“日本を代表する“粉もんグルメ”といえばお好み焼きです。お好み焼きとは、小麦粉と水を混ぜた生地をベースに、キャベツなどの野菜や豚肉、魚介類などを具材にした鉄板焼きの一種。2大勢力の関西風お好み焼きと広島風お好み焼きは、地元民のソウルフードとしても根付いていて、大阪や広島の主要駅周辺にはお好み焼きの名店が軒を連ねます。
そして、東京の“粉もんグルメ”といったら、もんじゃ焼き!小麦粉を水でゆるく溶いたスープ状の液に、具材を混ぜて鉄板で焼き、各自が小さなヘラを使って食べる料理です。今回は、日本の粉もんグルメ、お好み焼きともんじゃ焼きの作り方をご紹介します!
お好み焼きの起源はお菓子⁉︎
所説ありますが、日本で粉もんグルメが誕生したのは、安土桃山時代と言われています。中国の※煎餅(せんびん)を遣唐使が日本に持ち帰り、のちに、茶道で有名な千利休が、小麦粉で作った「ふの焼き」というお茶菓子を作って広めたのが始まりととされています。このふの焼きが、日本的お好み焼きの原型といわれています。
その後、江戸時代から明治時代にかけて、この「麩の焼き」が庶民の間に広まり「もんじゃ焼き」「どんどん焼き」などが誕生。洋食ブームの影響もあり、ソースを塗ったものが「一銭洋食」という子供のおやつとして全国に広まっていきました。
お好み焼きが料理として普及したのは、第二次世界大戦後の食糧難の時期です。小麦粉と水を混ぜた生地を、安価でボリュームのあるキャベツなどでかさ増しして焼き、ソースをかけ食事として食べるようになりました。こうして、戦前は子供のおやつとしてしか見られていなかったお好み焼きが、主食として普及していき、昭和30年(1955年)頃には、店や地域ごとに様々な具材を使うようになっていきました。ちなみに、「お好み焼き」という料理名は、「客の好みの具を焼く」ことから呼ばれるようになったと言われています。
※小麦粉を水で溶いて焼いたクレープのようなもの
Osaka vs Hiroshima 重ねて焼く広島風お好み焼きと混ぜて焼く関西風お好み焼き
お好み焼きには、関西風お好み焼きと広島風お好み焼きの2種類があります。広島風は、鉄板やフライパンの上に生地をクレープのように薄く広げ、その上に具を一つずつ乗せていく「かさね焼き」。キャベツやエビ、豚肉などの具材は、生地と一緒に混ぜません。一方、関西風の "まぜ焼き "は、具材を生地と一緒に混ぜてから焼く「まぜ焼き」で、広島風とは、見た目も食感もまったく違います。
関西風お好み焼きの作り方とは?関西風お好み焼きと広島風お好み焼き、焼き方のポイントは?
ここからは一般家庭でも作りやすい関西風お好み焼きの作り方と、関西風お好み焼きと広島風お好み焼きポイントを紹介します。
関西風お好み焼きのレシピ
日本人のソウルフード、お好み焼き。混ぜて焼くだけなので、とても簡単です。具材はお好みでどうぞ。
お好み焼きの材料
- 小麦粉...100g
- 天ぷら粉...15g
- 卵...1個
- 顆粒だし...小さじ3
- ぬるま湯...120ml
- キャベツ...150g
- 紅しょうが...適量
- サラダ油...適量
- ※お好みで具材にシーフードミックスやチーズ、明太子、餅を入れたり、仕上げに青のりやかつお節をのせるとさらにおいしくなります。
お好み焼きの作り方
- ボウルに小麦粉、卵、顆粒だし、ぬるま湯を入れ、軽く混ぜ合わせる。
- キャベツ、天ぷら粉、紅しょうが、その他の具材を入れる。よく混ぜ合わせる。
- フライパンに油を中火で熱し、2を入れて生地を広げ3分ほど焼く。
- お好み焼きを裏返し、水大さじ1を加えて蓋をし、約5分蒸し焼きにする。
- 蓋を取り、もう一度お好み焼きを裏返し、2分ほど焼く。
- 皿に盛りつけ、ソース、マヨネーズ、青のり、かつお節などをのせれば出来上がり。
関西風お好み焼きをおいしく焼くポイント
お好み焼きをおいしく作るなら、生地に使う小麦粉はダマにならないように事前にふるいにかけておきましょう。また、本場の大阪などでは、すりおろした長芋を入れて生地がふんわり仕上げる家庭も多いそう。
また、鉄板で生地をひっくり返すときは、手前にひっくり返すのが、生地が型崩れしないコツ!焼くときに生地を押さないようにしてやわらかく仕上げるのがポイントです。生地を焼くときには生地を押さないようにしてやわらかく仕上げることも大切ですよ!
広島風お好み焼きをおいしく焼くポイント
重ね焼きの広島風お好み焼きをおいしく作るなら、とにかくクレープみたいに生地を薄く焼くのがポイント。生地を均一に薄くのばすには、鉄板に生地をのせた後、おたまを真ん中で5回程まわしながら、外側に丸くのばしていこう。薄く伸ばした記事の上に、キャベツ、もやし、天かす、青ねぎ、肉などをのせてひっくり返し、別で作っておいた焼きそばと薄焼き卵の上にのせて、ソースやマヨネーズなどをかけて完成です。
「文字焼き」が由来⁉東京・月島名物の"もんじゃ焼き "ってどんな料理⁉
もんじゃ焼きは、具材などを焼き、そこに小麦粉と水を混ぜた液を鉄板の上に流して焼いたものです。材料はお好み焼きに似ていますが、水分が多いため、鉄板で焼くと糊状になり、それを各自が専用の小さなへらで鉄板からすくって食べます。
「もんじゃ焼き」という名前の由来は、物資が不足していた時代、紙などを手に入れることができない子どもたちに、小麦粉を水に溶いた生地で鉄板に文字を書いて教えたり遊んだりしていたことが由来だそう。もんじゃ焼きは最初、「文字焼き」と呼ばれており、この「もじ」が「もんじ」に転じて、やがて「もんじゃ」と呼ばれるよう変化していったそうです。現在も、東京の月島にはもんじゃ焼き屋がたくさんあります。
おいしいもんじゃ焼きの作り方
小麦粉と水を1:17の割合で混ぜ、そこにウスターソースを入れてさらに混ぜ生地液を作ります。鉄板の上にキャベツ、天かすなどの具材をドーナツ型のように並べ、このドーナツ型の真ん中に生地液を流し込む。生地が煮えたら、具材と混ぜ合わせ伸ばして、焼けた箇所を小さなヘラで食べます。味付けはお好みで、ソースや七味、しょうゆ、こしょうなどで食べるのもおすすめです。
もんじゃ焼きを食べる醍醐味が「お焦げ」を作りながら食べること!お焦げとは、釜や鉄板で料理した際、少し焦げ付いて茶色や黒色に変色した部分のことで、具材やソースの焼けた香ばしい香りが食欲をそそります。もんじゃ焼き屋さんだとお焦げを作るために、生地液を鉄板にこすりつけながら食べる人もいるほどです。
ただ、焦がしすぎると炭化してしまうので、火加減には十分注意しながら楽しみましょう!
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