【東京近郊】茨城県・結城市の日帰り旅行におすすめの観光スポット&モデルコース

関東地方の北東部に位置する茨城県は、特急列車などで東京から2時間かからずに訪れることができる距離で、東京から日帰りでも十分に観光が楽しめることから、日帰り旅行先としてよく名前が挙げられる県の1つだ。

茨城県と言うと、水戸市大洗町つくば市など、メディアでもよく紹介される地名を真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれないが、実はまだまだ知られていない名所も多く、日本ツウしか知らない穴場スポットも多い。

というわけで、今回はあえてメジャーなエリアの紹介は避け、まだまだ訪日旅行者に知られていない注目の穴場エリア「結城市」を徹底ガイド!FUN! JAPAN編集部いちおしのモデルコースを回りながら、知る人ぞ知る茨城県の魅力を発見しよう!

茨城県・結城市ってどんなところ?

水戸市(偕楽園)、大洗町(大洗磯前神社)、ひたちなか市(国営ひたち海浜公園)やつくば市JAXA筑波宇宙センター)など、茨城県にはたくさんの市町村がある。そんな中、なぜ結城市が絶対一度は行く価値があるかまず説明しよう。

茨城県・結城市

観光客にとって、訪日旅行最大の楽しみの1つは日本文化に触れることだろう。茨城県の西北端に位置する結城市は、蔵や町屋が今も多く残り、歴史ある街並みが楽しめるエリア。首都圏にいながらもローカルな雰囲気を味わえる街で、「見世蔵(みせぐら)」に「着物」、「日本酒」など、日本の伝統文化やグルメもしっかり楽しめるのが魅力だ。

見世蔵とは、外壁が土壁や漆喰で仕上げた蔵造りの建物を店舗として利用した、日本の伝統的商家建築様式。結城市を代表する歴史的建造物で、その多くは国の登録有形文化財に指定されている。今でも紬問屋や老舗商店として現存しており、その数も全国有数の規模となっている。

茨城県・結城市

また、結城市では鎌倉時代(1180 - 1336)以降、結城を治めた初代当主・結城朝光が作り上げた城下町の街割が今もそのまま残っており、神社、寺院、古民家も多く残っていて関東有数の城下町の当時の面影を感じ取ることができる。

築87年の呉服店をリノベーションしたシェアスペース『Coworking & Café yuinowa』をはじめ、現在は味噌、酒の醸造蔵やカフェ、サウナなどに利用されている見世蔵が市内には31棟が残っている。街を歩くだけで気分はまるでタイムスリップしたかのよう!歴史好きでなくとも、現代でもこんな風にノスタルジックな街並みを歩くときっとテンションが上がるはず!

茨城県・結城市
茨城県・結城市

歴史が好き!伝統文化に興味がある!古き良き日本を体感したい!当てはまるものが1つでもあれば、茨城県・結城市にぜひ訪れてみて!見どころは最寄り駅のJR結城駅周辺に集積しているため、徒歩でも十分に回れる。また、東京からは電車でも車でも2時間以内でアクセスできるので、都心からの日帰り旅にもおすすめだ。

【10:00a.m.】日本屈指の高級着物、「結城紬」の世界へようこそ

結城市の基本を学んだところで、早速町歩きの旅スタート!ここから登場するスポットはどれもJR結城駅から徒歩15分圏内にあるので、効率よく回れるよ。

結城紬

結城市の観光は、まず着物の「結城紬(ゆうきつむぎ)」について学ばないと始まらない。なぜなら、結城紬は日本中の着物ファンを魅了し、全国に結城の名を轟かせた最高級の絹織物だからだ。

結城紬は、約2,000年の歴史を持つと言われる、結城市を中心とした地域で生産されている着物のこと。すべての工程は手作業で行われ、中でも「糸つむぎ・絣くくり・地機織り」の3工程は1956年に国の重要無形文化財に指定され、2010年にユネスコ無形文化遺産に登録された。

結城紬(ゆうきつむぎ)

結城紬の最大の特徴は、厳選された繭を原料とする真綿(まわた)から紡ぎだした手つむぎ糸で織られていること。柔らかい真綿が空気をたくさん含むため、保温性と着心地を兼ね備えた生地に仕上がる。また、シワになりにくく耐久性にも優れており、100年着られるほど丈夫な一生物として、世代を超えて受け継ぐ家庭も多いという。

