春夏秋冬、四季のある国・日本。日本語には「風物詩」という言葉が存在する。それは「その季節をあらわす代表的なもの・こと、または季節に感じさせるもの」だ。日本でその季節になったらよく食べるものや見られる風景、風習などがある。
もしあなたが日本に行けない状況でも、こうした風物詩を利用すれば、自国で日本らしさを味わうこともできる。今回は日本の夏と、夏を象徴する風物詩を徹底解説!
日本の夏の風物詩:自然
1. 朝顔
春は梅や桜が有名だが、夏に咲く花も多い。短い期間にだけ咲く花と、夏をこえて9〜11月頃まで長く咲いてくれる花もあるので日本に遊びに来た際には、道端や観光地でどんな花が咲いているかぜひチェックしてみよう。
夏の花の代表格といえば、朝顔。7月~9月にかけて住宅街の庭や街角によく見かける日本の夏を感じさせてくれる花だ。朝顔は江戸時代に2回のブームがあり、当初は武士や一部の裕福な商人たちに愛された花だったがやがて一般にも浸透。現代ではどこでも見かけることができる。
2. 糸瓜(へちま)
室町時代に中国から渡来したとされる糸瓜(へちま)は食べ物として普通だが、夏に入ると黄色い花が咲く。こちらも夏を知らせる花の一つだ。
3. 向日葵(ひまわり)
夏の絶景と言えば、まるで太陽のような大輪の花をつける向日葵(ひまわり)!シーズンになると全国各地のひまわり畑で、一斉に同じ向きで咲き誇るひまわりを楽しめる。北海道の北竜町ひまわりの里や、ひまわりの絨毯の中を運行する小湊鉄道などは特に人気があるスポット。
その他、6月の梅雨の時期に咲く紫陽花(あじさい)や、7月ラベンダー、蓮の花なども有名だ。
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4. 夏の虫:蚊・カブトムシ・蛍・セミなど
夏は虫もよく活動する季節だ。
日本の夏と言えば何といっても「蚊」と「蝉(セミ)」。特に、蚊は蚊除け対策として「蚊取り線香」という殺虫成分を、渦巻状に打ち抜いて乾燥させたアイテムがあるぐらいだ。この蚊取り線香に火をつけると、熱によって殺虫成分が空気中に漂い、近くにいる蚊を殺虫することができる。蝉には様々な種類があり、「ミンミンゼミ」や「ひぐらし」などは全部鳴き声が異なるので、知れば知るほど面白くなりそうだ!
虫捕りでは「カブトムシ」や「クワガタ」が子供に人気がある。また、夏より早い時期になるが、5月下旬~6月下旬にかけてきれいな川辺に現れる「蛍」も「夏の始まり」を知らせてくれる虫として有名だ。
5. 自然現象:梅雨、蝉時雨、逃げ水、夕立ち
夏に起こる自然現象も風物詩の1つだ。
日本では6月頃にあたる「梅雨」もその一つ。気象庁によれば、梅雨(つゆ)とは「春から盛夏への季節が移り変わる時期に雨や曇りの日が多く現れる季節現象」のことだが、一般的にはその時期を指す言葉としても使われる。
「梅雨は雨季とは違うの?」という疑問を持たれそうだが、日本には乾季にあたる時期がなく、「梅雨」とは、季節風がもたらす梅雨前線によって降る雨を指すこともあり、雨季ではなく梅雨とされているのだ。
夏にもう一つよく見られるのが「蝉時雨(せみしぐれ)」。これは雨の種類でなく、蝉たちが一斉鳴き声を出して、雨の音のように聞こえる現象を指す。
その他には、風がない猛暑日、炎天下のアスファルトの道路などで遠くに水があるように見える現象「逃げ水」。そして午後から夕方に降るにわか雨「夕立ち」など、
日本の夏の風物詩:夏のファッション
6. 浴衣
日本で花火大会や夏祭りに着ていくものといったら浴衣だ。浴衣は夏に着る着物の一種で、着物より簡単に着用でき、軽くて涼しい。
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7. 麦わら帽子
日本の夏に欠かせないファッションアイテムといえば麦わら帽子。理由はもちろん、顔全体を日差しから守れることで、田畑などでは農作業などで使うつばの広い作業用の麦わら帽子、都市部や商業施設に行けばおしゃれ小物としての麦わら帽子まで、訪日旅行中に様々な形のものを目にする機会があるだろう。
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日本の夏の風物詩:夏のアクティビティ
8. 川下り、鵜飼い
猛暑が続く日本の夏。そのため、日本人は昔から涼しく楽しく過ごせるように夏に様々なアクティビティやイベントを行ってきた。
夏の日本で特におすすめのアクティビティは川下りだ。四万十川などの日本三大清流をはじめ、水質の良い川が多い日本では、川下りやクルーズなどのウォーターアクティビティを全国各地で楽しめる。中には鵜飼という伝統的な川魚の漁法を見学できるクルーズも!有名なのは宇治川の鵜飼いだ。
9. ビアガーデン
また、お酒好きにおすすめなのがビアガーデン!これは、夏に屋外施設や飲食店のテラスなどでビールや枝豆、ポテトなどのおつまみを楽しめるスポットのこと。ドイツのOktoberfestなどは秋に開催されるが、日本ではこうしたビヤガーデンやビール関連のイベントは夏に開催されることが多い。
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10. 川床
日本の夏ならではのユニークな涼しい食事なら京都の川床もおすすめ。川の上にせせらぎを聞きながら食事するので、絶対に涼しい!
