日本にはたい焼き、どら焼き、大福、みたらし団子などを代表する和菓子がありますが、洋菓子=スイーツもたくさんあり、人気があります。洋菓子といえば、外国から入ってきたお菓子のイメージが強いですが、実は日本発祥のスイーツがたくさんあります。
また、パンも西洋からやってきましたが、日本独自の進化を遂げ、今や日本ならではのパン文化を築いています。これからご紹介する中に「これも日本発祥なの!?」と驚くスイーツやパンがあるはずです。ショートケーキやミルクレープ、アンパンなど、その発祥の歴史や魅力をご紹介します。
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日本発祥の洋菓子スイーツ5選
ショートケーキ

ショートケーキは、ふわふわで口どけの良いスポンジケーキに、甘さ控えめでミルクの風味が豊かな生クリームと、甘酸っぱいジューシーなイチゴが組み合わされたシンプルなケーキです。日本人なら誰もが知っているショートケーキは日本で生まれました。
ショートケーキの誕生について、老舗の食品メーカー・不二家の公式サイトでは下記のように紹介しています。
1922年に日本の洋菓子店「不二家」が、アメリカのビスケットのような生地のショートケーキを日本人の口に合うようにアレンジし、フランスの技術も取り入れながら、カステラに近い生地を生クリームで飾り付けたケーキを「ショートケーキ」として売り出したのが始まりです。(出典:不二家)
ショートケーキは、シンプルな見た目ですが根強い人気があり、誕生日やクリスマスの定番です。また、カフェやケーキ店でも必ず提供されており、世代を問わず愛されています。日本独自の進化を遂げたショートケーキは、そのおいしさだけでなく、見た目の美しさも追求されており、白と赤のコントラストに目を奪われます。
ミルクレープ

ミルクレープは、フランス語の「Mille_Crêpes(ミル・クレープ)」からきていて、「Mille」は「千」、「Crêpes」は「クレープ」という意味です。その名の通り薄いクレープ生地を何層も重ね、その間にクリームを挟んだスイーツです。クレープの本場であるフランス発祥と思われがちですが、実は日本発祥です。1978年に西麻布のカフェ「ルエル・ドゥ・ドゥリエール」で生まれたと言われていますが、1996年に日本のカフェチェーン「ドトールコーヒー」がミルクレープを商品化したことで一躍人気のスイーツになりました。
カフェでは、10〜20枚程度のクレープ生地の間に生クリームやカスタードクリームなどを塗り重ね、お好みでフルーツやチョコレートなどをトッピングして提供されることが多いです。ケーキ店でも人気のあるメニューですが、最近ではコンビニエンスストアでも手軽に購入できるようになりました。ミルクレープは、断面の層の美しい見た目としっとりとした食感、そして優しい甘さが魅力です。
レアチーズケーキ

レアチーズケーキも日本生まれです。1964年に開業した、東京・赤坂のレストラン「トップス」で誕生しました。当時チーズ自体が珍しい時代で、生タイプの焼かないチーズケーキの誕生は驚きでした。さっぱりとした味わいが日本人の好みに合い、現在のケーキ店でも定番の一品となりました。レアチーズケーキは、口当たりがなめらかでとろけるような食感が特徴です。焼かずに作ることができるので、その手軽さから家庭でもよく作られるスイーツです。
作り方は、砕いたビスケットの上にクリームチーズやヨーグルトにゼラチンを加えた生地を流し込み、冷やして固めます。レモン汁を加えて風味を調整するとさらに美味しく食べることができます。ビスケットのサクサクした食感との相性は抜群です。アメリカにも「ノー・ベイク・チーズケーキ」という焼かないチーズケーキはありますが、ゼラチンではなくクリームチーズと生クリームで固めるため、レアチーズケーキとは別物です。チョコレートや抹茶など様々なフレーバーもおすすめです。
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生チョコ
生チョコレートは日本で生まれたチョコレート菓子です。チョコレートに生クリームやバターなどを加え、加熱処理をしないことで、柔らかく口の中でとろけるような食感が魅力です。
1988年に神奈川県の洋菓子店「シルスマリア」で生チョコレートが誕生しました。その後、北海道の洋菓子メーカー「ロイズ(ROYCE')」が生チョコレートを商品化したことで人気が広がりました。水分量が多い為、一般のチョコレートに比べ賞味期限は短いですが、冷凍保存することで賞味期限を延ばすことができます。バレンタインデーの贈り物としても人気があります。日本生まれの生チョコレートは海外でも人気のスイーツです。
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コーヒーゼリー

