日本はどの季節でも、どこかで花が咲いている。が、どの花、どこで見えるなどという情報が手に入らないと見に行けないので、このシリーズは季節ごとそういう情報をまとめる。今回は「夏」の時期、6月~8月に咲く花を紹介する。
夏の花、開花・見頃の表
6月~8月の間には色々の花が咲くが、一般的にあっちこっち咲いて見頃が特定できない花もある。ずっと咲いている花と比べれば、見頃が短い花のほうは人気があり、その花があるスポットも観光地になったことも多い。この表には見頃のある花だけまとめる。なお、この表はラベンダー以外の花の場合関東をメインにして、ラベンダーは北海道の時期とする。また、この表は例年の予想ではなく、平均の開花・満開時期である。場所と例年による気候で各地の開花・見頃が異なる。
●:開花から落花まで
◎:満開・見頃
花/時期 | 6月上旬 | 6月中旬 | 6月下旬 | 7月上旬 | 7月中旬 | 7月下旬 | 8月上旬 | 8月中旬 | 8月下旬 |
紫陽花 | ● | ◎ | ◎ | ◎ | ● | ● | - | - | - |
ラベンダー※ | - | - | ● | ◎ | ◎ | ◎ | 刈り取り | - | - |
蓮 | - | - | - | ● | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ● |
向日葵 | - | - | - | - | ● | ◎ | ◎ | ◎ | ● |
雨季の代表的な花:紫陽花
夏の花とは言い切れないが、見頃は6月~7月なので、夏の時期に咲く花は間違いない。紫陽花は日本語で「紫陽花」と書いて「アジサイ」と読むが、昔は「あづさヰ」(あづさあい)と呼ばれ、「藍色の小さな集まってる花」という意味で、漢字が入ってから当て字で「紫陽花」(太陽の中で紫いろの花)としたそうだ。
そして雨季に入るとよくお寺で見かける花だ。なぜかというと、流行病が治れない昔にはアジサイを病気で亡くなった人々への弔いとした花なのだ。「紫陽花寺」はほとんど流行病が起こった村や里などで、多くのアジサイが植えられた。医学が発達した後も、紫陽花の美しさが魅力的で、普通に多くのお寺に植えられるようになった。
土の成分によって花の色が変わるもの。酸の場合は青~紫、塩基の場合は赤に変わる。紫陽花には毒があるかないかはその気が吸収された成分によるなので、一般的は食用のものとしないし、お寺のイメージもあるので庭に植えない人も多くいる。
紫陽花の花言葉は「移り気」、「冷酷」、「団らん」、「和気あいあい」、「家族」、「変節」、「浮気」。
紫陽花のおすすめの名所
お寺が多いが、有名なのは鎌倉の明月院や長谷寺などだ。箱根にも箱根登山鉄道で見える紫陽花が美しいと評判された。
北海道の代表的な夏の花:ラベンダー
ラベンダー畑は北海道の夏の名物とされた。寒いところの夏の花のイメージが強いが、実は関東や九州などでも見える花なんだ。花もきれいだが、ラベンダーは「ハーブの女王」と呼ばれる。利用方法はハーブティー、エッセンシャルオイルのほか、入浴剤、観賞用、切り花、ドライフラワーまである。ラベンダーの香りもリラックスさせるので、アロマテラピーやソフトクリームの香料として利用される。
ラベンダーの花言葉は「沈黙」、「あなたを待っています」、「私に答えてください」、「期待」、「疑惑」。
ラベンダーのおすすめの名所
北海道の富良野は有名で、多くのラベンダー畑・ファームがある。関東地方なら群馬、埼玉、千葉。富士山とラベンダーのコンビネーションなら山梨の河口湖はおすすめ!
夏の水辺:蓮の花
実際、蓮の花と睡蓮は区別されている。水面に咲く花は「睡蓮」(water lily)、水面からもっと上に伸ばして咲く花は「蓮」(lotus)。睡蓮は5月~10月の間ずっと咲く花だが、蓮の花は7月~9月の間だけで、見頃は7月中旬~8月中旬のみだ。この時期しか見えない花という理由で見に出かける人が多く、大きな池や日本庭園などは人気。
蓮の花の特徴は「朝しか見えない花」だ。お昼ごろは閉じてしまって、まだ次の日の朝に咲く。4日間ぐらいこう繰り返す。お昼過ぎてもまだ咲いている蓮の花を見かけたら、その花はその日で最後に咲くということらしい。
仏教に深く関わる花としたが、インドとベトナムは国の花で、ベトナムなら蓮茶が飲まれる。蓮のいろいろな部分が食べられる。日本なら「レンコン」をスーパーで買える。
蓮の花言葉は「清らかな心」、「神聖」。
蓮の花のおすすめの名所
東京なら一番頭に浮かんだのは上野公園の不忍池、または小石川後楽園、横浜の三渓園などの日本庭園だ。東京から遠いが、奈良の唐招提寺や千葉の早良、岡山の後楽園、福井のモネの池などもおすすめ。
暑い夏の代表:向日葵
夏といえば向日葵のイメージが浮かぶ。日本の真夏、7月~8月に咲いている花なので、晴れた日、日差し好きのイメージが強い。夏なら向日葵の撮影・観賞に行く人は少なくない。特徴も太陽に向かうことで、1本の木に一つの大きな「花」と見えるが、実は多数の小さな花が集まって花の形を作っている。外側の小さな花は花弁があり、内側の小さな花は花弁がないため、一つの大きな花に見える。
利用方法は見るだけではない。「ヒマワリ油」または「サンフラワーオイル」があり、食用はもちろん、マッサージオイルやスキンケアオイル、アロマテラピーのキャリアオイルなど幅広い用途で使われている。種は食べらるが、カロリーが高いのでご注意!
向日葵の花言葉は色と大きさによって異なるが、一般は「憧れ」、「あなただけを見つめる」。
向日葵のおすすめ名所
東京の近くにある名所は少ないが、東京23区以外の地方なら昭和記念公園、別の都道府県なら神奈川の横須賀や座間、北海道のサンピラーパークなどもおすすめ。
他の夏の花
メインではない花は人気があまりないが、きれいに撮れるとSNS映えになれる!
睡蓮
百合
コスモス
ポピー
花菖蒲
いかがでしょうか。まだいっぱいあるけど今回はここまでです。他の季節の花も楽しみにしてください!
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