日本には数多くの城が残されており、今も多くの歴史ファンを魅了しています。FUN! JAPAN編集部は今まで、「必ず訪ねておきたいお城10選」、「日本現存天守12城」、「国宝5城」、そして「日本三大夜城」を紹介しました。今回は、日本三大名城といわれる大阪城、熊本城、名古屋城の見どころ、アクセスやチケット購入方法など訪れる前に知っておきたい実用情報をご紹介。
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日本三大名城とは
日本三大名城とは、数多く建てられた日本の城のなかでも、トップ3の名城とされる城のこと。城の文化的価値の高さを表わす目安としては、財団法人日本城郭協会が文部科学省・文化庁の後援を得て選定した「日本100名城」がありますが、日本三大名城はこのような公的な団体によって正式に選定されたものではありません。一般的に、大阪府の大阪城、熊本県の熊本城、愛知県の名古屋城が三名城とされることが多いのですが、いずれかの城の代わりに兵庫県の姫路城や長野県の松本城となる場合もあります。
大阪城:豊臣秀吉が初代天守を築いた大阪のランドマーク
戦国・安土桃山時代の日本の武将、豊臣秀吉が天下統一の拠点として築いた大阪城。秀吉は今後発展する見込みがある大阪に築城し、城下町を整備することで、自身の持つ力を天下に示す狙いがあったとされています。城は数万の人々を動員して堀を二重、三重にするなどして約3年費やし完成したとわれています。根石からの高さ約32メートルの上にそびえる天守閣と、そのまわりを幅約50メートルもある内堀と外堀で囲まれていることから、難攻不落の城とされていました。
しかし、1614年の11~12月に行われた「大坂冬の陣」と、翌1615年の4~5月に行われた「大坂夏の陣」という城周辺を舞台に行われた2つの戦いで、豊臣秀吉と徳川家康が戦い、徳川家康が勝利したことで、豊臣側は滅亡。その後、1620年に徳川秀忠の命により、10年をかけて再築。
豊臣時代の大坂城跡に高さ数メートルの盛り土をして再建されたため、現在も地下深くに豊臣時代の石垣が埋まっていると言われています。現在の天守閣は1931年に復興されたもので、第二次世界大戦の空襲も乗り越え、今に至ります。
大阪城の見どころ:歴史資料を展示する天守閣。桜の名所としても有名
1931年に復興された天守閣は、現在、歴史博物館に。3・4階は「豊臣秀吉とその時代」をテーマに、秀吉ゆかりの品々をはじめとする戦国時代の資料などを、5階は「大阪夏の陣図屏風の世界」をテーマに映像とミニチュア模型を使い分かりやすく紹介。地上50メートルの高さにある8階にある展望台からは、眼下に大阪城公園や大阪平野の街並みを一望できます。また、大阪城公園には約3,000本の桜が植えられているので、お花見シーズンは桜観賞を楽しめます。
大阪城 施設概要
- 住所:〒540-0002 大阪市中央区大阪城1-1
- 営業時間:天守閣は9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 公式サイト:https://www.osakacastle.net/
大阪城のアクセス&チケットの買い方
大阪城の最寄り駅
Osaka Metro
- 谷町線「谷町4丁目」駅1-B番出口、「天満橋」駅3番出口
- 中央線「谷町4丁目」駅9番出口、「森ノ宮」駅1番出口、3-B番出口
- 長堀鶴見緑地線「森ノ宮」駅3-B出口、「大阪ビジネスパーク」駅1番出口
JR
- 大阪環状線「森ノ宮」駅、「大阪城公園」駅
- 東西線「大阪城北詰」駅
京阪電車
- 京阪電車「天満橋」駅
水上バス
- 「大阪城港八軒家浜船着場」
大阪シティバス
- 「大阪城大手前」、「馬場町」【62系統】
- 「大阪駅~淀屋橋~天満橋~大阪城大手前~馬場町~あべの橋~住吉車庫前」
主要駅からのアクセス
①梅田駅・大阪駅
大阪駅から、JR大阪環状線外回り京橋・鶴橋方面に乗車し、約10分、「大阪城公園」駅下車