結城紬(ゆうきつむぎ)

その技法を後世に伝えるべく、結城紬総合ミュージアム「つむぎの館」は誕生した。その敷地内には、常時200点以上の結城紬を展示する「古民家 陳列館」のほか、染め織り体験ができる施設、日本で唯一結城紬の歴史を伝える資料館や、大正・明治時代建造物で、国の登録有形文化財に指定されている建物などが立ち並ぶ。

結城紬(ゆうきつむぎ)
結城紬(ゆうきつむぎ)

築150年の古民家を移築再生した「古民家 陳列館」に一歩を踏み入れると、館内は結城紬で埋め尽くされた空間!日本の伝統的な柄と着物の豊富なデザインに、感嘆の声をあげることだろう。

結城紬(ゆうきつむぎ)
結城紬(ゆうきつむぎ)

「織場館」ではエコバッグ・ショールの染め体験やコースターの織り体験を通して、職人の手仕事を身近に感じることができる。体験は全て予約制で、体験は10:00~もしくは13:30~の2部制で受け付けている。

結城紬の生地は、着物に限らず日常的に使えるポーチ、ネクタイ、ペンケース、財布や名刺入れなどにも使われている。ふんわりとした風合いを一度触ってみたら、あなたも虜になるはず。

つむぎの館

  • 住所:茨城県結城市大字結城12-2
  • 営業時間:平日10:00-16:00、土日祝10:00-17:00
  • 定休日:火曜日、水曜日
  • アクセス:JR結城駅から徒歩約10分
  • 公式サイト:https://www.yukitumugi.co.jp/

【12:00p.m.】古民家で絶品コース料理をいただき昭和にタイムスリップ

結城紬についてしっかり学んだ後は、この旅のもうひとつの目的であるグルメ巡りを始めよう。

御料理屋kokyu.
御料理屋kokyu.

ここでおすすめしたいのが、県外からも多くの方が利用する、今結城で流行っているレストランの1つ――「御料理屋kokyu.」だ。ツタに覆われる入り口をくぐりぬけると、昭和初期に建てられた古民家をおしゃれにイノベーションしたお店が見えてくる。靴を脱いで上がった先には、まるでタイムスリップしたかのようなノスタルジックな渡り廊下と大広間。窓からの日差しを浴びながら、木の温もりにほっこりできる空間となっている。

御料理屋kokyu.

今日のランチは、都会の喧騒を離れて自然と木のぬくもりあふれるこの空間でいただくコース料理(完全予約制)!ちなみに、お昼のコースは1時間ごとに入れ替わる2部制だ。

御料理屋kokyu.
御料理屋kokyu.

御料理屋kokyu.では、昼夜ともコース料理を提供しており、ランチコースは「杏(あんず)」、「山吹(やまぶき)」と「橙(だいだい)」の3種からチョイス可能。使用する素材は、茨城県黒毛和牛の常陸牛(ひたちぎゅう)、銘柄豚肉のローズポーク、県内の市場から仕入れた旬の魚など、地元産のものがメインだ。

御料理屋kokyu.

  • 住所:茨城県結城市大字結城1085
  • 営業時間:昼12:00 - 14:00、夜18:00 - 21:00
  • 定休日:月曜日、第1第3火曜日
  • アクセス:JR結城駅から徒歩約15分
  • 公式サイト:http://kokyu.in/

【1:30p.m.】登録有形文化財で、パンを買う。

胃袋が許す限り、グルメの旅はまだまだ続く。地元の人に聞き込みをしたところ、もう1軒話題店があるという情報をGET。しかも、建物自体が登録有形文化財だという…これは行くしかない!

