「和菓子」の歴史をわかりやすく解説!いつ誕生?西洋菓子との関係は?

History of Japanese Wagashi

Wagashiとは、文字通りWA「和=Japanese」のGASHI「菓子=Confectionary」のこと。見た目にも美しい和菓子の数々ですが、いつの時代から作られているのか?今回は、その歴史を見てみましょう。

和菓子の由来・歴史

和菓子は、今から数千年前の縄文時代に誕生したと言われています。最初に生まれたのは餅。古代人たちは、木の実を乾燥させて保存したり、砕いて粉にしてアク抜きし、団子状に丸め熱を加えて餅を作ったそう。934年ころの古書には、餅に関する描写も残っており、当時は高価だった米を使って神様のお供え物として作られていたようで、とても神聖なものとして扱われていたそうです。これが、日本最古の加工食品といわれる「餅」の誕生です。

ちなみに、「菓子」という日本語の由来は、食が充分ではなかった古代人が、空腹時に「木の実」や「果物」を採って食べていたことに由来すると言われています。食べ物を加工する技術のなかった古代人にとって果物などの甘みは特別で、古代から主食とは区別されていたことがうかがえます。

6世紀:和菓子の原型が生まれる

※写真は甘葛に似た植物で、あくまでもイメージです

現代には砂糖がありますが、古代は何を使っていたのでしょうか。『日本書紀』という日本の古い文献には、「甘葛」(あまづら)というツタの汁を煮詰めた、シロップのような描写があります。さらに『枕草子』には、削った氷にその「甘葛」(あまづら)をかけて食べる様子が描かれており、まさに現代のかき氷を思わせます。

7世紀から9世紀:遣唐使が中国の菓子を持ち帰る

630年~894年に、約19回派遣されたという遣唐使。彼らが、唐朝から持ち帰ったお菓子は、和菓子にインスパイアを与えています。米、麦、大豆、小豆などをこねたり、油で揚げたりしたものでした。これらをもとに、かつての日本人は、お菓子を本格的に作り始めたようです。

12世紀:飛躍的に和菓子文化が発展

日本の代表的な文化のひとつ、茶道。これが大きく発展し始めたのは12世紀です。それに伴って、お茶と一緒にいただく和菓子も発展しました。鎌倉時代初期(1191年頃)に、栄西禅師が大陸からお茶を持ち帰りました。茶の湯の菓子としては「煎餅」「栗の粉餅」などがありました。それらをもとに、和菓子が発展して行きます。

16世紀:西洋菓子の渡来

ポルトガル人やスペイン人が渡来したことで、西洋菓子が日本に入ってきました。その代表格といえばカステラ、金平糖(こんぺいとう)、ビスケットで、現在でも食べられている和菓子の原型となりました。

17世紀:江戸時代に大きく発展

日本中の城下町や門前町で、独特の和菓子が生まれました。京都の京菓子と江戸の上菓子が競い合い、相乗効果で発展していき、さまざまな和菓子が次々に誕生しました。現代、目にする和菓子の基礎は、ここで確立したといわれています。

いかがでしたか?意外と知らない和菓子の歴史について、和菓子の魅力とともに少しでも伝わりますように。

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