる牛タン。お店によっても味の違いが楽しめるので、次回東京を訪れた際には、部位の食べ比べをしたり、複数店舗を巡って食べ歩きをしたりして、職人が腕を振るう牛タンを味わいましょう。
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