「お米」の代表的な品種一覧。タイ米との違いは?

お米は日本人の主食です。世界には2万種類以上のお米があると言われています。日本で生産される「ジャポニカ米」は、丸みのある楕円形で粘りと光沢があるのが特徴です。今回は、日本で最も人気のある日本米の種類をご紹介します。味覚を刺激して、日本米の繊細な風味を体験しましょう。

日本米の文化と歴史

お米づくりはアジアで始まり、日本へは今から約2000~3000年前、九州に伝わったと言われています。日本の高温多湿な気候にお米づくりは適し、安定して収穫でき、長く保存できることから、その後一気に近畿から東海、関東、東北へ広まりました。雨が多い季節と雨が少ない季節がはっきりしている日本の気候が、お米づくりに適していたといえます。

日本のお米と外国(特にタイ米)のお米、どこが違う?

お米には大きく分けて「ジャポニカ米」「インディカ米」「ジャバニカ米」の3種類があります。さらに細かい品種ごとに分類すると、約10万種ものお米があります。

ジャポニカ米

短く円形に近い形状と、炊くと粘りとツヤが出てくるという特徴があります。炊いたお米の食味がよく、冷めても味が劣化しにくいことからおにぎり・寿司・弁当などの食文化とマッチしたことや、粘り気によって噛めば噛むほど甘みが増してくることが挙げられます。

インディカ米

細長い形状と、炊くとパサパサするという特徴があります。カレーに合います。世界で最も生産量が多く、タイ・ベトナム・インド・マレーシア・アメリカ南部など広い地域で栽培されています。

ジャバニカ米

幅が広く大粒な形状とあっさりして粘りのある味が特徴です。ジャワ島やアジアの熱帯地域、中南米などのごく一部で栽培されています。

日本米の種類

「口中調味」という日本独特の言葉があります。おかずとご飯を一緒に食べて、口の中で混ぜ合わせるという意味です。これを前提として、和食は発展してきました。日本食に使われる各種調味料である味噌・醤油・酢・みりんなどはいずれも米が原料であり、日本酒などにも使われています。お米との食べ合わせが、おかずの味付けを決めています。その前提で、日本米の特徴を際立たせるように、日本米発展しています。では、日本の米の種類やスーパーマーケットで見かける米関連の言葉を見ていきましょう。

白米(うるち米)稲の実から、もみ殻、米ぬか、胚芽を取り除き、胚乳部分のみを残したもの。糖質、たんぱく質、カルシウム、鉄分、ビタミン、食物繊維などさまざまな栄養素を含みます。
もち米
うるち米が半透明なのに比べて、もち米は白く不透明です。炊くともちもちと粘り気が出てくるので、お餅やお赤飯、おこわなどに使われます。
玄米
稲の実からもみ殻のみを外したものです。米ぬかや胚芽は残っています。そのため白米よりも栄養が多く、食物繊維やカルシウムやマグネシウムのミネラル、たんぱく質、ビタミン類も白米より含まれています。
発芽玄米
玄米の中でも、わずかに玄米を発芽させたものです。独特の食感が少なく、食べやすいといわれています。
麦ごはん
白米に麦を混ぜて炊いたごはんです。麦は、たんぱく質、ミネラル、ビタミン類、食物繊維などを含みます。
雑穀米
玄米、あわ、キビ、もち麦などを白米に混ぜ込んだものです。

「普通精米」「無洗米」の違いは?

無洗米とは、玄米を精米するときに特殊な加工をすることで、できあがります。通常、洗う普通精米のお米は、お米の表面に若干のヌカが残っています。無洗米はこのヌカをほぼ除去したお米のことです。

新米とは?

秋に収穫してその年の12月31日までに精米され、包装されたお米が新米です。(食品表示法より)

そのため、年内に精米・包装されたお米が店頭に出回るのは、年明けになる計算です。お米の収穫は基本的に年1回なので、翌年の1月1日以降に精米・包装されたお米も新米と同じといえます。

銘柄米の品種

日本で作られているジャポニカ種は生産量も多く、種類が豊富です。有名なものはコシヒカリ、あきたこまち、ササニシキ、ひとめぼれ、ミルキークイーン、つや姫、ヒノヒカリなどなど。では日本の北にある生産地のお米から見ていきましょう。

北海道ゆめぴりか:北海道の最上級ブランド米

北海道米はいずれも定評がありますが、このお米は北海道米の中で特に粘りの強い品種です。また食べると豊かな甘み、濃い味わいが感じられます。炊きあがったお米そのものを食べることが、お勧めです。北海道最上級ブランド米として、日本全国のスーパーマーケットで買えます。

あきたこまち:お米の旨みや甘味が強い点

コシヒカリを親に持ち、お米の旨みや甘味が強い点が、特徴として引き継がれています。味自体は濃すぎないので、どんなおかずとも合います。炊きたてはもちろんのこと、お弁当やおにぎりなどに良く合う、冷めても美味しいです。値段は比較的安めです。

山形つや姫:優秀かつ有名な品種

「亀の尾」というお米が親となり、山形県で10年かけて開発されたお米です。「亀の尾」は、「コシヒカリ」や「はえぬき」の交配親でもあり、優秀かつ有名な品種の一つといえます。日本人の間では、甘味、旨味、艶という点で高い評価を得ています。炊きあがりはつややかで、名前負けしていないですね。

 ミルキークイーン

1985年、農水省の「スーパーライス計画」で生まれたお米です。味が良く粘りの強い米の開発を目的として始まりました。現在では米どころの東北はもちろん、比較的温暖な関東、九州でも生産されています。全国で1番のミルキークイーンの生産量は茨城県や新潟県です。

コシヒカリをもとに改良されましたが、炊くとコシヒカリより粘りが強いです。チャーハンやカレーには向かない一方で、和食、お弁当、おにぎり等に相性の良いお米です。

Related article: おいしいお米の炊き方

Index

Recommend