11. 流しそうめん
また、流しそうめんも夏に体験しておきたいアクティビティだ。竹で作った管の中を水と一緒に流れてくるそうめんを救って食べる。おいしくて楽しい!日本の夏を象徴するアクティビティだ。
日本の夏の風物詩:夏の祭りやイベント
12. 七夕と短冊飾り
7月7日の「七夕」は「たなばた」と読む。「七」は7(ナナ/シチ)の漢数字、「夕」は「ユウ」と読むことが多い漢字なのに「七夕」という単語は「たなばた」と読むのだろう?
実は、七夕伝説に登場する「織姫」は、古書では「棚機津女(たなばたつめ)」と呼ばれており、「たなばた」という読み方は棚機津女伝説に由来する、と言われている。日本では7月に全国各地で七夕祭りが開催され、町のいたるところで七夕飾りを見かけることができる。短冊に願いを書いて笹にかけるのだが、この短冊づくりに参加できるイベントもあるので、興味のある人は滞在予定の街の七夕イベントを調べてみるのもおすすめだ。
👉 日本の「三大七夕祭り」はどこで行われる?いつ開催?七夕伝説も紹介
13. お盆・盆踊り
「お盆」は夏に行われるご先祖様をお迎えし供養する一連の行事のこと。地域によってお盆の時期は7月か8月か異なるが、一般的には企業などは8月にお盆休みをとる企業が多く、学校も夏季休暇となるため、ファミリーで里帰りする家庭も多い。13日に迎え火(先祖が迷わずに家まで帰るための目印として迎え火を焚く)が行われ、お盆期間中にお墓参りをし、15日か16日かは送り火(お盆の期間に一緒に過ごした先祖の霊を送り出す行事)が行われる。このお盆時期には各地で「盆踊り」などのイベントも開催される。
14. 花火大会
夏のイベントの中でも最も有名なのが花火大会と夏祭りだ!どちらも全国各地で開催されるのですべてをあげることはできないが、日本最古の花火大会として有名な隅田川花火大会や、全国花火競技大会(大曲の花火)」などの日本三大花火大会などは良く知られている。
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👉 「日本三大花火大会」&「日本一」の花火大会3選
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15. 夏祭り
花火大会や祭りでは祭り屋台も楽しみの一つ。焼きそばやたこ焼き、かき氷などの屋台グルメ、仮面やキャラクター風船などが買える店が登場し、金魚すくいや射的などいろいろなゲームも楽しめる。
ちなみに、花火大会などで、日本人が「たまや」や「かぎや」と叫ぶ様子を見かけるかもしれないが、この掛け声は昔からの風習なのだ。
16. 肝試し・怪談話
日本語には、「背筋が凍るほど怖い」「怪談で暑さをしのぐ」といった言い回しがある。エアコンや扇風機のない時代の日本人は、怖い話で冷や汗を出して涼んできた。
今でもその風習は夏の風物詩として残っていて、遊園地などのお化け屋敷や、心霊スポットでの肝試し、ろうそくの火を囲っての怪談などは現在でも夏の人気アクティビティだ。怖いもの好きにとって日本の夏はまさに楽園?
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日本の夏の風物詩:夏ならではのアイテム
17. 風鈴
日本の夏を味わうなら、五感で楽しむのも「粋」だ。
もし音で味わいたいなら、日本家屋の軒先などに吊り下げられ、風によって涼しげな音を奏でる風鈴の音に耳を傾けよう。現在、お土産屋さんなどでもよく見かけるガラス製の風鈴が普及したのは江戸時代ごろ、オランダ経由で製法が伝わり、ガラス工芸が盛んになったことで、ガラス製の風鈴が主流になったそう。
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18. 蚊取り線香
夏には蚊取り線香の匂いを嗅ぐ機会も多いかもしれない。蚊取り線香は、渦巻き状の形状もユニークだが、その器もユニークで、なかには「蚊遣り豚」という豚のデザインの器も!
