秋だ!紅葉の季節だ!
11月に入り、いよいよ年に一度の紅葉シーズンもピークを迎える。桜の季節、桜満開の春に訪日するなら要チェック!「お花見」のマナーと持ち物まとめ に続いて、今回は紅葉スポットを訪れる前に知っておきたい基礎知識を一挙ご紹介!
初めて日本に紅葉狩を観に行く初心者は予習を、既に何度も秋の日本を訪れているリピーターも、今一度訪日前のおさらいをしておこう!
日本の紅葉の見ごろはいつ?
訪日旅行の計画を立てる前に、まずは日本各地の紅葉の見頃を把握しておこう。例年の紅葉の見ごろ時期は下記の通りー
- 北海道・東北地方:
10月上旬~11月下旬 - 関東甲信・東海地方:
11月下旬~12月上旬 - 近畿・中国・四国・九州地方:
12月上旬~12月中旬
ただし、紅葉の進み具合はその年の気象条件によって異なるため、出発前にも各所が発表する紅葉見ごろ予想をチェックすることをおすすめする。
紅葉見ごろ予想を掲載するサイトと言えば、日本気象協会公式の天気予報専門メディア「tenki.jp」や、株式会社ウェザーニューズが運営する「weathernews.jp」などが代表的。例年10月上旬ごろから、全国各地の紅葉名所の見ごろを地図付きで解説し、シーズン中に最新情報を頻繁に更新。旅先の紅葉情報を集める時にぜひ活用しよう。
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数多くの紅葉名所の中でも、北海道大雪山国立公園にある標高2,291mの旭岳は「日本一早い紅葉が見られるスポット」として知られ、なんと8月下旬から色づき始め、例年9月中旬には全国で最初の紅葉が見られるんだとか。
一方、「日本一遅い紅葉」と言われるのが静岡県・熱海市熱海梅園だ。11月下旬~12月上旬に見頃を迎え、早咲きの梅は11月中旬あたりから開花が始まるので、時期が合えば、紅葉と梅が同時に見られることも。
スポットインフォ
- 名称:熱海梅園
- 住所:静岡県熱海市梅園町8-11
- アクセス:JR熱海駅より「梅園・相の原方面行き」バスで約15分、「梅園」バス停より徒歩約2分
紅葉の開始時期は地域によって様々。晩夏から初冬にかけて、全国各地で鑑賞できるので、訪日する日程に合わせて旅先を決めよう。
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「紅葉前線」とは?よく使われる紅葉関連の用語5選
旅先が決まり、航空券も宿泊先も予約済みで、後はワクワクしながら情報収集するのみ!そうなった時に役立つのが紅葉関連の用語だ。日本のメディアなどでよく使われる用語を学んで、最新の紅葉情報を入手しよう。
紅葉狩り(もみじがり / Mo-mi-ji Ga-ri)
日本に現存する最古の和歌集《万葉集》に登場するほど古くからある言葉で、「紅葉を見に出かけること」という意味を持つ。漢字の「狩り(hunting)」と書くのは、昔貴族が自然を愛でることを「狩り」に例えたから、という説もある。
紅葉前線(もみじぜんせん/ Mo-mi-ji Ze-n-se-n)
もみじやイチョウの紅葉時期と場所を線状に結んだもの。10月初旬ごろから北は北海道を出発し、12月初旬に南は鹿児島に到着する。(亜熱帯気候の沖縄は年間を通して温暖な気候が続くため、一部赤く色づく植物を除き、紅葉を見ることはなかなか難しい)
また、「紅葉前線」と対比し、春の桜シーズンに日本各地の桜の開花予想日を結んだ「桜前線」(さくらぜんせん / Sa-ku-ra Ze-n-se-n)という言葉もある。
日本紅葉の名所100選(にほん こうよう の めいしょ ひゃくせん / Ni-hon Ko-u-yo-u no Me-i-sho Hya-ku-se-n)
日本観光協会が2010年に選定した全国約680の紅葉名所の中から、さらに出版社の「主婦の友社」が厳選した100か所。宮城県・鳴子峡、東京都・高尾山、香川県・寒霞渓などが挙げられる。
桜紅葉(さくらもみじ / Sa-ku-ra Mo-mi-ji)
桜の葉が秋に紅葉すること。桜は、「春」「ピンク色」などのイメージが強いかもしれないが、実は桜の葉も紅葉する。中でも、観光客にもお馴染みのソメイヨシノ(染井吉野)がより桜紅葉の美しい品種と言われている。
青紅葉(あおもみじ / A-o Mo-mi-ji)
「青(Blue)」という漢字が入っているが、実は5月から7月にかけてまだ紅葉していない、緑色のカエデの葉のことを指す。特に京都府には京都駅周辺、祇園、清水寺や嵯峨野・嵐山など、青紅葉の名所が数多くあり、新緑シーズンに比較的に観光客が少ないことから初夏の風物詩として楽しむツウの旅好きが近年増えているという。
スポットインフォ
- 名称:八幡市立 松花堂庭園・美術館
- 住所:京都府八幡市八幡女郎花43-1
- アクセス:京阪電車「石清水八幡宮駅」より車で約10分
あわせて押さえておきたい知識①:「紅葉=赤色の葉」とは限らない!?
