日本では、コインロッカーは駅構内や主要観光名所の入口などに設置されていることが多く、最近ではアプリで事前予約できたり、開閉をアプリで行い鍵いらずになったりと、進化したコインロッカーが誕生しています。また、有人カウンターなどへ手荷物を一時的に預けるサービスも増え、ますます便利になっています。
そこで当記事では、コインロッカーの種類、サイズ、使い方といった基本情報や、手荷物一時預かりサービスについて、紹介します。
日本の「コインロッカー」と「一時荷物預かりサービス」の違いは?
日本では、一般的にコインロッカーは、現金の小銭かキャッシュレスのロッカーもあります。サイズ固定のロッカーに指定の時間内に荷物を預けることができ、一部日を跨いで使用可能なロッカーもあります。また、近年は、ネット上やスマホアプリで事前予約が可能になる機能も提供しています。駅構内、駅改札周辺、人気アミューズメントスポットや観光名所の入口付近や園内各所、大型ショッピングモールやアウトレットモールなどに設置されています。
一方、一時手荷物預かりは、空港・駅・観光スポット周辺の商業施設等で、スタッフに手荷物を一時的に預け、観光後に利用者が同じ場所でピックアップが可能となるサービスです。店舗の営業時間内に荷物を預けるかつピックアップしないといけないので、時間を気にする必要があります。
それ以外、「JAPAN Hands-Free Travel」という手ぶらで観光サービスがあります。荷物を空港からホテルや観光スポットまで配送、またはホテルから空港など、日本到着時・帰国日に利用したい荷物配達サービスです。日本国内旅行の際には、荷物を次の日に別の場所・宿泊施設で受け取りたい場合などは、荷物宅配サービスがおすすめです。遠距離の移動に手ぶらで観光できます。
日本のコインロッカーの使い方
コインロッカーには大きく分けて「カギ式」のコインロッカーと、キーレスタイプの「タッチパネル式」のコインロッカーの2種類があります。近年、駅構内に設置されているコインロッカーは、後者が主流です。
支払い方法について、カギ式のコインロッカーは100円玉の利用が一般的。タッチパネル式のコインロッカーによっては、PASMOやSuicaなどの交通系ICカードでの支払いが可能な場合もあります。
①カギ式の場合
- 1. カギがついているコインロッカーを探す
- 2. 荷物を入れて扉を閉める
- 3. 適切な料金を投入口に入れる(取り出すときに支払う場合もある)
- 4. 鍵を回してロックする
- 5. 荷物を取り出す際に鍵を回して扉を開ける
②タッチパネル式の場合
荷物の預け方は、カギ式のコインロッカーと使い方はほぼ同じです。
- 1. 緑の光が付いているロッカーを探す
- 2. 荷物を入れて扉を閉める
- 3. タッチパネル画面の案内に従って、「ロッカー番号」と「支払い方法」を選択してから支払う ※
- 4. 現金で支払う場合は、取り出し用の暗証番号が印字されるレシートが出る
- 5. 荷物を受け取る際に、レシートに記載した暗証番号を入力するか、ICカードを再度ICパッドにかざすと、ロッカーの鍵が解除される
※荷物を取り出す前かその後の場合もある
日本のコインロッカーのサイズと料金
通常、小型、中型、大型、特大の4種類あります。4種類揃っているコインロッカーは稀で、一部の種類のみのことが多いです。
目安サイズ | 小型 | 中型 | 大型 | 特大 |
サイズ※ | 約200~400mm×340mm×570mm | 約550mm×340mm×570mm | 約840mm×340mm×570mm | 約1,030mm×340mm×570mm |
料金 | 約300円~ | 約400円~ | 約500円~ | 約600円~ |
例 | 手持ちバッグやリュックサック、エコバッグなどに相当 | キャリーバッグ、大きめの旅行鞄などに相当 | スーツケースなどに相当 | キャリーバッグ2つ、スーツケースとバッグに相当 |
飛行機に乗る際の取扱荷物 | 機内持ち込み手荷物 | 預け荷物 | 預け荷物 | 預け荷物 |
※高さx横x奥行き。設置場所などによって異なります
ここからは、コインロッカーや一時荷物預かりを提供しているサービスを4つピックアップし、それぞれの概要、特徴、利用料金、営業時間などを紹介します。
①マルチエキューブWEB:4つの機能が備える新しいロッカーサービス
