日本で「がんばれ(Ganbare)」は、普段のさまざまな場面でよく使われる言葉です。たとえば、スポーツの試合や試験に臨む人を応援するとき、困難に直面してくじけそうになっている人を励ますときなど。そのような「Ganbare」の意味や使い方や注意点、返事の仕方、会話例などを紹介します。ぜひ、日本語話者とのコミュニケーションにお役立てください。
「Ganbare」「Ganbatte」の意味は?
「頑張る(Ganbaru)」の命令形である「Ganbare」は、夢や目標などに挑戦しようとしている人を応援したり、困難に直面している人を励ましたりするときによく使われます。しかし、ほとんどの場面で命令形として使われることはなく、相手を応援する気持ちを伝えるために使われることが多い言葉です。
また、似た言葉で「がんばって(Ganbatte)」もあります。こちらはもっと表現が優しく、気持ちに寄り添いたい時に使いやすい言葉です。
ただし、頑張りすぎて心身ともに疲れている人に対して使う際は、気負わせないためにも注意が必要なことばでもあります。そういった場合には、「Ganbare」に代わる言葉を知っておくことが大切です。そのような言葉を使うことで、相手を応援し、励ましたいという気持ちを伝えることができます。
「Ganbare」「Ganbatte」の使い方
1.試合で味方を応援するとき
日本では日常で「Ganbare」を使うシーンはたくさんあります。そのひとつが、家族や友人、チームメイトが選手として戦うスポーツの試合での応援。試合会場や競技場で味方に対して、大声で「Ganbare」と叫びます。一方、オリンピックやサッカーのワールドカップなど、国の代表選手が戦う世界的なスポーツ大会では、多くの場合、自宅やスポーツバーなどでテレビ画面に向かって応援。その際の掛け声として「Ganbare! 〇〇」の○○に入るのが、応援する選手の名前や国名。特にオリンピックでは、「がんばれ!にっぽん(Ganbare! Nippon)」が合言葉のように使われます。一方、身近な試合で「Ganbare」の後に続く言葉は、自分の家族や友人、応援する選手などの個人名に加え、チーム名や学校名など。誰を応援しているのかが伝わるようにするのが一般的です。
2. 何かに挑戦しようとしている人や努力している人に使う
「Ganbare」「Ganbatte」は、これから入学試験や資格試験に臨む人や料理人になるために日々修行を続けている人など、夢や目標に挑戦しようとしている人にも使われる言葉です。ただし、この場合、スポーツの試合のときのように大声で叫ぶように応援するのではなく、穏やかに激励する気持ちで声をかけます。そうすることで、試験前や修行中のせっぱつまった心に寄り添い、元気づけることができるから。なお、「Ganbare」は大きな夢や目標といった特別なことにだけ使われる言葉ではありません。宿題をしたり、ピアノの練習をしたりといった日常的な努力に対してもよく使われます。
「Ganbare」と「頑張る(Ganbaru)」の違いは?
「Ganbare」は自分自身がくじけそうなときに自分に向かって使う人もいますが、多くの場合、自分以外の相手を応援したり、激励したりする際に使います。一方「頑張る(Ganbaru)」は、自分が困難な状況に陥っていたり、何かに挑もうとしたりする際に、自分以外の相手に対して決意表明のように使われることが多い言葉です。
「Ganbare」のひらがなの書き方は?
「Ganbare」は、日本語のひらがなで「がんばれ」と書きます。漢字で書かれることも多い言葉ですが、横に長い長方形の布に応援の言葉を書いて掲げられる横断幕や応援用のプラカードなどには、ひらがなで書かれることもしばしば。また、ひらがなで書くとラフなイメージもあり、親しい相手へのメールやメッセージアプリでは、あえてひらがなで書く人もたくさんいます。
「Ganbare」の漢字の書き方は?
「Ganbare」を漢字で書くと「頑張れ」と書きます。この漢字が正しいかどうかは、辞書や自治体の公用文作成基準を定めたものなどで意見が分かれており、一概に正しいとも間違っているともいえません。そのため、伝えたいイメージによって漢字を使うか使わないかを選ぶ人が多いようです。たとえば、力強さを表現したいときは漢字、やさしさや柔らかさを表現したいときはひらがなを使うなど。もし、どちらを使うか迷ったら、伝えたい気持ちによって使い分けるといいでしょう。
「Ganbare」への答え方
「Ganbare」といわれたとき、一般的に年上や先輩などの目上の人に対しては、「はい、がんばります(頑張る気持ちを伝える意味)」や応援へのお礼として「ありがとうございます(Thank youの意味)」と答えます。また、試合前の緊張した場面では、頷くだけでも、頑張る意志が伝わることもあります。
そのほか、自信がない場合や結果を出せるか不安なときは下記のような言い回しをします。
日本語 | ローマ字 | 意味 |
やれるだけやってみる | Yareru dake yatte miru | できる限り頑張る気持ちを表現 |
もう頑張れない | Mou ganbare nai | 頑張ることができない気持ちを表現 |
もう無理 | Mou muri | 無理である気持ちを表現 |
「Ganbare」の他の言い方は?
