「七五三」はいつ行う?男の子と女の子をお祝いする由来と時期を紹介

  • Oct 15, 2024
  • Shiori

日本の神社では、11月になると着物やスーツを着た子どもたちの姿を見かけることが多くなります。その理由は、子どもの成長を祝う「七五三(しちごさん)」という伝統行事が11月にあるからです。

この記事では、七五三の概要や由来、男の子と女の子の祝う年齢、七五三を祝うための特別な「千歳飴」を食べる理由について紹介します。 

七五三とは?男の子と女の子がお祝いする歳は?

七五三(しちごさん)は、子どもの成長と健康を祝う日本の伝統行事で、七=7歳、五=5歳、三=3歳の子どもがお祝いの対象になっています。一般的に、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の時にお祝いをしますが、地域によって異なることもあります。

この年齢を迎えた子どもたちは着物やスーツで着飾って親や祖父母と一緒に神社を参拝し、子どもの成長を神様に感謝するとともに、今後の健康を祈ります。なかには、5,000円~1万円程度のお金を払って神主に祈祷をしてもらう家庭もあります。

また、写真スタジオで記念撮影をしたり、家族で特別な食事を取ったりするのも一般的です。 

七五三はいつ行われる?祝日に指定されている?

七五三は毎年11月15日に祝われますが、学校や仕事が休みになる「祝日」には指定されていません。

また、11月15日が七五三の正式な日とされていますが、必ずこの日にお祝いしなくてはならないわけではありません。多くの家庭は11月の週末を利用して神社に出向きます。11月に日本の神社を訪れると、着物やスーツを着た子どもたちの姿を多く見かけるでしょう。

また、日本にはもうひとつ、子どもの成長を祝う日として5月5日の「こどもの日」があり、こちらは祝日に指定されています。 

七五三は、なぜ7歳、5歳、3歳を祝うの? 

医療技術が発達していなかった昔は子どもの死亡率が高く、「7歳までは神の子」(7歳まではいつ死んでもおかしくない)という言葉までありました。子どもが無事に7歳まで成長することは、それくらい大変なことだったのです。

では、なぜ7歳、5歳、3歳という特定の年齢の子どもだけを祝うのでしょうか?これには、平安時代以降に貴族や武士の家で行われていた子どもの成長を祝う儀式が関係しています。 

3歳:「髪置きの儀(かみおきのぎ)」 

3歳の子どもをお祝いする理由は、平安時代(794年 ~1185年)に始まった「髪置きの儀」に由来すると言われています。当時、男の子も女の子も3歳までは髪を剃って過ごし、3歳になると初めて髪を伸ばすことができました。そのため、「髪を伸ばし始める」ことは「成長の象徴」とされていました。

髪を伸ばし始める際の儀式「髪置きの儀(かみおきのぎ)」では、「白髪になるまで長生きするように」という願いを込めて、白髪に見立てた白い綿を子どもの頭の上に乗せました。

なお、平安時代の子どもが髪を剃っていた理由は、頭を清潔に保って病気を防ぐためという説もあれば、3歳まで髪を短くしておくとその後に健康な髪が生えてくると考えられていたという説もあります。 

5歳:「袴着の儀(はかまぎのぎ)」

平安時代、貴族の間では5歳を迎えた男の子が初めて正装である「袴(はかま)」を身につける儀式「袴着の儀」が行われていました。

大人と同じ服装をすること=大人への一歩を踏み出す日として、5歳は成長の大きな節目の歳とみられていました。なお、この儀式は現代の皇室でも行われています。

「袴着の儀」の後には、碁盤の上からジャンプして飛び降りる「深曽木の儀(ふかそぎのぎ)」が行われたことから、今でも七五三のシーズンになると境内に大きな碁盤を設置する神社がたくさんあります。 

7歳:「帯解きの儀(おびときのぎ)」

「帯解きの儀」は、7歳になった女の子が初めて着物の帯を締める儀式で、鎌倉時代(1185年 ~ 1333年)に始まったとされます。

子どもにとって着物の帯を締めることは難しいため、幼少期は帯の代わりに着物に縫いつけた紐を使っていました。そのため、大人と同じ帯を使い始めることは、女の子の成長を象徴するイベントだったのです。 

七五三の時に食べる「千歳飴」とは? 

七五三の特別な食べ物といえば、「千歳飴(ちとせあめ)」と呼ばれる飴です。「千歳」は、「1000年」や「長い期間」を意味し、千歳飴という名前には「子どもが健康に長生きできるように」という願いが込められています。

千歳飴は細長い棒のような形をしており、この形状にも「長寿」の意味が込められています。また、千歳飴は日本で縁起が良いと言われる「赤」と「白」の二色で1セットとなっています。

さらに、千歳飴が入った袋には、鶴や亀など、長寿や繁栄を象徴する日本の伝統的な絵柄が描かれているのが一般的です。 

伝統的なお祝い料理を食べる家庭も多い 

千歳飴以外に、七五三で必ず食べる特定の料理はありません。しかし、お祝いの日なので、鯛やお赤飯、昆布巻きなど、おめでたい日に食べる伝統的な料理を食べる家庭もあります。

また、家族で特別な食事に出かけることも一般的です。高級レストランに行くこともあれば、子どもが喜ぶ回転寿司やファミリーレストランを選ぶ家庭もあります。 

七五三の素敵な思い出を作りましょう!

七五三は子どもの成長をお祝いするだけでなく、家族の絆を深めるうえでも大切な行事です。神社で七五三の子どもを見かけたら、「おめでとう」と声をかけてみてはいかがでしょうか? 

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