「To Locca」はJR 東日本グループが展開している、あらかじめ日時を指定してコインロッカーを予約できるサービス。専用サイトで希望のコインロッカー場所・日時・サイズを検索するだけで、ロッカーの空き情報が表示され、そのまま予約できます。関東エリアのJR駅周辺に点在していますので、鉄道を利用した移動の際にも便利なサービスです。
しかし、「To Locca」のサービスは2025年1月16日をもちまして終了しました。替わりに新しいサービスとして「マルチエキューブWEB」がオープンしています。「マルチエキューブWEB」は、「To Locca」今まで通りのロッカー予約だけではなく、ロッカーに預けた荷物を即日ホテルへ配送する「ロッカーホテル即配サービス」や、ロッカーに宅配荷物を預け入れ、利用者が指定したく場所にお届けする「ロッカーどこでも配送サービス」も提供しています。予約・預入・受取・発送、4つの機能を1台で活用できる新しいロッカーです。
サイズ&基本料金(ロッカーサービス)
SSサイズ | Sサイズ | Mサイズ | Lサイズ | |
サイズ | 約150mm×340mm×650mm | 約330mm×340mm×650mm | 約500mm×340mm×650mm | 約860mm×340mm×650mm |
基本料金※ | 約300円 | 約500円 | 約600円 | 約800円 |
※予約機能を使用する場合は、別途予約料金500円がかかります。
※一部異なる場合あり
利用方法
- 1. 登録する:メールアドレスやお支払い方法などの会員情報を登録
- 2. 検索・予約する:利用期間・ロッカーサイズ・利用するロッカーの場所を選択し、予約する
- 3. 予約を確定する:利用日の朝、予約番号・QRコードをWEBサイト上・メールにてお知らせする
- 4. 荷物を預ける:
①予約したロッカーの操作パネルで「予約預入」を選択する
②予約番号を入力するか、QRコードをかざしてロッカーを解錠する
③荷物を入れて扉を閉める
④レバーを下げてロックする - 5. 取り出す:
①荷物を預けたロッカーの操作パネルで「予約預入」⇒「(マルチエキューブのロゴの)預ける・送る」⇒「取り出す」を選択する
②予約番号を入力するか、QRコードをかざしてロッカーを解錠する
概要
- 名称:マルチエキューブWEB (To Locca)
- サービス内容:ロッカー、(荷物配送サービス)
- 言語対応:英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語
- 営業・収納時間:初電~終電(ロッカーの営業時間は施設の事情により変更となる可能性がありますのでご注意ください)
- 主な設置エリア:関東エリアを中心に展開しています。特に東京都内のJR駅、他にも横浜駅、鎌倉駅、熱海駅など
- HP:https://info.multiecube.com/
②SPACER:事前予約可能のキャッシュレスのコインロッカー
スマートフォンの専用アプリを使い、空き状況の確認・利用予約・キャッシュレス決済が可能になるサービスです。鍵はなく、スマホで開け閉めになり、URLを使って鍵の共有を可能にし、荷物の受け取りや商品の発送もできます。
電話番号の入力が必要。SMSに認証コードが受け取った後、登録する流れのため、日本の電話番号を所有している人に限り登録可能。コインロッカーには専用アプリでの利用以外に、タッチパネル式もあり、会員登録不要なので外国人旅行者も利用できます。タッチパネル式の支払いは、交通系ICカードのみ(現金不可)。
サイズ&基本料金
小サイズ | 中サイズ | 大サイズ | |
サイズ | 約330mm×570mm×210mm | 約330mm×645mm×525mm | 約330mm×570mm×808mm |
180分ごとに | 300円 | 400円 | 600円 |
24時間最大料金 | 900円 | 1,200円 | 1,800円 |
※最初に1時間0円
※一部異なる場合あり。上記は「西武新宿駅 正面口」の場合
利用方法
- 1. 登録する:専用アプリをダウンロードし、登録
- 2. 予約する:アプリの「マップ」を開き、予約したいロッカーを選択し予約
- 3. 荷物を預ける:
①荷物をロッカーに入れる
②スマホのアプリで「目の前のロッカーを使う」を選択する
③荷物を入れたロッカーの番号を入力する - 4. 取り出す:
①ロッカーの前でアプリを開き、「決済してロッカーを開ける」をクリックする
②支払う
③「ロッカーを開ける」ボタンを押し、スライドして鍵を開ける
概要
- 名称:SPACER
- サービス内容:ロッカー