なぜ豚の形が採用されたのかって?それには諸説あり、豚に似たイノシシが元々「火伏せ(火災を防ぐ)の神」として崇められていたからや、当時大きめの徳利のようなものを使っていたがその形状が豚にいていたことから着想されたのでは?などといった説がある。
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19. 団扇、扇子
その他、夏に欠かせない涼をとるための道具といえば団扇。同じく仰いで風を起こす道具では、折りたためてより高級感がある扇子などもある。そして、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも気軽に買える、現代風の夏の風物詩といえば冷却スプレーだ。
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20. 蚊帳・簾・暖簾・扇風機
日本のアニメやTVドラマなどではよく見かける夏の風物詩といえば蚊帳。天井からつるし寝具などを覆う虫よけ網のことで、現在はあまり見かけなくなったが、昔は冷房のない和風の家で窓を開けて寝るためにつるしその蚊帳の中に寝具を敷いて寝ることが多かった。
その他にも日差しが強いときに窓にかける簾(すだれ)、扇風機なども日本の夏を象徴するアイテムだ。
日本の夏の風物詩:料理・スイーツ・飲み物
21. うなぎ料理
日本では古くから「夏バテ防止にうなぎ料理を食べる」という習慣がある。その歴史は古く、なんと日本最古の歌集「万葉集」にも鰻にまつわる歌が掲載されているほどなのだ。食べ方は、タレのたっぷりかかったかば焼きをご飯にのせて食べるうな重や、たれをつけず、うなぎ本来の味わいを楽しむ白焼き等がある。
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22. そうめん、ひやむぎ
日本食は冷やし麺の種類も様々。小麦粉を原料に長径1.3mm以下の太さのそうめん、長径1.3mm以上1.7mm未満のひやむぎ、長径1.7mm以上(手延べの場合も長径1.7mm以上)のうどん。そば粉で作られるそばなど、原材料や製法、太さの異なる麺がたくさんある。
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23. 冷やし中華
冷やした中華麺の上にトマトやキュウリ、錦糸卵、ハムなどをたくさんのせた冷やし中華も、夏の日本の定番料理。冷やし中華の発祥は宮城県仙台市で、夏場の麺の売上低下を危惧した仙台支那料理同業組合(現:宮城県中華飲料生活同業組合)が考えたといわれている。ほんのり酸味と甘みが効いたスープと中華麺は意外なほどマッチ。つけ合わせの紅ショウガとからしをあえながら食べれば、夏バテも吹き飛ぶはず。
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24. スイカ
夏のおやつといえばスイカ。日本では、スイカをただ食べるだけでなく、スイカ割りというアクティビティで割って楽しむという文化がある。
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25. トウモロコシ
トウモロコシは日本の夏の野菜として知られ、スーパーでよく売られる。たっぷりの熱湯でゆでて、そのまま食べるのがおすすめ。少し塩をかけてもおいしい!
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26. かき氷
削った氷の上に、イチゴやメロン、練乳などをかけて食べる「かき氷」。日本では昔から縁日などでよく見かけるかき氷だが、最近は専門店が増え、様々な進化系かき氷が誕生。小倉餡と抹茶シロップをかけた「宇治金時」など日本ならではの和風かき氷もおすすめ!
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27. ところてん
ところてんは、テングサという海藻を煮て抽出したエキスを型に流し込んで冷やして固めた、麵状のゼリーのようなもの。見た目はまるで透明なうどんのようですが、うどんほどコシがなく、すぐ噛み切れるのが特徴。つるつると喉ごしも良いので気軽に食べられる。
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28. くずもち
くず餅は、ぷるぷるで、まるでゼリーのような食感の餅に、きな粉や黒蜜をかけた甘さ控えめの和菓子。「もち」といっても、葛餅は米粉を一切使用せず、葛粉を使っている。
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29. 麦茶
日本人が日常的に飲んでいるドリンクといえばお茶。特に冷たい麦茶は日本の夏を象徴する飲み物だ。「ただのお茶」と思うなかれ。麦茶の成分が熱中症の予防や血流改善、抗酸化作用に効果があるとされており、戦国時代には武将たちも愛飲していたと言われている。
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30. ラムネ
お祭り好きにぜひ試してほしいのが、温泉街や縁日でよく売られているラムネ。甘い炭酸飲料で、ガラス瓶に入っていることがほとんど。ラムネ好きの多くは、飲んだ後に、中に入っているビー玉を取り出しだそうと四苦八苦した経験があるので、ぜひ一度挑戦してみては?
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