日本の舞台芸術は、美しい演出や情感あふれるパフォーマンスで多くの人々を魅了しています。しかし、初めて観劇に挑戦する方にとっては、チケットの購入方法や観劇マナーなど、知っておきたいことが多く感じられるかもしれません。この記事では、チケット購入の流れから劇場での基本マナーまで、初心者にもわかりやすく解説します。日本の舞台観劇を存分に楽しましょう!
舞台、ステージのチケットの販売種類。「先行販売」と「一般販売」とは?
舞台やステージのチケット購入には、大きく分けて「先行販売」と「一般販売」の2つの方法があります。それぞれの特徴を理解しておくと、スムーズにチケットを手に入れやすくなります。
先行販売
先行販売は、一般販売よりも早い時期に行われるチケット販売の方法です。この販売は、特定の条件を満たした方を対象に行われます。劇場先行、出演者先行、プレイガイド先行など、種類はさまざま。
- 対象者:プレイガイドの有料会員や、主催劇場、出演者のファンクラブ(FC)会員が主な対象です。
- 販売形式:多くの場合、抽選方式で販売されますが、先着順で購入できる場合もあります。
- メリット:一般販売よりも早いタイミングで人気公演のチケットを手に入れるチャンスがあります。
- 注意点:人気公演では、先行販売でもチケットが即完売することがあるため、申し込み開始日を忘れないようにしましょう。
一般販売
一般販売は、誰でも購入可能な方法で、先行販売の終了後にスタートします。
- 対象者:一般の観客
- 販売形式:基本的に先着順で行われます。人気作品の場合、販売開始直後に売り切れてしまうこともあるため、早めのアクセスが重要です。
- メリット:有料会員になる必要がなく、誰でも購入可能です。
- 注意点:購入サイトへのアクセスが集中し、繋がりにくくなる場合があります。また、プレイガイドによっては、購入枚数に制限があることがあります。
舞台、ステージのチケットの購入方法
先行販売で購入する場合
1.「劇場先行」の抽選
「劇場先行」とは、公演を行う劇場やその運営団体が主催する、早い段階で行われる先行販売です。抽選制が一般的で、申し込み期間内に劇場の公式サイトにアクセスし、希望の公演を選んでエントリーします。
例えば、東宝ナビザーブでは、「先行先着販売」と「先行抽選エントリー」の2種類の方法があります。
- 先行先着販売:先行期間内に先着順でチケットをすぐに購入できる販売方法です。申し込みの早さが重要です。
- 先行抽選エントリー:先行期間内に抽選にエントリーする方法で、申し込みの順番は当選に影響しません。当選すれば購入が可能です。
2.「出演者先行」の抽選
出演者のファンクラブ(FC)会員向けに行われる先行販売です。抽選制が一般的で、ファンクラブ会員限定サイトや専用ページから申し込みます。販売開始時期が最も早いことが多いのは特徴です。当選したらメール等で連絡が来るので、案内に従って購入をします。
ファンクラブに入会すると、コンサートや舞台のファンクラブ先行抽選にエントリーできる以外、会員限定のコンテンツを閲覧できる、会報誌やニュースレターが届くなど特典があります。
ただし、一部のファンクラブでは、会員が日本国内に居住していることを入会条件とする場合があります。
3.「プレイガイド先行」の抽選
プレイガイドとは、コンサート、演劇、スポーツイベントなどのチケットを、主催者の代わりに販売するサービス、またはその事業者のことを指します。
プレイガイド先行の抽選は会員登録が必要で、抽選制または先着制の場合があります。全国規模で販売するため、応募者数が多く、競争率が高い傾向にあります。一方、複数のプレイガイドで同時に実施されることが多く、チャンスが広がります。
プレイガイド先行が当選したら連絡がくるので、提示される支払方法に沿って入金します。
主なプレイガイド
- チケットぴあ: https://t.pia.jp/
- ローソンチケット: https://l-tike.com/
- イープラス: https://eplus.jp/
一般販売で購入する場合
1. プレイガイドや公式サイトで購入
プレイガイドや公式サイトでの一般販売は、誰でも購入できる一般的な方法です。会員登録すれば、パソコンやスマートフォンから、どこでもチケットを購入できます。クレジットカード、コンビニ払いなど、様々な支払い方法に対応しています。座席指定の公演では、希望の座席を選べる場合があります。
ただし、人気公演の場合、発売開始と同時に売り切れてしまうことも珍しくありません。チケット代金とは別に、システム利用料や手数料がかかる場合があります。
2. 劇場の窓口で購入
劇場の窓口(チケットカウンター)で直接購入する方法です。スタッフに相談しながら購入できるうえ、手数料がかからない場合が多いです。
初日や千秋楽などの人気公演では混雑が予想され、チケットが完売することもあります。窓口での購入が必要な場合は事前に状況を確認しましょう。
3. コンビニで購入
ローソン、セブン-イレブンなどのコンビニにあるマルチコピー機で購入できます。いつでも気軽に購入できるのが大きなメリットで、クレジットカードを持っていない場合、現金で支払うことができます。
ただし、操作が複雑や英語に対応していない機械もあるため、難しいと感じる人もいるかもしれません。
4. 電話で購入
公演によりますが、電話でチケットを予約できることもあります。劇場や販売サイトに記載された番号に電話し、希望する公演や日時を伝えます。
人気公演では、電話が繋がりにくい場合があります。また、電話窓口が日本語のみ対応している公演も。
チケットが売り切れていたら?「公式リセール」「当日券」で購入を!