FUN! JAPAN読者の中には、日本語を勉強している人も多い。そこで、ここからはさらに深掘りして紅葉について解説するよ。
日本語で「紅葉(Red leaves)」と言えば、秋から冬にかけて、植物の葉が色づく現象を指す言葉で、漢字の「紅」が使われていることから、「赤色の葉」のイメージが強い。しかし、植物が紅葉する色は「赤」だけとは限らない。
一般的に、葉が赤色に色づく「こうよう / Ko-u-yo-u」を漢字では「紅葉」と書くが、葉が黄色に色づく場合は「黄葉(こうよう / Ko-u-yo-u)」と書く。
広い意味で「紅葉」という言葉は、「紅葉」と「黄葉」、そして、葉が褐色の枯葉になるになる「褐葉(かつよう / Ka-tsu-yo-u)」の3つの総称で、植物の葉が変色する現象そのものも指す言葉なのだ。
あわせて押さえておきたい知識②:「紅葉(こうよう / Ko-u-yo-u)」と「紅葉(もみじ / Mo-mi-ji)」の違いとは?
日本語を勉強しているFUN! JAPAN読者なら、同じく漢字で「紅葉」と書いて「もみじ / Mo-mi-ji」と読む言葉は一度は見たことがあるだろう。意味が全く同じなのでは?と思う人がいるかもしれないが、「もみじ」は基本的に植物自体を言う時に用いられる呼び方で、変色する現象の意味は含まれていない。
ちなみに、「もみじ」は鹿肉を意味する隠語(仲間同士でしか通じない言葉や言い回し)でもある。
あわせて押さえておきたい知識③:「紅葉(もみじ / Mo-mi-ji)」と「楓(かえで / Ka-e-de)」の違いとは?
見た目が似ていることから、「楓(かえで / Ka-e-de」はよく「紅葉(もみじ / Mo-mi-ji)」と混同されがちだが、植物学的に言うと紅葉は楓の一種で、両者ともカエデ科カエデ属の植物。日本では、一般的に葉の切れ込みが深いものが「○○もみじ」で、切れ込みが浅いものが「○○かえで」とされているが、明確な違いがない上、こうして細かく区別しているのは日本人だけとも言われている。
葉の切れ込みが深いもの(左)はもみじとされ、一方カナダの国旗でもおなじみ、切れ込みが浅いもの(右)のはかえでとされている。
追伸:いちょうも「紅葉」?
秋の風物詩として、紅葉(autumn leaves)時期に楽しめるもう一つの絶景がいちょうだ。イチョウ科イチョウ属に分類されていて、「紅葉(もみじ)・楓」と同じ分類ではなく、葉が黄色に「黄葉(こうよう / Ko-u-yo-u)」する。
前述のとおり、葉が黄色に色づく場合、漢字は「紅葉」ではなく「黄葉」と書き、「紅葉(こうよう する / Ko-u-yo-u su-ru)」を使う。発音が同じでも漢字が少し違うだけで意味が異なるのって、ややこしいよね!
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