「節分」は、季節の変わり目に邪気を払って福を招く日本の伝統行事。豆まきや恵方巻きなどの風習が広く知られています。この記事では、節分の起源や由来、歴史から、豆まきの意味や正しい豆まきのやり方、そして節分に欠かせない食べ物まで詳しく解説します。現代の楽しみ方も紹介していますので、参考にしてみてください。
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節分とは?いつ?何をする?行事や由来を分かりやすく説明
節分とはどんな行事?由来は?
「節分」とは毎年2月3日頃に行われる日本の伝統行事です。本来は「四季が移り変わる節目」という意味なので、年に4回訪れる立春・立夏・立秋・立冬の前日のことを指していました。それがいつしか、立春の前日のみを指すようになったのです。
立春は旧暦でお正月にあたるため、かつての日本では特に重要視されていました。1年で最も重要な季節の節目である立春の前日に、悪いものを追い出し、縁起の良いものを食べて、新しい年を迎えようという意図で行われてきた行事なのです。
節分の日はいつ?毎年2月3日?
実は、節分は必ず毎年「2月3日」と決まっているわけではありません。「立春の前日」とされているので、年によって2月2日だったり2月4日だったりする場合もあります。下記を参考にしてみてください。
- 2025年は2月2日(日)
- 2026年は2月3日(火)
- 2027年は2月3日(水)
- 2028年は2月3日(木)
- 2029年は2月2日(金)
節分では何をする?
1.豆まき
節分行事の代表といえば豆まき。鬼は目に見えない災いの象徴で、昔は病気や災害などは鬼の仕業だと考えられていました。鬼を退治して厄災を取り除くという目的で、今も日本各地で豆まきが行われています。
2.柊鰯、焼い嗅がし
節分には焼いて臭いを強くしたイワシの頭を柊の枝に刺して玄関先につける「柊鰯(ひいらぎいわし)」、または「焼い嗅がし(やいかがし)」という風習もあります。鬼はイワシの生臭い匂いと、柊のトゲトゲした葉が苦手と考えられていたためです。
地方によっては他のものを刺したり、イワシの身の部分を行事食として食べたりするところもあります。
3.恵方巻き
「恵方(えほう)」とは年神様がいるとされる縁起の良い方角のこと。年によって方角が変わります。
節分にその年の恵方を向いて太巻きを食べる風習は「恵方巻き」と呼ばれています。太巻きは日本で信仰される七福神にちなんで7種の具を入れることが定番ですが、特に具の詳細までは指定されていません。
福を逃さないよう太巻きは切らずに食べることが推奨されており、頭の中で願い事を唱えながら黙って食べきると願いが叶うといわれています。
節分の起源と歴史
節分の鬼とは?お多福との関係は?
記事内で紹介した通り、節分の鬼とは災いの象徴。鬼は、日本古来の方角の呼び方で「丑寅(うしとら)」、つまり東北の方角からやって来るとされており、そのために一般的に描かれる鬼の姿は「牛の角」と「虎の牙」を持ち、「虎皮の服」を着ています。
また、節分で鬼と一緒に描かれることの多い「お多福(おたふく、お福・おかめ)」については、伝統芸能である狂言の演目に出てくる、お多福の優しさによって鬼が改心するというストーリーが起源と考えられます。それが、豆まきの時に唱える「福は内!」の福の神のイメージにつながり、セットで描かれるようになったのでしょう。
節分と豆まきの由来
もともと、節分と鬼を追い払う行事は全く別物でした。
豆まき行事の成立に影響を与えたと考えられているのは、「追儺(ついな)」という儀礼です。中国で古くから行われていたもので、日本でも平安時代に宮中で大晦日の行事として取り入れられたと伝わっています。
このイラストに描かれているのは、現在も一部の寺社の「追儺」に鬼として登場しているもの。実はこれは元は鬼ではなく、鬼を追い払う「方相氏(ほうそうし)」という呪師だったのですが、その恐ろしい姿から次第に鬼だと誤解されるようになってしまったそうです。そのため、現代の日本に残る「追儺」の儀礼では、「方相氏」が鬼として追い払われる形式が残ってしまっています。鬼を追い払ってくれる人間の味方だったはずなのに、なんだか気の毒ですね・・・。
ともかく、鬼を追い払う儀式は寺社へと受け継がれ、全国に広まり、民間の間でも豆まきという形で定着しました。
豆まきの意味とは?
