みなさんが、最後に旅行ガイドブックを持って旅に出たのはいつだろうか。もしくは、旅行ガイドブックを持って旅に出たことはあるだろうか。
Google先生に教えを請ったり、Instagram師匠の力を借りてハッシュタグを検索したり。「スマホ一台さえあれば、旅行情報を秒単位ですぐ搔き集められる今の時代に、本は買わなくて良いのでは...?」と考えたそこのあなた!そう思っていたら大間違い‼本ならではの価値が、実はたくさん存在するのだ。
数年ぶりに、訪日旅行の本格再開が見込まれる中、今こそ旅のプロが作った旅行ガイドブックで現在の日本を予習しておこう。
FJスタッフがプロにおすすめの日本旅のスタイルを聞いてきた!
「旅行ガイドブックと言えば?」と日本人に聞くと、多くの人は《るるぶ》(発行元:株式会社JTBパブリッシング)の名前を思い浮かべるだろう。日本全国各地の「観る」、「食べる」、「遊ぶ」をガイドした旅行情報誌で、「発行点数世界最多の旅行ガイドシリーズ」として2010年にギネス世界記録™に認定され、2022年8月に発売された《るるぶホノルル'23》で通巻6,000号を迎えた。
これだけ多くの旅行ガイドブックを出版しているということは、旅の情報誌として右に出る者はいないということ。そんなプロ中のプロが提案する旅のコツとは…?日本が恋しくてたまらないFUN! JAPAN読者の皆さんでもマネしやすい旅のスタイルを早速シェアしていこう。
旅スタイルの提案①:脳内航海する感覚で出航したい《ONE PIECE》妄想旅行
東京、大阪、北海道…久々に日本に行くなら、定番スポットや王道コースも良いけれど、今までと違う切り口でその魅力を再発見するのもおすすめだ。
気軽に海外旅行へ行くことがまだ難しい今の時代に《るるぶ》が提案するのは、家から出なくても旅行気分が味わえる「妄想旅行」だ。しかし、ただGOOGLE STREET VIEWを開いて人型アイコンを動かして徘徊するのではなく、漫画の世界と連動して世界各国にある物語の舞台とそっくりのスポットへ冒険に出かけることをコンセプトとする。
マンガ《ONE PIECE》が連載1,000話を突破したことを記念して刊行した《るるぶONE PIECE》。マンガ《ONE PIECE》は海外60の国と地域にも流通し、全世界発行部数が5憶部を超える日本を代表する作品。FUN! JAPAN読者の皆さんも知っている方が多いのではないだろうか。
《るるぶONE PIECE》は制作スタッフが原作を隅々まで読み返し、作者公認のモデル地やファンの間での噂などの情報を集めながら物語の舞台に似たスポットを写真のアングルにこだわって紹介した、出版社の集英社公認のコラボ本。
日本、アメリカ、イタリア、インドネシア、中国、メキシコ…世界30か国に点在する観光地を網羅し、それぞれの島で登場したキャラクターの吹き出しと共に物語の舞台に似たスポットを原作のシーン画像と並べて解説(画像は作者である漫画家の尾田栄一郎氏公認のモデル地、イタリア・ヴェネツィア)していて、読んでいるだけで世界を一周してる気分!どれも世界各地に実在する場所なので、いつか世界を飛び回れるようになったらぜひ自分で確かめてほしい。
「旅行」を再定義し、麦わらの一味になって航海する妄想スタイルがまた新鮮だ。
例えば富士山と松林が映える静岡県・三保の松原。ルフィがワノ国に辿り着いた最初の場所、九里ヶ浜に似ているんだとか。
岐阜県・白川郷の合掌造り集落は作者も訪れた聖地。そのほか、愛知県・名古屋城、京都・清水寺など、日本国内には物語の舞台に似ている観光地がたくさん。訪れたことがあるファンでも、「聖地」と思って再訪すると景色も違って見えてくるはず!
物語の中でも未完成の世界地図をONE PIECEファンブック公認YouTuberと編集部があらゆる情報をもとにして作った「OP妄想海図」。これなら作品に登場する島々の位置が一目瞭然!