※梅田駅の場合、徒歩5分で「大阪」駅へ
②心斎橋・なんば
なんば駅から、OsakaMetro御堂筋線に乗車し、約1分、「心斎橋」駅でOsakaMetro長堀鶴見緑地線に乗車し約8分、「森ノ宮」駅下車
③天王寺
天王寺駅から、JR大阪環状線内回りに乗車し、約9分、「森ノ宮」駅下車
チケットの買い方
①現地:天守閣入口券売所にて販売。ただし混雑することがあるので、オンラインでの事前購入がおすすめ。
②ウェブ:大阪城天守閣の1回入館券(3か月有効)。当日、天守閣入口券売所「2番」へ
👉 大阪城天守閣|電子チケット(入館料)
👉 大阪の日中ヘリコプタークルージング・遊覧飛行(4分・7分・10分コース)
熊本城:天守閣が完全修復。復旧工事が進むお城へ
豊臣秀吉に仕えた安土桃山・江戸初期の武将・加藤清正によって、約7年の年月を費やしで築城された熊本城。上に向えば向かうほど反り返りが激しくなり、登ることができない石垣「武者返し」などがあり難攻不落の名城としても有名です。1877年には火災で天守・本丸御殿などを焼失。
1933年に宇土櫓ほか12棟が国宝に、石垣・堀が史蹟に指定されました。1960年熊本城天守閣が復元されましたが、2016年の熊本大地震で大きな被害を受けたため、2017年に天守閣復旧に着手、2021年に完了しています。そのほか、宇土櫓、本丸御殿大広間、南大手門などが現在、復旧中。
歩いて巡ることができないエリアもありますが、再建中の熊本城を眺められるのも今だけなので貴重です。
熊本城の見どころ:完全復旧した天守閣は必見!
見どころは2021年3月に完全復旧した天守閣。全面リニューアルした展示と、最上階からの眺めを楽しめます。展示スペースでは、熊本城の「天守」の歴史にクローズアップし、築城から西南戦争での焼失、天守再建、 熊本地震での被災と復旧までを映像や模型などを用い、分かりやすく紹介しています。最上階からは、復興が進む熊本城と熊本の街並み、遠く阿蘇の山並みを一望できます。スマートフォンアプリのAR機能を使って、明治初期に撮影された古写真を現代の景色に重ねて表示することができます。
2016年4月14日に発生し甚大な被害をもたらした熊本地震。熊本城では敷地内にある33の施設すべてが、瓦が落ちる、やぐらが倒れるといった被害にあいました。熊本城のシンボルともいえる石垣は、約1000ある面のうち、半分以上にあたる517面で崩落したり、石垣が膨らんだりする被害が出ました。積み直しが必要な石の数はおよそ10万個といわれています。
石垣の復旧には、崩落した石をもともとあったところに、正しく元通りに戻す必要があり、職人が作業にあたっていますが、1日に積める石(築石)は平均で3個ほど。気が遠くなるような作業を進めなければなりません。
2024年6月現在、天守閣、本丸御殿大広間、長塀、監物櫓などは復旧完了していますが、完全復旧は2052年度の見通しに。観覧の際は、立ち入り禁止区域には入らないように注意しながら、ルート通りに進んで観光してください。
熊本城 施設概要
- 住所:〒860-0002 熊本県熊本市中央区本丸1−1
- 営業時間:
- 9:00~17:00(最終入園16:30)
- ※天守閣の入場は16:30まで
- ※イベント等により開園時間が延長になる場合あり
- ※2022年10月1日より平日は南口からの入出場のみ、土・日曜、祝日は北口・南口のどちらでも入出場可能
- 休園日:年末(12月29日~12月31日)
- 入園料:800円
- 公式サイト:https://castle.kumamoto-guide.jp/
熊本城のアクセス&チケットの買い方
- 熊本駅から市電に乗車し約17分、「熊本城・市役所前」下車、徒歩約10分、
- 熊本駅から路線バスに乗車し約10分、「桜町バスタ―ミナル」下車、徒歩約10分
- 熊本駅から「熊本城周遊バスしろめぐりん」に乗車し、約30分、「熊本城(二の丸駐車場、二の丸広場)」下車
「熊本城周遊バスしろめぐりん」とは?