喫茶店でもおなじみのコーヒーゼリーは、日本で生まれたスイーツです。濃い目に抽出したコーヒーに、ゼラチンや寒天などを加えて固めたもので、つるんとした食感とコーヒーのほろ苦さが特徴です。
1914年、新聞の家庭面にレシピが初めて掲載され、家庭で作れるデザートとして広まりました。その後、1963年に、ミカドコーヒー軽井沢旧道店で「食べるコーヒー」として、豆から抽出したコーヒーを使ったコーヒーゼリーが提供され一躍人気となりました。コーヒーのほろ苦さと、砂糖の甘さのバランスが絶妙で、クリームやミルクをかけたり、フルーツを添えて食べられています。喫茶店やカフェの定番メニューとして親しまれています。
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日本独自のパン文化

日本の主食はお米ですが、日本の食文化に合うように様々な工夫を凝らし、日本独自のパンが次々と誕生しました。パンはご飯を炊く手間がなく手軽に食べることができ、忙しい現代人の食生活にあっていることから、今や国民食と言えるほど定着しています。
日本にパンが伝わったのは16世紀後半のこと。ポルトガル人が種子島に漂着した際に、鉄砲の伝来と共にパンも日本に持ち込まれたとされています。当時は一部の限られた人しか口にすることができませんでした。19世紀後半、西洋文化が日本に積極的に導入されるようになり、パンも一般的に普及し始めました。
日本のパンの魅力は、食パン、菓子パン、惣菜パンなど、バラエティ豊かなパンが手軽に楽しめ、多様な味があり飽きずに食べることができる点です。日本発祥の人気のパンをご紹介します。
日本発祥の菓子パン5選
日本では柔らかく甘いパンが好まれるため菓子パンの種類が豊富です。季節のフルーツや食材を使った季節感のあるパンも人気です。
あんパン

日本を代表する菓子パンのひとつで、西洋のパンと日本の食材「あんこ」を組み合わせた、日本発祥のパンです。こしあんや粒あんを柔らかいパン生地で包んだ、甘くて懐かしい味わいが特徴です。
1874年、木村屋総本店(現在の銀座木村屋總本店)で作られたのがはじまりで、その歴史は150年以上にも及びます。日本ではあんパンの餡の種類に好みがあり、「粒あん派」と「こし餡派」に分かれます。ある調査メディアのリサーチによると、人気は2分しているようです。どちらの餡のあんパンがお好みですか?
クリームパン

ふわふわのパン生地の中にカスタードクリームがたっぷり詰まったクリームパンも日本発祥です。世代を問わず愛されているパンのひとつです。1904年に東京・本郷にあった中村屋(現在の新宿中村屋)で誕生しました。創業者の相馬愛蔵・黒光夫妻は、シュークリームを食べそのおいしさに感動し、パン生地にカスタードクリームを包み込むことを思いついたと言われています。乳製品を使ったクリームは栄養価の面でも非常に良いのではないかという考えもありました。(参照:新宿中村屋公式サイト)
クリームパンはパンの形がグローブ型をしている特徴があるので、見た目だけでクリームパンと認識ができます。カスタードクリームの甘さやパン生地の柔らかさは、いつ食べても幸せな気分にさせてくれます。
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メロンパン

クッキー生地のようなサクサクの皮と、ふわふわのパン生地の2種類の食感が楽しめるパンです。見た目がメロンに似ていることから「メロンパン」と名付けられたと言われています。最初にメロンパンが作られたのは、神戸のパン屋さん「金生堂」がパン生地の上にビスケット生地をかぶせて焼き上げたのが始まりという説が有力です。もともと「サンライズ」と呼ばれていたので、今でも神戸では「メロンパン」ではなく「サンライズ」の呼び方で親しまれています。コンビニやスーパーでも手軽に買え、独特の見た目と食感から人気のあるパンです。
ジャムパン

