日本のほぼ中央、中部地方に位置し日本海に面する福井県。日本有数のかにの水揚げ港を有し、蟹料理の有名店が多い県としても知られています。「越前ガニ(福井産オスのズワイガニ)」をはじめ、「せいこがに(福井産メスのズワイガニ)」、「ずぼがに(脱皮して半年以内の福井産オスのズワイガニ)」は、福井旅行の際にぜひ食べてほしいご馳走です。
今回の記事では「越前がに」を中心に、かにの基本情報から旬のかに料理が食べられるおすすめ観光スポットまで徹底紹介していきます!
福井県が誇る最高食材「越前ガニ」とは?
「越前がに」とは、福井県の越前町・越前漁港、坂井市・三国港、敦賀市・敦賀港、小浜市・小浜港の4港で水揚げされたオスのズワイガニのことを指します。全国のズワイガニの中でもトップブランドとして知られており、唯一皇室に献上される最高級品種です。木の枝のように細長い脚をもつ見た目が特徴で、日本海の荒波と厳しい寒さに育てられた体は、ほどよく甘く身が詰まっていて肉厚。甲羅の中には濃厚なかに味噌がたっぷりと入っています。
中でも越前町は、福井県内にある4つの港のうち最も越前がにの水揚げ量が多く、漁場まで距離が近いため新鮮な越前がにが豊富に流通しています。旅館、民宿、鮮魚店、レストランなど、越前がにを扱うお店70軒以上が店を構えています。茹でがに、焼きがに、かに刺し、かにしゃぶなど、県内の飲食店で様々な調理法の料理が楽しめます。
福井県の美味しい「越前がに」の見分け方とは?
美味しい「越前がに」を見分けるポイントは大きく2つです。ひとつめは、甲羅に黒いつぶつぶがついていること。このつぶつぶの正体はカニビルの卵で、多くついているほど前回脱皮してから長い時間が経ち、身がつまっていることを意味します。もうひとつは、大きな爪をもつこと。脱皮するたびに大きくなる爪は、年月をかけて成長した証です。
そんな中、2015年から登場した新ブランド「極(きわみ)」という、味覚の最高峰とも言われる極大サイズの越前がにもあります。甲羅幅14.5cm以上、重さ1.5kg以上(水揚げ時)、爪の幅3cm以上のオスのズワイガニのみが認定されます。年に0.05%の水揚げ量しかこの規格を満たさないと言われるほど貴重なかにだけに、2022年には1匹310万円で競り落とされたことも!
また、福井県内で水揚げされた全ての越前がにには、ブランド名と水揚げ漁港が刻印された黄色いタグが取り付けられています。かにのハサミの根元につけられた、「福井県産」であることを証明しています。さらに、越前がには2018年から「地理的表示(GI)保護制度(*1)」に登録され、産地証明の黄色タグに「GIマーク」が付くようになりました。国家にも評価されている高品質のかにと言えます。
*1:農林水産省が進めている、日本各地域の環境や伝統などの特徴をもつ地域産品を知的財産として保護する制度です。2022年10月現在、福井県は越前がにを含め、計5産品が登録されています。
福井県の「越前がに」の解禁日はいつ?旬はいつ?
福井県には一年中美味しい越前がにが食べられるレストランもありますが、旬のカニを狙うなら冬季に行くのがおすすめです。越前がには例年、11月6日に漁が解禁され、翌年3月20日に漁期終了となります。漁期終了間際の1月~2月頃は、カニの身が詰まって脂肪をたくわえているため、最もおいしい時期とのこと。しかし、解禁直後や年末年始は高値が付く傾向にあり、比較的お手頃価格の越前がにを食べたいなら11月中下旬、もしくは翌年2月頃から漁期終了あたりの時期が狙い目です。
福井県で越前がにが食べられる観光スポット3選
越前がには福井県内のホテル、旅館、食事処など、様々な所で食べることができます。ここからは福井県で越前がにが楽しめる定番の観光スポット3選を紹介していきます。
福井県・越前町「越前がにミュージアム」:越前がにを学ぶ体験施設。冬場は蟹の食べ放題も!
