国によってスタイルやデザインが大きく異なる学校制服。日本では、大きな襟とスカーフが特徴的なセーラー服や立ち襟に黒のジャケット、金ボタンスタイルの学ランが伝統的な学生服として知られていますよね。また、日本のアニメには制服が登場する作品も多く、「アニメ制服」として海外からも関心が寄せられています。本記事では、そんな日本の学校の制服の特徴や種類についてまとめました。
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制服とは？日本の制服の特徴と種類
日本の学校制服にはさまざまな種類があり、学校によってデザインやスタイルが異なります。まずは日本の制服が広まった歴史を振り返りながら、制服の種類について詳しく見ていきましょう。
制服とは？制服を着る理由は？
日本の学生服のはじまりは明治時代といわれており、皇族や華族のための学校としてつくられた「学習院」で詰襟の制服が導入されました。明治時代後半になると「東京師範学校女子部」でも洋装が導入されましたが、その後は袴姿が一般的に。大正時代に入るとセーラー服を採用する学校も出始め、セーラー服に憧れて学校を志望する人もいたそうです。
制服を着用するようになった背景には、「学生であることを自覚させるため」「学校への帰属意識を高めるため」などといった管理上の理由もあれば、学生同士の経済格差をなくし、「全員が同じ場所で同じことを学ぶ」ということを象徴するための服装だったともいわれています。
日本の制服の特徴と種類
日本の学校制服は、男子生徒は学生服（学ラン）やブレザースタイルが多く、女子生徒はセーラー服、ブレザー、ワンピース、ボレロなどさまざまなスタイルが存在しています。最近では女子生徒においてもパンツスタイルが広まるなど、制服は時代の流れとともに多様化しているのが特徴です。ここからは、制服の各スタイルについて詳しく解説します。
男性の制服
・学生服（学ラン）
黒や紺などの立ち襟（詰襟）のジャケットとズボンを組み合わせたスタイル。ジャケット前面には学校のエンブレムが記されたボタンが付くことが多いです。また、学ランの場合は、学校を卒業する際、胸に一番近い上から2番目の「第二ボタン」を好きな人にあげる風習があります。
・ブレザー
ワイシャツとジャケットにネクタイ、スラックスを合わせた、フォーマルさを感じるスタイル。ネクタイの色やデザインは学校によって異なり、ジャケットの胸元には刺繍・ワッペンで校章が付いていることが多いです。
女性の制服
・セーラー服
大きな襟（セーラーカラー）が特徴的なトップスに、リボンやスカーフを組み合わせたスタイル。日本で最も伝統的な女子制服です。スカートはプリーツスカートが基本とされており、長さは膝丈であることが一般的。また、リボンやスカーフの色は学校ごとに異なり、紺・赤・白・緑・エンジ色などがあります。
・ブレザー
ジャケット・シャツ・スカートまたはスラックスにリボンやネクタイを組み合わせたスタイル。最近では最も一般的になってきている女子制服で、おしゃれでフォーマルな印象を与えます。男子のブレザー同様、ジャケットの胸元には刺繍・ワッペンで校章が付いていることが多いでしょう。スカートはプリーツスカートが主流で、チェック柄・無地・ストライプなど種類豊富。また、最近では機能性や多様性の面からスラックスを選べる学校も増えています。
・ワンピース型
トップスとスカートが一体化したシンプルなデザインで、比較的動きやすいスタイルです。ワンピース型制服には、セーラーカラーが用いられているセーラーワンピース、襟が特徴的な丸襟・角襟ワンピース、ワンピースの上にブラウスなどを合わせるジャンパースカート型の3タイプがあります。清楚でクラシカルな印象を与えるワンピース型は、伝統校や私立高校など一部の学校で採用されるケースが多いでしょう。
制服のA体とB体の違いは？制服に関する規定
日本の学校制服には「A体」「B体」と呼ばれるサイズ分類が存在します。「A体」は一般的な細身〜標準体型向け。「B体」はA体よりも幅が広めで、胸やウエスト、ヒップに余裕があるサイズです。制服のサイズを選ぶ際は身長×体型で選ぶのが基本とされており、サイズは165A（A体）、165B（B体）と表記されます。
また、日本では学校ごとのルールである「校則」が設けられている場合が多く、制服の着用方法、靴下や靴の色、装飾品の禁止、髪型・髪色の指定など、細かくルールを定めている学校もあるようです。