表紙で特に目を引くのが、尾田栄一郎氏からの直筆サイン入りメッセージ。コラボを記念にTwitterでも公開され、ファンの間では大きな話題を呼んだ。
翻訳版は発行されていないが、イラストや写真も多く、ファンなら見ているだけで楽しめる一冊になっている。
るるぶONE PIECE
- 価格:1,100円(税込み)
- ページ数:112
- 商品ページ: Amazon Japan
旅スタイルの提案②:ポケモン図鑑を埋める感覚で集めたい「御城印」
2つ目に紹介したい旅のスタイルが、「御城印集めの旅」だ。
神社やお寺を参拝した証としてもらえる「御朱印」を知っている・集めている読者はたくさんいるかもしれないが、「御城印(ごじょういん)(*1)」の知名度はまだ(各国)においてそこまで高くないのでは?
御城印の起源は、1991年頃に長野県・松本城が登城者に頒布した「天守閣登城記念朱印符」に遡る。それから20年の歳月を経て、今や日本全国のお城・城跡で御城印が販売され、これまでには1,000以上の種類 が発行されているという。最新世代(*2)のポケモンよりも種類が多いなんて…
*1:お城を訪れた際に購入できる、もしくはもらえる登城記念証のこと
*2:第8世代まで。2022年8月時点未発売の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』を除く
そんな日本を席巻する「御城印ブーム」にフォーカスしJTBパブリッシングが制作したのが、《はじめての御城印めぐり》だ。
書名にある通り、「はじめて」の御城印ビギナーをターゲットとした一冊で、お城の基本情報はもちろん、ポケモン図鑑のように各城の御城印&見どころも盛りだくさん、写真も満載だ。
お気に入りのデザインを集めるだけでなく、お城とその周辺の観光地も合わせて巡れば楽しさも倍増だ。例えば朝は日本三名城の1つに数えられる愛知県・名古屋城に行き、御城印をいただいてから名古屋城下にある金シャチ横丁でランチ。昼過ぎには徳川美術館や豊國神社(御朱印もあるよ)を巡って、ヒストリカルな名古屋旅へ。
御城印の歴史・基本はこちらの記事にまとめてあるので、詳しく知りたい人はぜひ 。
「御城印マスター」になるには、今からでも遅くない!だが、御城印は登城した時期や限られた季節にしか購入できないものも多いので、難易度は高い・・・。ただ、日本の城の歴史やその魅力を学べる楽しさが潜んでいる!
はじめての御城印めぐり
- 価格:1,430円(税込み)
- ページ数:128
- 商品ページ:Amazon Japan
そもそも、旅行ガイドブックの存在価値とは?
観光情報なんて、タダで得られる情報が個人ブログ、Instagram、WEBメディアに溢れかえる今の時代に、何でお金を払ってまで紙書籍を買う必要があるの?
その答えは、正確な情報が保証されているということだ。
まず、現地在住のライターが取材に行き、撮影し、各観光スポットの現状を確認する(特に東京、大阪など、新陳代謝が激しい街はお店の入れ替わりが早いため尚更重要)。
名称、住所、営業時間…掲載情報の誤植・誤記は禁物なので、出版前に念入りに関係各所に事実確認をすることが基本。毎年改定版を発行する《るるぶ》に関しては、掲載スポット1カ所につき最低でも1回、電話番号確認も合わせると2回はファクトチェックをしているとのこと。仮に《るるぶ東京》に載っているスポットが1,000カ所×各掲載先と2回やりとりをする=連絡の数だけでも2,000回を超える。想像するだけでも気絶しそうなこの作業が、正しい情報を約束してくれる肝だ。
見開き一面の地図も書籍ならではのこだわり。手に持った瞬間、旅をしている実感が湧いてくるよね!
今回紹介したのは、《るるぶ東京23》、《るるぶ北海道23》、《るるぶ九州23》を含む《るるぶ情報版[国内]》シリーズ。日本人目線で編集した旅行ガイドブックを、一度手に取ってみては?
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