「越前がにミュージアム」は、越前がにや日本海の神秘を遊びながら学べる体験ゾーン施設。家族連れにおすすめしたい福井の観光スポットです。深海300mのパノラマ劇場をはじめ、漁船の操作を再現したシミュレーターや壁一面のバーチャル水槽など、非日常の体験を目の前に大人も子供も大興奮すること間違いなし。越前がにの生態研究室では、めったに見ることのできない越前がにの研究風景も見学できます!同ミュージアムの2階にある「お食事処うおいち」の越前がにが付く冬季限定海鮮バイキングも人気です
一方、ミュージアムの道路を挟んで向かいにあり徒歩1分ほどで行ける海鮮マーケット「道の駅えちぜん うおいち」では越前港に水揚げされる新鮮な魚介に加え、地元ならではのお土産を購入可能。越前がにのシーズン中には、越前がにとその最上級ブランド「極」も販売しています。例年11月は福井県最大のかにの祭典「越前かにまつり(*2)」を開催し、越前がにの即売や海鮮グルメのテイクアウト販売を行います。
*2:2020年~2022年は朝市スタイルの「越前がに朝市」に変更。
越前がにミュージアム
- 住所:福井県丹生郡越前町厨71-324-1
- 営業時間:09:00 - 17:00
- 定休日:第2、第4火曜日(11月から3月まで、夏休み期間中は無休)
- 料金:大人500円、小人300円
- アクセス:福井鉄道「神明駅」で下車後、福鉄バス(鯖浦線)に乗車して約80分、「道の駅『越前』」バス停で下車後すぐ
- 公式HP:https://www.echizenkk.jp/kanimuseum
福井県・敦賀市「日本海さかな街」:かにの海鮮丼や回転寿司が人気な海鮮市場
「日本海さかな街」は、越前がにを取り扱う専門店、海鮮丼、回転寿司やかに料理が食べられる飲食店など、45店舗が集結(2022年7月現在)した敦賀市の海鮮市場です。日本海側最大級の海鮮市場なだけあって、かにはもちろんのこと、エビや貝、魚といった敦賀港直送の新鮮な魚介が並び、珍味や練り製品などの水産加工品なども購入できます。
市場内では観光客だけでなく、地元民が買い込む姿もよく見かけます。威勢の良いかけ声が響くので、活気に満ちあふれる日本ならではの市場体験ができます。店員さんはおいしいかにの見分け方やおいしい食べ方を教えてくれるので、かにについて知りたいがあればぜひお店の人に尋ねてみましょう。
日本海さかな街
- 住所:福井県敦賀市若葉町1丁目1531
- 営業時間:平日10:00 - 17:00、土日祝10:00 - 17:30
- 定休日:1月1日、ほか不定休
- アクセス:JR敦賀駅から「ぐるっと敦賀周遊バス」に乗車して約10分、「日本海さかな街」バス停で下車すぐ
- 公式HP:https://www.sakanamachi.info/
福井県・坂井市「東尋坊」:越前がにを使ったランチを食べながら絶景を眺めよう
「東尋坊」は、越前加賀海岸国定公園にある日本の天然記念物および名勝です。日本海の荒波に削られた豪快な岩肌の柱状節理は1キロほど続いており、世界三大奇勝とも称される貴重な場所です。そんな福井県を代表する観光名所にも、実は絶品の越前がに料理を提供するお店がたくさんあるのです!
東尋坊の崖からまっすぐに続く、東尋坊商店街は、海鮮類などが販売されている食事処が軒を連ねています。お店によっては、店内の水槽の中から活きた越前がにを選べたり、焼きがに、ゆでがに、かに刺しなど、様々な調理方法でカニを堪能できますよ。
東尋坊
- 住所:福井県坂井市三国町東尋坊
- アクセス:えちぜん鉄道「三国駅」から京福バスに乗車して約10分、「東尋坊」バス停より徒歩すぐ
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