熊本駅から熊本城とその周辺の施設を巡るときに便利なチケット。どこからどこまで乗っても180円。熊本城周遊バス1日乗車券には各施設の割引券付き。熊本城入園料800円のところ、640円に。料金は1回180円、一日乗車券500円。
チケットの買い方:現地OR 公式サイトWEBチケット)
現地:券売所(4か所)にて購入を。クレジットカードのほか、電子マネー、QRコード決(WeChatPay、ALIPAY、PayPay、au PAY、d払い、メルペイ、楽天ペイなど)
- 南口券売所 (9:00~16:00)
- 北口券売所 (8:45~16:00) ※土・日曜、祝日のみ利用可
- 二の丸券売所 (8:45~16:00)
- わくわく座券売所 (8:45~16:00)
ウエブ:来園日時が決まっている場合、WEB上にて入園券 (電子チケット) の事前購入が可能。購入完了後、登録メールアドレス宛に電子チケット (二次元コード)が届きます。
来園当日は、入園口にて二次元コードをスマートフォンで表示、または二次元コードを印刷して持参を。購入後のキャンセルや日時変更不可。
👉 熊本城
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名古屋城:天守閣を飾る金シャチがお馴染みの、名古屋の一大観光名所
戦国時代から江戸時代初期の日本の武将で江戸幕府初代将軍である徳川家康が天下統一の最後の布石として建てた城。1612年に築城。シンボルは、巨大な天守の屋根に添えられた金のシャチホコ。雄と雌の2体があり、純金で作られた「金のシャチホコ」は、徳川家康が大名に対し、自分が天下人だと威厳を示すために作ったと伝えられています。1945年の名古屋大空襲で大部分を焼失しましたが、1959年に再建。
大天守閣の1~5階では、名古屋城に関する様々な展示を見ることができます。かつて城郭として国宝第1号に指定された名古屋城の本丸御殿は「近世城郭御殿の最高傑作」と呼びならわされるほどのものでしたが、戦争によって被災。
しかし、残されていた文献や実測図・古写真・障壁画などを参考に、2009年より復元工事が始まり、2018年に完成しました。しかし、耐震性を高めるために、2024年6月現在、閉鎖中。
名古屋城の見どころ:本丸御殿&名古屋城地下になるグルメ横丁
① 本丸御殿
「近世城郭御殿の最高傑作」とも言われる本丸御殿。藩主が公務を行い、来客などと会う場所「玄関・表書院」、藩主がより身近な側近や親族と対面していた場所「対面所」、そして三代将軍・家光が京都へ移ったのに合わせて1624年に増築された、将軍の宿泊所「上洛殿・御湯殿書院」の3エリアがあります。
本丸御殿は奥へ行けば行くほど、「位の高い人が使う=豪華」になっているのです。例えば、天井は格式の低い棹縁(さおぶち)天井から格式の高い格天井(ごうてんじょう)となり、さらに格縁が黒漆塗に、天井板は金箔が押され…と豪華絢爛に。
② グルメ 金シャチ横丁
名古屋城下にある大型飲食施設。「みそかつ矢場とん」、「山本屋総本家」などの定番・老舗のなごやめしが集結した「義直ゾーン」、「あんかけ太朗」、「創作串揚げ つだ」などユニークな店舗が軒を連ねる「宗春ゾーン」の2つがあります。
名古屋城 施設概要
- 住所:〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1番1号
- 営業時間:
- 9:00~16:30(本丸御殿・西の丸御蔵城宝館への入場は~16:00)
- ※本丸御殿へは正門・東門から徒歩10分、入場希望者は16時までに正門・東門ではなく本丸御殿の入口へ。
- 観覧料:500円
- 休園日:12月29日~31日、1月1日
- 公式サイト:https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/
名古屋城のアクセス&チケットの買い方
最寄り駅
- 地下鉄 名城線「名古屋城」駅下車7番出口より徒歩 5分
- 市バス 栄13号系統(栄~安井町西)「名古屋城正門前」、なごや観光ルートバス「メーグル」、基幹2号系統 「市役所」 下車 徒歩5分
- 名鉄 瀬戸線 「東大手」駅下車 徒歩15分、瀬戸線「東大手」駅下車徒歩15分
主要駅からのアクセス
名古屋駅
栄駅
- 名古屋市営名城線に乗車し、約4分、「名古屋城」駅下車
チケットの買い方
- ①現地:券売所にて購入
- ※天守閣は2018年から耐震のために改修中、完成日時は未定。東門または正門の改札券売機にて購入
- ②ウェブ:アソビューにて購入。購入から3カ月以内に利用を。キャンセル不可。
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日本三大名城へ!
三大名城はどれも魅力的な城ばかりです。天守閣からの眺め、城郭を作る堀や櫓、そして重厚感のある石垣など、ダイナミックさに圧倒されることでしょう。ぜひ一度訪れてみて!
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