豆まきが始まった時期は正確には分かっていませんが、約600年前の室町時代頃の文献には「鬼は外、福は内」と唱えながら豆まきしていたことが書かれているようです。そして江戸時代になると、人気の歌舞伎役者による豆まきイベントのような現代にも通じる催しが開かれるなど、広く民間でも行われるようになりました。
現在の節分では豆まきに大豆を使うのが一般的ですが、もともと中国の追儺やかつての日本では米など別の穀物を使用していたようです。
大豆が使われるようになった背景は諸説ありますが、大豆が米に次いで神聖な穀物であることや、まいた時の音が大きいため、鬼を追い払う力が大きいと考えられたともいわれています。
また煎った大豆を使うのは、まいたのが生の豆だった場合、拾い忘れたものから芽が出ると「邪気が芽生える」として縁起が悪いと考えられたためだそうです。
恵方巻きの意味と歴史
その年の恵方、つまり縁起の良い方角を向いて太巻きを食べる風習「恵方巻き」。コンビニや飲食店などでも毎年販売されるようになりましたが、実はこれほど一般的になったのは2000年代に入ってからのこと。もとは関西を中心とした一部地域の風習だったのですが、大手コンビニチェーンが大々的に販売するようになり、一気に日本全国へ広まりました。
一時期、売れ残った大量の恵方巻きが処分される様子が報道され、社会問題にも発展したほど。現在は多くのお店が受注販売を中心に行うなど、フードロス削減への取り組みも進んでいます。
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節分の楽しみ方
豆まきの正しいやり方は?
では、実際に豆まきをやる正しい作法の一例をご紹介します。
1.用意するもの
煎った大豆(煎り豆として売っているものでも可)、桝、鬼やお多福のお面
2.福豆を神棚にお供えする
日中のうちに福豆(煎り大豆)を升に入れ、神棚にお供えしておく。神棚が無い場合は目線より高い場所に真っ白な紙を敷いて置いておくのでもOK。
3.まずは「鬼は外!」
夜になったら部屋の窓を開け、「鬼は外!」と外に向かって豆をまきます。その後、鬼が戻ってこないようすぐに窓を閉めます。
マンションなどの集合住宅や都市部に自宅がある場合は、まいた豆を掃除するか、小袋入りの豆を使って回収しやすくするとよいです。
4.続いて「福は内!」
窓を閉めたまま、「福は内!」と室内に向かって豆をまきます。奥の部屋から順にまいていくという説があったり、また恵方からまくと良いという説や、恵方に向かってまくと良いという説があったりしますが、そこまで厳密な決まりではないようです。
5.年の数だけ豆を食べる
まき終わったら、それぞれ自分の年齢の数、あるいはそれに1つ加えた数の豆を食べます。こうすることで、その年の無病息災を祈ります。
もし豆を食べきれない場合は、梅干しや昆布などと一緒に煎茶に入れて「福茶」を飲むことでも代用できるそうです。
恵方巻きの食べ方は?2025年の方角は「西南西」
2025年の恵方は「西南西」です。
恵方巻きについてはシンプルで、七福神に見立てた好きな7種類の具材を入れた太巻きをその年の恵方に向かって、願い事を頭の中に思い浮かべながら丸かじりするだけ。もちろん、購入したものでもOKです。
節分に食べる料理は?
恵方巻きがもともと関西地方の食文化であったように、その他イワシ料理、節分そば、けんちん汁などを食べる地域もあるようです。
現代の節分の楽しみ方は?