制服の平均額はいくら？制服の費用と人気ブランドを紹介
日本の学校制服は、学校によって費用や採用しているブランドはさまざまです。ここでは、平均的な制服の費用や人気ブランドについて紹介します。
制服の平均価格
日本の学校制服にかかる費用は、男女ともに一式約40,000〜70,000円程度といわれており、各学校が取り扱っている制服や地域によって差が見られます。私立学校の場合、学校ごとにデザイン性に富んでいたり、こだわりがあったりするため、費用も高くなる傾向にあるでしょう。
人気の制服ブランド
多くの学校で採用され、特に人気のあるブランドは「カンコー学生服（KANKO）」「トンボ学生服（TOMBOW）」「富士ヨット学生服（FUJI YACHT）」の3ブランドです。
カンコー学生服は、長い歴史と高い品質で知られるメーカー。製品の耐久性に優れており、多くの学校で採用されています。
トンボ学生服は、品質とデザイン性で評価を受けているブランド。学生の動きやすさを考慮した設計が特徴とされており、多くの学校で採用されています。
富士ヨット学生服は、明石スクールユニフォームカンパニーが展開しており、70年以上の歴史を持つブランド。高品質な素材と丁寧な縫製が特徴で、伝統的なデザインを守りつつ、現代のニーズにも応える製品が提供されています。
日本の制服文化と海外の反応
漫画やアニメをきっかけに海外からも注目される日本の制服文化。ここからは、日本国内で若年層に人気の制服文化「制服ディズニー」や制服が登場する漫画・アニメについて詳しく紹介します。
制服ディズニーとは？
日本では、学校制服を着て東京ディズニーランドや東京ディズニーシーに遊びにいく「制服ディズニー」という文化が存在します。中学生や高校生が自身の学校の制服を着用して、友達やカップルで同施設に訪れ、写真や動画を撮って楽しんでいるようです。中高生のほかにも、大学生や社会人が母校の制服をおしゃれに着崩したり、アレンジしたりして制服ディズニーを楽しんでいる方もSNSなどで見受けられます。
ちなみに、東京ディズニーリゾート近くの商業施設「イクスピアリ」内には、制服一式をレンタルできる「カンコーショップイクスピアリ」があり、1,000円台からレンタルできるプランもあるそうです。「制服は持っていないけど、制服ディズニーを楽しんでみたい！」という方はぜひレンタルしてみてはいかがでしょうか？
漫画・アニメで見る制服
日本では、制服が登場する漫画・アニメがあり海外からも注目されています。そのなかでも、「美少女戦士セーラームーン」「カードキャプターさくら」「ジョジョの奇妙な冒険」は特に人気の高い作品です。
美少女戦士セーラームーン
美少女戦士セーラームーンは、少女たちが協力して戦う姿が描かれた作品で、世界中の女性に「戦う美学」を伝えた作品といわれています。各キャラクターは、セーラー服がモチーフになった衣装を着用。海外のスケート選手のなかには、セーラームーンのコスチュームで演技を披露した人もいるほど、注目されている作品です。
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カードキャプターさくら
カードキャプターさくらは、かわいらしい世界観と魅力的なキャラクターによって世界中から人気を集めている作品で、主人公・木之本桜が通う小学校の制服が注目されています。黒のブレザー＋白いスカーフ＋プリーツスカートというおしゃれなデザインで、冬服と夏服の両方が描かれているのも特徴。コスプレやファッションアイテムとしても人気のスタイルです。
ジョジョの奇妙な冒険
ジョジョの奇妙な冒険は、主に男子学生の学ランが多く登場する作品で、「第3部 スターダストクルセイダース」の主人公・空条承太郎が着る黒の学ラン＋帽子のスタイルが有名。同作品に登場する制服は実際の学ランとは異なるデザインとなっており、キャラクターの個性を引き立てる独創的なスタイルが人気の要因の一つといえるでしょう。
海外からもアニメをきっかけに注目されている日本の学校制服。セーラー服やワンピース、学ラン、ブレザーなどさまざまなスタイルが存在するのも魅力の一つなのではないでしょうか。日本には制服のレンタルサービスもあるので、気になる制服スタイルがある人はぜひ試してみてください。
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