ぱんや ムムス

案内してもらったのは、「ぱんや ムムス」。約100年前に建てられた見世蔵が、リノベーションを経て今はパン屋として営業中。店内の左半分はイートインスペースで、右半分は焼き立てパンが並ぶ売り場。食パンはもちろん、あんパン、メロンパン、クリームパン、カレーパン、クッキー…豊富な種類を取り揃えている。

ぱんや ムムス
ぱんや ムムス

日本の歴史的建造物「見世蔵でパンを買う」というと少し不思議な感じがするが、どのパンもとってもおいしそう。胃袋にスペースがまだ残っているならば、ぜひ大人買いしたい。

ぱんや ムムス

  • 住所:茨城県結城市結城1319
  • 営業時間:11:00 - 18:00
  • 定休日:日曜日、月曜日、木曜日
  • アクセス:JR結城駅から徒歩約15分
  • 公式サイト:http://panya-mums.com/

【2:00p.m.】徳川家ゆかりの孝顕寺で御朱印をGET

結城はコンパクトな町だから、各スポットの距離が近い。食後のプチ散歩がてら、「ぱんや ムムス」から徒歩約10分にある「孝顕寺(こうけんじ)」へ参拝することに。

孝顕寺
孝顕寺

1515年に結城家第15代藩主に創建され、1599年に徳川秀康(徳川家康の次男)によって現在の場所に移転された寺院。徳川家にゆかりのある寺としても知られ、境内では結城市指定有形文化財の「朱塗三門」をはじめ、本堂、鐘楼堂、坐禅堂など、貴重な歴史的建造物を見学できる。

孝顕寺

第1と第3日曜日の朝には坐禅会を行う。背筋を伸ばし、スマホから離れて自分と向き合う時間を過ごそう。坐禅会のほか、写経会や寺ヨガも不定期に開催。

孝顕寺

お寺巡りには事欠かさない御朱印。「徳川家ゆかりの寺」の1枚をコレクションに加えよう。

孝顕寺

  • 住所:茨城県結城市結城 461
  • 営業時間:境内自由見学可能
  • アクセス:JR結城駅から徒歩約10分
  • 公式サイト:https://t-koukenji.or.jp/

【4:00p.m.】結城最古の見世蔵で日本酒をGET

「すっかり日が暮れてきたし、そろそろ帰路に就こうか」とその時、気づいたことがある――手土産を買い忘れた…!

蔵元「武勇(ぶゆう)」
蔵元「武勇(ぶゆう)」

JR結城駅へと向かう途中で、またもや雰囲気抜群の見世蔵を発見(なんとこちらは江戸時代の末期に建設され、結城に現存する見世蔵の中でも最も古いものと言われているものらしい)。店内に入ると、1807年創業の蔵元「武勇(ぶゆう)」製造の日本酒がずらり。武勇(ぶゆう)が茨城県を代表する酒蔵と聞き、「日本酒を今回の旅のお土産にしよう」と即決!

蔵元「武勇(ぶゆう)」

地元茨城県産のものをはじめ、原料米はすべて国産米を使用。一方、仕込水は敷地内にある井戸から鬼怒川水系の伏流水を汲み上げ、鬼怒川水系の軟水を使うことで、きめの細かい酒造りにもこだわっている。

蔵元「武勇(ぶゆう)」

看板商品の純米酒をはじめ、純米酒、本格焼酎、吟醸、大吟醸、純米大吟醸などラインアップから自分の好みに合った日本酒がきっと見つかるだろう。お酒が苦手な人にはノンアルコールの甘酒もおすすめ。風格漂う立派な蔵で日本酒で旅を締めくくろう。

武勇酒造

  • 住所:茨城県結城市結城144
  • 営業時間:09:00 - 17:00
  • 定休日:土曜日、日曜日(5月~8月は日曜日のみ)
  • アクセス:JR結城駅から徒歩約11分
  • 公式サイト:http://www.buyu.jp/

東京から2時間以内で行ける、茨城・結城へ日帰りの旅!

コンパクトな町だからこそ、日帰りでもたくさんの魅力と出会えるのが最大の魅力。次の日本旅行の際、茨城県・結城市を行程に入れて、大都会を離れて心のデトックスをしませんか?

東京都内から結城市へのアクセス例:

【電車】

  • JR東京駅→JR東北新幹線約45分→JR小山駅→JR水戸線約7分→JR結城駅
  • JR新宿駅→JR湘南新宿ライン約1時間20分→JR小山駅→JR水戸線約7分→JR結城駅

【車】

  • 東京都内→東北自動車道約70分→佐野・藤岡IC→国道50号約40分→結城市街

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