日本には、全部で47の都道府県があります。
地域によって、街並みやアクティビティ、グルメなどの特徴が異なるように、地元の人々の県民性も様々。このシリーズでは、都道府県ごとの魅力や、ご当地あるあるを紹介し各県のローカル事情を掘り下げていきます。
今回取り上げるのは、味噌煮込みうどんと、金のしゃちほこ輝く名古屋城で有名な名古屋!グルメも史跡も満載の名古屋人の実態を学んでいきましょう。
ケチで仰々しいはただの先入観⁉愛知は各エリアごとに県民性が違う!
他地域の県民に愛知県民のイメージを聞くと、「堅実で倹約家だが、ケチで見栄っ張りが多い」といわれることが多いです。
これは江戸時代に名古屋を治めていた徳川御三家の一つ尾張藩が倹約と貯蓄を奨励したため。しかし、愛知県内はいくつかの地域に分かれており、県民性も三者三様。ここからは大まかなエリアと県民性を紹介します。
名古屋
尾張藩が名古屋城を築城した名古屋は、「堅実」「倹約」が根づく地域。地元への定住意識が高く閉鎖的な気質もあるため、この名古屋人のイメージが愛知県民全体のイメージとして語られてしまうことも。
尾張
名古屋市の北部に広がる尾張エリア。名古屋と同様、尾張藩特有の堅実さを持っていますが、犬山市をはじめ歴史的に交通や物流などが栄えた地域で、現在も名古屋のベッドタウン的役割を担うことが多く、名古屋市ほど閉鎖的ではありません。
海部(あま)
名古屋市西部に位置し、織田信長のルーツとされているエリア。信長にゆかりのある地域出身者ということで、地域愛が高いのと、津島は戦国時代は尾張一豊かな港町として栄えた歴史があるため、県民には商人気質が根付いています。津島町史には「独立心が強いが、薄情な一面がある」と記されています。
知多
名古屋市南部から南に突き出た半島と篠島・日間賀島などの島々からなるエリアで、伊勢湾と三河湾に囲まれ温暖な気候の地域。商売人気質と真面目で堅実な職人気質をあわせもつといわれています。
西三河
東西ともに三河は、武将・徳川家康の出身地のため、徳川家の伝統が色濃い地域。
そのため、県民もまるで武士団のように地元での団結心が強く、古くからのしきたりや風習を重んじる傾向があります。商人気質の尾張と比べると、普段からどっしり構えており、時折のんびり屋に感じる面も。
閉鎖的で郷土意識が強いのですが、特に西三河はそうした傾向が強くあります。また、豊田市が日本を代表する自動車メーカー「トヨタ」の街ということもあり、移住民も多いです。
東三河
西三河と同じく徳川の影響が強く残るエリア。各自治体の独立性が強い。
東日本と西日本にまたがる
東日本とは、日本を大きく区分した際の東半分のことを指します。辞書によれば「中部地方東部の太平洋側および関東地方を指す」とあります。
一方、「西日本」は「中部地方以西の総称」(中部=愛知県を中心とする中部地方)で、近畿・中国・四国・九州の各地方の総称です。そのため中部地方は広義では東日本、西日本いずれにも含まれます。
最悪の運転マナー No.1
愛知県民の運転マナーの悪さはかなり有名です。
というのも、愛知県は2003年から2018年まで交通事故死者数、16年連続全国ワースト1位という不名誉な記録を持ち、その独特かつ劣悪な交通マナーを「名古屋走り」という言葉で表現することも。
赤信号でも交通状況を判断して進んだり、スピ―ド違反したり、右折フェイント(渋滞を避けるために空いている右折車線に入り、交差点直前で直進車線に戻る)、車線またぎ(隣の車線にはみ出して走行)、ウィンカーを出さずに車線変更するなど。
愛知県を敢行する際には、車に気をつけよう!
カフェでのモーニングサービスは素晴らしい!
名古屋には独特の「モーニング文化」があります。モーニングとは、喫茶店で、朝食にドリンクを頼むとトーストとゆで卵がついてくるというもの。中には、ワンコイン(500円)でパン、ゆで卵、サラダ食べ放題、ドリンクが付くカフェも!
「モーニングといえば名古屋」のイメージが強いですが、その発祥は名古屋市ではなく、お隣の一宮市と言われています。諸説ありますが、1950年代にはモーニングが存在し、様々な店でも広まっていったようです。
こうしたモーニング以外にも、名古屋にはマウンテンのような個性的な喫茶や絶品の小倉スイーツが食べられるカフェもあります。また他に、漫画喫茶も名古屋発祥と言われています。漫画喫茶は、店内にたくさんの漫画が並んでおり、1時間、2時間、3時間など、時間制で読書と飲み物やその他飲食が楽しめるサービスのこと。もとは喫茶店店主が客寄せのため、店内に漫画をたくさん並べたのが始まりと言われています。
No Red Miso, No Lifeー味噌がなければ、人生はない
味噌カツ、味噌煮込みうどん、味噌おでんなど、愛知県の食文化は味噌抜きには語れません。
それも、愛知県岡崎市にある岡崎城から八町(約800m)離れた八丁村発祥の「八丁味噌」など、定番の白味噌よりも色が濃く味わいも濃厚な豆味噌を使うことが一般的。
コンビニのおでんにも味噌がついてくるのは有名な話で、スーパーではソースや醤油と一緒に味噌のチューブもたくさん陳列されています。
スターバックス✖コメダ珈琲
愛知県民が誇る喫茶店チェーン「コメダ珈琲」。1968年の創業以来、高齢者や家族連れの憩いの場として早朝から親しまれ、現在では全国チェーン店となっています。
まるでカフェとファミレスが融合したような店内で、コーヒーをはじめとするドリンクの目―ニューがたくさんあるだけでなく、サンドイッチやグラタン、シロノワールというパンケーキや珈琲ジェリー、かき氷などの季節限定スイーツなどもありフードメニューはバラエティ豊か!
特にシロノワールが看板メニューで、料理はどれもボリューム満点。ソファは快適。一度座ったら立ち上がりたくなくなってしまいます。店内には新聞や雑誌もたくさんあり、日本のおもてなしが最もよく反映された喫茶店といえます。
名古屋人の結婚式はど派手
「名古屋人は目立ちたがり屋」。この通説を裏付ける良い例が、結婚式の豪華さです。
「名古屋に娘が3人いる家庭は破産する」という言葉もあり、これは「娘に嫁入り修行をさせて、準備万端整えることに莫大な費用がかかる」ということの例えです。
名古屋の派手な結婚式の例としては、嫁入り道具を満載したトラックを町中に走らせるや、式場の装飾が華やか、ケーキがとにかく大きいなど。
その他にも、昔は新婦が結婚する日の朝に、新婦の親族が2Fや屋根から菓子、お餅や現金などを巻いた「菓子まき」という風習を披露宴の演出の一つでやるカップルも多いです。結婚式では、披露宴会場内で舞台の上から、お菓子を巻くそうで、参加者が盛り上がるのだそう。
その他、結婚式の引き出物にふたりの名前を書く「名披露目(なびろめ)」「名披露(なひろう)」などとは、新しく家にきた嫁を近所に紹介するために、嫁の名前を書いたのしをつけた品物を持って近所に挨拶回りをしたときの名残だそう。
こうした風習だけ見ても、名古屋の結婚式がならではの華やかでお金のかかるものだとわかります。
このように、日本には、各都道府県にしかない素晴らしい特徴がたくさんあります。このシリーズの他の記事もご覧ください。コメント欄で、あなたが知りたい他の都道府県の特徴を教えてください。
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