日本神話を知っている方なら、一度「因幡の白兎」という昔話を聞いたことがあるかもしれません。島根県出雲大社で、縁結びの神様として有名なご祭神である「大国主神」と「八上姫」が結ばれたのは、この「因幡の白兎」のおかげなのそうです。ですから、もし良縁に恵まれたい、片思いの相手と両想いになりたいと考えているそこのあなた!ぜひ、この伝説を学んでから、鳥取県の「白兎神社」に訪ねましょう!
恩返しが縁結びの始まり!?「因幡の白兎」とは
「縁結び神社」として有名な島根県の出雲大社に行くと、まず目に入るのが境内あちこちに点在する白兎の石像です。なぜ出雲大社にはこんなにたくさん白兎の像が並んでいるのでしょうか?出雲大社のこの白兎像は神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」を表現したもの。そして、実は鳥取県「白兎神社」に祀られている主祭神「白兎神」のことでもあるのです。
日本最古の歴史書として知られる『古事記』によると、ある日、大国主神は兄の八十神とともに、因幡の国(現在の鳥取県)へ出かけます。そして道中の気多ノ前(けたのさき:現在の鳥取県鳥取市白兎海岸)を通りかかった際に、ワニザメ(サメ)によって皮を剥がれた兎と出会いました。八十神が「海水を浴びればすぐ治りますよ」と嘘の治し方を教えたため、言われた通りにした兎は体がもっと痛くなりました。
その後、八十神達の荷物を背負って通りがかった大国主神は痛くて泣きじゃくる兎に、「まず川の真水で体を洗い、ガマの穂を敷いてその上に寝っ転がりなさい」と言いました。指示通りにしたうさぎは見事に回復しました。そして、その恩返しをするために、兎は「八上姫と結ばれるのはあなたです」と予言、このウサギの恩返しによって大国主神と八上姫は結ばれたそうです。これが神話「因幡の白兎」のストーリーです。
白兎神社:良縁祈願のために絶対行くべきスポット!
「因幡の白兎」の舞台、白兎神社の主祭神はもちろんこの神話のうさぎである「白兎神(※以前は白兎大明神とも呼ばれていた)」です。
白兎神社は有名な良縁祈願の神社だけでなく、日本初のラブストーリーの発祥地として、全日本「恋人の聖地」にも認定されました。良縁を求めて、一年中絶えず参拝客が訪れます。さらに、因幡の白兎の物語の中で、うさぎの皮膚が大国主神のおかげで治ったため、皮膚病や動物医療にもご利益のある神社として信仰されています。
ちなみに、あなたがもし幸せすぎて恋愛がらみの悩みが一切ないのなら、白兎神社観光の最大のみどころはあちこちに散在するかわいいうさぎ像たちです。鳥居をくぐると、参道両脇にいろいろなポーズをしたキュートな白兎石像が建っています。
また、うさぎをモチーフにした授与品も見逃せません。うさぎ柄のハート型絵馬、大きなうさぎの耳型縁結びお守り、飾りとされる白うさぎおみぐじなどは、どれもかわいくてたまらないです。
白兎神社には、独自の参拝方法があります。神社で購入した五個入りの「縁」と刻まれた「結び石」を、二の鳥居の上へ投げ、うまく乗れば願いが叶うそうです。残りの結び石は記念品として持ち帰りましょう。
スポット情報
- スポット名:白兎神社
- 住所:鳥取県鳥取市白兎603
- アクセス:JR鳥取駅から日ノ丸バス鹿野行きで40分、「白兎神社前」下車すぐ
- 公式サイト:https://hakutojinja.jp/
白兎海岸:絶好の撮影スポットとなる神話の地
「因幡の白兎」のあらすじを学んだ後は、ぜひ物語の舞台とされる「白兎海岸」へ遊びにきてください。
「淤岐ノ島」から気多ノ前(けたのさき)に行こうとした白兎は、この海岸でワニザメ(サメ)を騙し一列に並ばせ渡ろうとしました。現在、白兎海岸からは物語にも登場する淤岐ノ島を眺めることができます。また、海岸から約150m離れたこの小島は、横から見ると、ぴょんぴょんと跳んでいる兎のように見えます。また、島の近くに点々と続く黒い岩礁はサメの背中になぞらえられます。
このように、神話の内容を思い出しながら、海岸の風景を眺めるのもその魅力の一つです。
しかし、「因幡の白兎」の物語について興味がなくとも白兎海岸は一度は訪ねる価値のあるスポットです。弓なりに連なる白い砂浜は美しく、夏になると地元民にも愛される海水浴場とサーフィンの聖地としても有名です。晴れた日は、海を泳いだり、砂浜を散歩したりすれば、楽しい午後を過ごせるでしょう!
また、連絡橋から海岸の絶景を一覧することができます。写真を撮るのが好きな人にとっては、最高にフォトジェニックなスポットです。
スポット情報
- スポット名:白兎海岸
- 住所:鳥取県鳥取市白兎
- アクセス:JR鳥取駅から日ノ丸バス鹿野行きで40分、「白兎神社前」下車すぐ
道の駅 神話の里 白兎
白兎神社や海岸を観光後にショッピングを楽しむなら、白兎神社と白兎海岸の間にある「道の駅 神話の里 白兎」を訪ねてみるのもおすすめです。このエリアの土産物で人気なのは、うさぎ形の飾り物や鳥取県産食材で作った漬物、調味料もなど。扱う商品の種類が豊富なのできっとほしいお土産が見つけられますよ。また、2階のレストランで、食事しながら白兎海岸の絶景を眺めるのもおすすめです。
スポット情報
- スポット名:道の駅 神話の里 白うさぎ
- 住所:鳥取県鳥取市白兎613
- アクセス:JR鳥取駅から日ノ丸バス鹿野行きで40分、「白兎神社前」下車、徒歩5分
- 公式サイト:http://sirousagi.com/
ちなみに、日本最古のラブストーリーといわれる「因幡の白兎」ですが、ロマンティックであるかどうかは人によります。でも、日本の神話や伝説に興味を持つ人も、持てない人も、ぜひ一度秀麗な海岸風光を有する「白兎海岸」と良縁祈願の「白兎神社」へ遊びにきてください。
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