ジャムパンは定番の菓子パンの一つです。甘いジャムをパン生地に挟んだシンプルなパンですが、イチゴジャムやブルーベリージャムなどジャムの種類が豊富です。あんパンと同様に木村屋が発祥です。「ジャムパン」と聞くと、アニメ『アンパンマン』に登場するジャムおじさんを想像する人も多いのではないでしょうか。アニメ『アンパンマン』の登場により、ジャムパンは子供たちにとっても特別な存在となりました。ジャムパンが、日本の菓子パン文化に深く根付いた理由のひとつと言えるでしょう。
チョココルネ

「チョココルネ」はいかにも西洋的なネーミングですが、実は日本生まれです。フランス語で「角(つの)」を意味する「Cornet(コルネ)」から名前が付けられたと言われています。明治時代にあったとされ、長い歴史を持つパンです。最大の特徴はパン生地を巻き貝状にクルクル巻いたその形です。中にたっぷりのチョコクリームが詰まっていて、そのままでも美味しく食べることができますが、冷やして食べるのもお勧めです。
日本発祥の総菜パン4選
パン生地に様々な具材を挟み込んだりトッピングしたりすることで、栄養バランスもよく手軽に食べられることから、忙しい現代人の朝食やランチとして人気です。甘辛いものからスパイシーなものまで、味付けのバリエーションも豊富です。
カレーパン

カレーをパン生地で包みパン粉をつけて揚げた、外側のサクサクした食感とスパイシーなカレーを楽しめるボリューム満点の惣菜パンです。1927年に東京都江東区の「名花堂」(現:カトレア)2代目中田豊治氏が、実用新案登録した洋食パンが元祖という説が有力です。手軽に、カレーの種類や具材によって、様々な味が楽しめるので、飽きずに食べられます。
コロッケパン

サクサクのコロッケをやわらかいパン生地で挟んだ、定番の惣菜パンです。創業昭和2年のチョウシ屋が発祥と言われています。現在も人気のお店で、歌舞伎座の裏手に店をかまえ、店先に「元祖コロッケ チョウシ屋」という看板を掲げています。コロッケパンはソースで味を変えることができるので、ウスターソースだけでなく、マヨネーズやケチャップなど、様々な味で楽しむこともできます。
またコロッケの代わりに、ハンバーグやチキンカツを挟むなど、自分好みの具材を入れたり、挟むパンの種類を食パン、コッペパン、バンズなどに変えるなど自由なアレンジも可能です。
焼きそばパン

炭水化物×炭水化物という独自の発想の総菜パン。麺類の焼きそばをパンで挟んだ、ボリューム満点のパンで今や日本のソウルフードといえます。1950年代に、東京都荒川区南千住にあった「野澤屋」が焼きそばとコッペパンを販売していたところ、お客さんからの「面倒だからはさんでほしい」という声があったことがきっかけだといわれています。サクサクのパンともちもちとした焼きそばの食感がくせになります。
メンチカツパン
メンチカツを挟んだ、洋食屋さんのような味わいが楽しめます。コロッケパンより肉々しい味わいを求めてメンチカツがパンに挟まれるようになったと考えられます。
全国ご当地パン
また、その土地でしか食べることのできないご当地パンもたくさんあります。全国発売を熱望するファンも多いご当地パン。その一部をご紹介します。
- 青森県:「イギリストースト」青森県で知らない人はいないほど、昭和42年に販売されてからずっと愛され続けているご当地パン。食パンの厚さにこだわりマーガリンとグラニュー糖をサンドしています。
- 富山県:「コーヒースナック」富山の名物。コーヒー味の山型食パンにコーヒークリームを挟んでいて飽きない美味しさが人気の理由です。
- 石川県:「ホワイトサンド」石川県小松市のソウルフード。ふんわり食パンに自家製ホイップクリームがサンドされていて、程よい甘さとシンプルな味わいが魅力です。
- 神奈川県:「ポテチパン」横須賀名物のひとつとなっているパン。ポテトチップスをキャベツとマヨネーズで和えたパンです。
- 滋賀県:「サラダパン」ふっくら焼き上げたコッペパンにマヨネーズであえたたくあんを挟んだ珍しい組み合わせが人気のパンです。
- 高知県:「ぼうしパン」高知県民に愛され続けているご当地パンの代表的存在。パン生地にカステラ生地をかけて焼いたキュートな帽子形が特徴です。真ん中の部分がふわふわで、周りの部分のサクサク食感が魅力です。
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