100円ショップはもちろん、インテリア雑貨店などでも季節の行事を楽しむためのグッズが多く販売されています。かわいくリーズナブルな節分グッズが購入できるお店をご紹介します。
・3COINS
生活雑貨やインテリア雑貨、モバイルアイテムにキッズアイテムなど、様々な商品が 300 円(税抜き)を中心に揃う「3COINS(スリーコインズ)」では、例年、節分グッズも販売されます。飾って楽しめるオブジェやタペストリーのほか、鬼のウィッグや衣装を大人用、キッズ用、ペット用などとバリエーション豊かに展開。くすんだ色合いがインテリアに馴染みやすく、おしゃれと毎年好評です。
2025年は1月11日(土)発売予定。発売日当日は、事前抽選に当選した人が優先入店・購入できることになっているのでご注意を。公式通販サイトでも販売されます。
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・100円ショップ
DAISOやSeriaなどの100 円ショップでは、お正月が終わってすぐの1月初旬頃、節分豆をはじめ、節分のディスプレイや鬼のコスプレグッズまで、様々なアイテムが店頭に並びます。
中でも、手のひらサイズの小さな鬼とおかめのお面は、飾ったり、赤ちゃんに着けさせたりと写真映えもバッチリです。
全国のおすすめ節分イベント
続いて、節分を楽しめる全国のユニークなイベントをご紹介します。
【東京】浅草寺 節分会(せんそうじ せつぶんえ)
江戸時代から続く浅草寺の節分会ですが、現在はその年に干支(えと)の年を迎えた人による豆まきが主な行事となっています。豆まきは本堂東側に設けられた特設舞台で行われており、「(浅草寺で祀られている)観音さまの前には鬼はいない」という解釈から、「鬼は外」とは言わず「千秋万歳福は内(せんしゅうばんらいふくはうち)」というかけ声が特徴です。そのほか、「福聚の舞(七福神の舞)」が披露されたり、浅草ゆかりの芸能人による豆まきなどが行なわれたりなど、多くの参拝者で賑わいます。
- 開催期日:2025年2月2日(日) お練り開始時間 午前の部 11:45頃~(法要は12:00~)、午後の部 13:45頃~(法要は14:00~)
- 参加費:無料
※天候によりお練りは中止、荒天の場合は豆まきも中止の場合あり
【千葉】成田山新勝寺 節分会(なりたさんしんしょうじ せつぶんえ)
大相撲力士や多くの著名人が参加して大本堂前で豆をまく「特別追儺豆まき式」は、毎年テレビのニュースなどでも取り上げられる有名イベントです。参加費を支払って誰でも参加できる「開運豆まき」もあり、時間を分けてそれぞれ1日3回ずつ、計6回行われ、1年の開運招福を祈願します。
豆まきのかけ声は、一般的な「鬼は外」ではなく「福は内!福は内!」のみ唱えるのも特徴。これは新勝寺で祀られている不動明王の慈悲の前では、邪悪な鬼も改心してしまうからだそうです。
- 開催期日:2025年22月22日(日) ※豆まきは 1日計6回予定
- 参加費:開運豆まき1万円
- 公式サイト:https://www.naritasan.or.jp/
【三重】おかげ横丁 節分の市(おかげよこちょう せつぶんのいち)
伊勢神宮内宮を出てすぐの鳥居前町にある門前町の中程、江戸時代末期から明治時代初期の町並みを移築・再現したおかげ横丁では、毎年恒例の節分の市が開催されます。おかげ横丁オリジナル桝付きの節分豆など縁起物の販売や七福神めぐりのスタンプラリーのほか、節分当日には豆まきなどイベント催し満載。飲食店では節分限定料理も提供されます。
- 開催場所:おかげ横丁
- 所在地:三重県伊勢市宇治中切町52
- 開催期日:2025年1月25日(土)~2月2日(日)10:00~17:00
- 料金:無料(有料イベントあり)
- 公式サイト:https://okageyokocho.com/https://okageyokocho.com/main/2024/01/12/setsubun/
【大阪】通天閣節分福豆まき(つうてんかくせつぶんふくまめまき)
国の有形文化財に登録されている大阪のランドマークタワー「通天閣」では、1957年から豆まきイベントが開催されています。特製の福豆袋に入った落花生は計1000袋(重さ約15kg)。毎年各方面で活躍する人が招かれ、地上94.5メートルの屋外の展望台や1階ステージなどで「鬼は外、福は内」と声をかけながら福豆がまかれます。
- 開催期日:2025年2月1日(土) 9:30~
- 参加費:無料
- 公式サイト:https://www.tsutenkaku.co.jp/
節分や豆まきの由来や歴史を学んで、豆まきや恵方巻き、そしてイベントに参加するなど、節分行事を楽しんでみてくださいね!
参考文献:
田中宣一・宮田登 編『三省堂年中行事事典 改訂版』初版,三省堂,2012,全458ページ
新谷尚紀 監修『和のしきたり 日本の暦と年中行事』初版,日本文芸社,2007,全238ページ
三浦康子 監修『季節を感じて日々を楽しむ くらし歳時記』初版,成美堂出版,2024,全191ページ
吉海直人『角川選書 暮らしの古典歳時記』初版,KADOKAWA,2020,全212ページ
国会図書館『本の万華鏡』最終アクセス2020/9/1. https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/21/1.html,(参照日2024/12/10)
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