「Ganbare」は、さまざまな状況で使われる言葉のため、それぞれの状況に適した言い方があります。さらに、使う相手によっても丁寧な言い方やラフな言い方など、多彩です。ここでは、「Ganbare」のほかの言い方を紹介します。
応援する気持ちでかける言葉
日本語 | ローマ字 | 意味 |
がんばって | Ganbatte | Ganbareより優しいニュアンス |
がんばってください | Ganbatte Kudasai | Ganbareより丁寧な表現 |
応援してます | Ouen Shitemasu | 応援を伝える表現 |
応援してるよ | Ouen Shiteruyo | 応援を伝える表現 |
努力はうらぎらない | Doryoku wa Uragiranai | 努力をしている人を励ます表現 |
きっと勝てる | Kitto Kateru | 勝てる気持ちを伝える表現 |
励ますときにかける言葉
日本語 | ローマ字 | 意味 |
くじけないで | Kujikenaide | くじげないでほしい気持ちを伝える表現 |
きっとうまくいく | Kitto Umakuiku | 前向きな気持ちを表現 |
あなたなら大丈夫 | Anata nara Daijoubu | 励ます表現 |
お互いにがんばろう | Otagaini Ganbarou | 一緒に頑張る気持ちを表現 |
「Ganbare」以外の応援や励まし方
人を応援したり、励ましたりする際によく使われる「Ganbare」。そういった気持ちを表現するため、「Ganbare」という声掛け以外にさまざまな表現で気持ちを表します。それらの言葉や動作、行動を紹介します。
フレーフレー/Fre Fre
スポーツの試合で応援団やチアリーダーが発することの多い言葉と動作。応援団は力強く凛々しく叫び、チアリーダーはポンポンというフワフワとした玉を振ってリズミカルに応援する姿が一般的です。
がんばってるね/Ganbatteru ne
がんばっていることや努力していることを褒めたり、評価したりするさいに使う言葉。
ニッポン!チャチャチャ/Nippon Cha Cha Cha
バレーボールの国際大会などでの応援時の合言葉。細長い2本のバルーンを叩き合わせながら応援します。
成功をいのります/Seikouwo inori masu
夢や目標のために努力している人にかける、成功を祈る言葉。
「Ganbare」の方言
「Ganbare」は、首都圏を中心に多くの地域で使われている言葉です。どの地域でも「Ganbare」で通じますが、それ以外にもそれぞれの地方に根ざした方言はいくつもあります。ここでは、特徴的な方言をいくつか紹介します。
- 北海道、青森県、岩手県、秋田県:けっぱれ/Keppare
- 滋賀県、奈良県、宮崎県:きばれ/Kibare
- 大阪府:きばりや/Kibariya
- 京都府:おきばりやす/Okibari yasu
- 広島県:がんばりんさい/Ganbarinsai
- 福岡県:がんばらんね、がんばらんと/Ganbaranne,Ganbaranto
- 長崎県:きばれ、がんばらんば/Kibare,Ganbaranba
- 沖縄県:ちばりよー/Chibariyo
「Ganbare」会話例文集
① 試合に臨む友人を応援する場面の会話
A:がんばれよ/Ganbare yo
B:うん、ありがとう/Un, arigatou
A:練習の成果をみせてくれ/Renshu no seika wo misetekure
B:うん、がんばるよ/Un, ganbaru yo
② 入学試験に臨む息子と母親との会話
A:試験、がんばってね/Shiken ganbatte ne
B:うん/Un
A:これまでの努力は裏切らないから、大丈夫/Koremadeno doryoku wa uragiranai kara daijoubu
B:うん、やれるだけやってみる/Un, yareru dake yatte miru
③ 夢の実現のため留学する友人への激励
A:夢に向かってがんばれ/Yume ni mukatte ganbare
B:うん、がんばってくる/Un, ganbatte kuru
A:でも、無理はしないで/Demo, muri wa shinaide
B:うん、ありがとう/Un, arigatou
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