- 言語対応:英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語
- 営業・収納時間:場所により異なる。24時間稼働する場所もあれば指定された時間までの場所もある。詳しくは専用アプリで確認しましょう。
- 主な設置エリア:東京、大阪、名古屋、福岡など
- HP: https://spacer.co.jp/
③ecbo cloak:店舗に預ける!事前予約可能の荷物預かりサービス
コインロッカーのかわりに、旅行の荷物などを、駅近くの店舗の空きスペースに預けることができるサービス。店舗の種類はカフェ・ゲストハウス・コワーキングスペース・シェアオフィス・カラオケ店・漫画喫茶・着物レンタル店・神社などさまざま。アクセスの良い店舗や24時間営業店舗なども多数提携しています。
オンライン上で預け場所の事前予約可能で、スーツケースサイズを選べば、楽器やスポーツ用品、ベビーカー、折りたたみ自転車など、通常コインロッカーに入らないサイズの大型荷物も預かり可能になります。
また、荷物の紛失、破損、盗難等、万が一に備え最大10万 円までの補償付き。ただし貴重品等の預けは禁止されています。
サイズ&基本料金
バッグサイズ | スーツケースサイズ | |
サイズ | 最大辺45センチ未満(リュック、ハンドバッグ、手荷物など) | 最大辺45センチ以上(スーツケース、ベビーカー、バックパックなど) |
通常料金(1日) | 500円 | 800円 |
※店舗によって料金が異なる場合あり
※通常店舗の場合:店舗の営業時間をまたぐと2日目計算になります
※24時間営業店舗の場合:チェックイン日時から24時間をまたぐと2日目計算になります
利用方法
- 1. 登録する:専用サイトでユーザー登録後、マップ上で荷物を預けたい店舗を探す
- 2. 予約する:荷物を預けたい日時と引き取りたい日時、預ける荷物数を指定して予約する
- 3. 荷物預ける:
①予約した店舗に荷物を持参
②スタッフに「アプリ内の予約内容画面」、または「ご予約確認メール」をスタッフに提示
③スタッフが荷物の写真を撮って予約ページにアップロードする - 4. 取り出す:ピックアップする際は、スタッフに預けた荷物の写真などを見せ、荷物を受け取り
概要
- 名称:ecbo cloak
- サービス内容:荷物預かり
- 言語対応:英語、中国語(繁体字)
- 営業・収納時間:預け場所により異なる
- 主な設置エリア:都市部を中心に日本全国1,000箇所以上。東京、大阪、京都、福岡、名古屋、札幌など、北は北海道から南は沖縄まで
- HP: https://cloak.ecbo.io/ja
④Bounce:ネットで事前予約可能の荷物預かりサービス
ecbo cloakと同様、コインロッカーではなく、店舗に荷物を預けることができるサービス。また、同じく事前にアプリで予約でき、店舗の空き状況も簡単に確認できます。ecbo cloakに比べると、日本だけでなく世界でも展開。その数4,000以上の都市、15,000以上のスポットで手荷物一時預かりが可能というのが特徴です。他の国で使ったことありましたら、日本でも安心に利用できますね。
また、24時間対応しているカスタマーサポートがあります。コインロッカーのように場所を探す手間もなく、安全に荷物を預けることができるので、観光や出張の際にとても便利です。
サイズ&料金
サイズについて:
- 3種類に分けています:小型サイズ(ハンドバッグ、トートバッグ)、通常サイズ(スーツケース、バックパック)、特殊サイズ(サーフボード、自転車、ゴルフバッグ)
荷物預かりの料金について:
- 荷物サイズと預かる場所とより異なる。目安料金は400円~。
- 時間単位ではなく、24 時間ごとに計算されます。(数時間でも1日でも、料金は同じ)
利用方法
- 1. 予約する:専用サイトやアプリで利用したい店舗と日時を指定し事前予約
- 2. 荷物を預ける:
①予約した店舗に荷物を持参
②確認書を店舗スタッフに提示する
③店舗スタッフに荷物の写真を撮ってもらえば完了 - 3. 取り出し:確認書を店舗スタッフに見せて荷物を受け取る
概要
- 名称:Bounce
- サービス内容:荷物預かり
- 多言語対応:英語、中国語(簡体字)、韓国語など14ヵ国
- 営業・収納時間:場所により異なる
- 主な設置エリア:東京、横浜、大阪、京都など
- HP: https://usebounce.com/ja
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