チケットが売り切れてしまった場合でも、諦めるのまだ早い!公演ギリギリになりますが、チケット購入できる可能性があります。
「公式リセール」で買う
多くのイベントでは、公式リセールと呼ばれるサービスが実施されています。公式リセールとは、チケットを購入した人が、やむを得ない事情でイベントに参加できなくなった場合に、そのチケットを公式に買い戻し、他のファンに販売するシステムです。
公式のサービスなので安心なのですが、リセールに出されるチケットの枚数は限られています。人気の公演では、抽選になったり手数料がかかったりする場合があります。
「当日券」で買う
当日券とは、公演当日、会場のチケット売り場で販売されるチケットのことです。事前にチケットを購入できなかった場合でも、当日券を購入することで観劇することができます。
ただし、販売枚数は限られているうえに、人気の公演では、開場前から長蛇の列ができることがあります。残席が少ない場合、希望の座席を選べない可能性があることも留意しておきましょう。
海外からもチケット購入は可能?
先行販売やファンクラブ先行抽選では、会員登録が必須となることがほとんどです。登録には、日本国内の住所や電話番号が必要な場合があり、海外在住者にとっては登録が難しいケースもあります。
一方で、一般販売の場合、プレイガイドサイトでは海外からチケットを申し込むことが可能な場合もあります。また、英語対応のサイトも増えており、海外在住者でも比較的利用しやすくなっています。
ただし、海外発送に対応していないことが多いため、電子チケット対応の公演や、日本国内でのチケット受け取りが必要な場合があります。購入前に、利用条件や受け取り方法を必ず確認しましょう。
海外からチケット購入できるサイト:
- チケットぴあ: https://sell.pia.jp/inbound/eventList.php?list=english
- ローソンチケット: https://l-tike.com/(言語を切り替えすると、一部のサービスしかご利用できません。)
- イープラス: https://ib.eplus.jp/index.php
チケット購入後の受け取り方法
1. QRコードチケット(電子チケット)
近年増加しているのが、QRコードを利用した電子チケットです。スマートフォンや専用アプリでQRコードを表示し、入場時にスキャンしてもらう形式です。紙のチケットが不要で、紛失の心配がありません。チケットの購入や受け取りが簡単で、海外在住者にも対応している場合があります。
紙チケット(郵送)
従来の形式で、チケットが自宅や指定住所に郵送されます。物理的に手元に残るため、記念品としても保管できます。
紙チケット(コンビニ発券)
購入後、コンビニの端末を利用してチケットを発券する方法です。最寄りの店舗で簡単に受け取れるため手間がかかりません。購入から発券までの期限が比較的柔軟です。
初心者でも安心!日本の観劇マナーまとめ
舞台やステージを楽しむためには、他の観客や出演者に配慮したマナーを守ることが大切です。観劇の際に気を付けたいポイントを以下にまとめました。
1. 携帯電話の電源をOFFにする
観劇中の携帯電話の音や振動は、他の観客や出演者に迷惑をかける原因となります。劇場に入る前に必ず電源を切りましょう。
2. 背もたれに背中をつけて観劇する
椅子の背もたれにきちんと背中をつけて座ることで、後ろの方の視界を妨げないようにしましょう。過度に前かがみになったり、荷物を座席周辺に置いたりするのは避ける方がトラブルになりにくいです。
3. 公演中に話さない
公演中のささやき声やおしゃべりは、他の観客や出演者の集中を妨げる原因となります。会話は公演の前後や休憩時間に楽しみましょう。
4. 公演中の飲食・写真撮影・録音は禁止
多くの劇場では、公演中の飲食、写真撮影、録音は厳禁とされています。劇場のルールを確認し、これらの行為を控えることで、演出の雰囲気を壊さないようにしましょう。
5. 途中入場・途中退場は控える
公演中の入場や退場は、他の観客や出演者に迷惑がかかります。やむを得ない事情がある場合は、劇場スタッフに相談し、指示に従いましょう。
6. 周りの邪魔にならない服装を心がける
観劇の際は、帽子や大きな髪飾りなど、後ろの方の視界を遮らない服装を心がけましょう。また、強い香水は他の観客の迷惑になることがあるため、控えめにするのが望ましいです。
7. 拍手やのタイミングを意識する
基本的に、拍手は曲の歌い終わりや演技の一区切りがついたタイミングで行うのが一般的です。また、カーテンコールやスタンディングオベーションもあります。ただし、場面によっては拍手をしてよいのか迷うこともあるでしょう。不安な場合は、周囲の観客の動きをよく観察し、場の雰囲気に合わせて拍手をすることがおすすめです。拍手は出演者への感謝や賞賛の気持ちを伝える行為なので、適切なタイミングで行うことで、より心地よい観劇体験が得られるでしょう。
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