日本のジェスチャーやハンドサイン24選。海外と意味の違いはある?

手や指を動かし、自分の意志や今の気持ちをその場にいる人に伝えることができる「ハンドサイン」や、言葉を使わず、身体の動きや表情を使って意思や感情を伝える「ジェスチャー」は、自分の意思を瞬時に相手に伝えることができ、とても便利です。しかし、地域、エリアによって違いがあり、その違いを知らないでいると、戸惑ったり、驚いたりすることもあるかもしれません。そこで当記事では、日本人がよく使うジェスチャー&ハンドサインの意味・使い方などをご紹介します。

(1)OKサインやジェスチャー

1-1. 人差し指と親指で円を作る

人差し指と親指で小さな円を作るハンドサインは日本では、相手の意見や提案などを肯定する「OKサイン」として、よく使われています。例えば、「〇〇して良いですか?」と許可を求められたときに、「OKです」、「大丈夫です」などと口にしながら、このハンドサインをします。目の上の人に対してや公の場では使いません。

1-2. 両手を挙げて丸を作る

両手を挙げ、頭の上でつなげ、大きな丸を作る動作も「OK」を意味します。特に、意思を伝えたい相手が遠くにいて、声が届きにくいときに使われます。

1-3. 首を縦に振る

首を縦に振るジェスチャーも、相手に同意したいときや理解していることを示すときに使うジェスチャーです。首を縦に振りながら、「うん、うん」、「そうだよね」、「私もそう思います」といった言葉を口にすることが多くあります。

1-4.解答が正解の場合は〇印

学校などで行われる試験の答案用紙に、教師が採点をする際、海外では正解の場合、「✓」を書きますが、日本では、「〇」、不正解の場合は「✕」、半分正解の場合には「△」を記します。日本では、「〇」は円満のイメージがあり、「✕」は 不良・誤り・消去などの意味を表します。

(2)否定するサインやジェスチャー

2-1. 顔の前で手を立てて左右を振る

「違う」ことを伝えたい場合に、顔の前で手を左右に振ります。「いいえ、違います」、「いやいや(強く否定するとき)」といった言葉を発することも多くあります。

2-2. 両手を交差し、「バツ」を作る

顔の前で両手をクロスし、大きな「×」印を作るジェスチャーです。先に紹介した「両手を挙げて丸を作る」ジェスチャーの反対です。特に、NGであることを伝えたい相手が遠くにいるときなどに使います。また、動作が大きいだけに、インパクトがある動作です。目上の人に対しては、失礼なので使わないようにしましょう。

2-3. 顔を横に振る

否定を意味するジェスチャーで、顔を横に振ります。首を大きく振れば振るほど、No(否定)ということを相手に強く伝えることにつながります。

2-4. 不明瞭な時は首をななめ45度にかしげる

質問をされ、何らかの答えを伝えなければならないときに、考えても「よくわらかない」、「わからない」といったことを伝えたいときに使います。首をななめにかしげるときに、「うーん」、「どうかな?」といった言葉を口にして、不明瞭であること、わからないことをより明確に伝えます。腕を組むこともあります。

(3)お金やお会計のハンドサイン・ジェスチャー

3-1. 両手の人差し指を交差して小さくバツを作る

レストランなどで会計をしたいときに使うジェスチャーで、「お会計お願いします」といいながら、両手の人指し指で小さなバツを作り、店員に「お会計をしたい」ことを伝えます。「〆る(終わらせる)」という意味があり、周囲に知られないように店員に伝えるために、小さくとる動作です。年配の方が使うことが多いです。

3-2. 人差し指と親指で丸を作って手のひらを上に向ける

人差し指と親指で丸をかたどり、手のひらを上に向けるハンドサインはお金を意味します。例えば、会話の中で、「株でお金を儲けた」、「家を建てるにはお金が必要だ」などお金に関する話題の際に、使います。周囲の人に聞かれたくない話題の時にも使われます。

(4)人と接する時のジェスチャー・ハンドサイン

4-1. 手の甲を上にして手首を動かす「手招き」

「おいで」、「こちらに来て」という意味を込めてとる「手招き」です。その場におらず、少し距離がある人に対して示します。手のひらを下に向け、手首を上下に動かします。または、手のひらを上に向け、人差し指を自分自身の方に動かすこともあります。いずれも、相手が目上の人の場合には使うことはありません。逆に、追い払いたい場合は、手の甲を上にして払い落すような動きをします。微妙な手の動きですが、違う意味です。

4-2. 人差し指で自分の顔や胸元を指す

会話をしていて、自分自身であることを伝えたいときに、人差し指で自身の鼻・顔全体、胸元を指すしぐさをします。逆に相手を指し示すときは、相手の鼻・顔全体、胸元を指します。いずれも、指さすという行為は、された側は良い気持ちはしません。公の場や目上の人に対してはせず、友人とのフランクな会話をしている際に使うことが多いです。

(5)歩くときのジェスチャー

5-1. 横断歩道で手をあげて渡る

横断歩道を渡る際、「これから横断する」、または「横断中である」ことを運転手に伝えるために、子供たちは手を上に挙げます。特に、信号がない横断歩道の場合、「これから渡ります」と運転手に確実に伝えるために、この動作をします。大人の場合、手を挙げるのではなく、渡る際に運転手に「目線を合わせてアイコンタクトをとり軽く会釈をする」、「軽く手を挙げてそのあと手は下げて渡る」こともあります。

運転手も、「どうぞ」の意味を込めて、手を前方に出して、横断歩道を安心して渡るように促すハンドサインをすることもあります。2021年4月、「交通の方法に関する教則」が改正され、43年ぶりに「道路を横断する時は手を上げるなどしてドライバーに横断意思を伝えること」が明記されました。

5-2. 人と人の間を通るとき、片手を小さく上下に動かす

人の前を横切る時、人と人の間を通る時、または雑踏に分け入っていく時などに、縦にした片手を体からやや離した位置で小さく数回上下させることがあります。「手刀を切る」と呼ばれる仕草で、大相撲で、勝ち負けがついたあと、勝った力士が懸賞金を受け取る際にも、手刀を切る仕草をします。誰かの前を通ることは失礼だと考えられているため、行われるジェスチャーですが、人前を通る時以外に、「ごめんなさい」と謝る時や、お詫びを伝えたいときにも行う動作です。この動作を行うことで、相手に好印象を与えます。

(6)恋人や愛人のことを示す

6-1. 親指を立てる(男性のこと・夫のこと)

親指を立てるサインは、男の恋人を指します。「恋人」という単語を口に出さずに、伝えたいときに使われるハンドサインです。公の場では使われず、宴席や友人とのフランクな会話の中で使われることが多くあります。

6-2. 小指を立てる(女性の恋人、愛人)

小指を立てるサインは、女の恋人を意味します。上記の男の恋人と同様、親しい間柄での会話の時に見られるハンドサインです。また、愛人を指すこともあります。

(7)写真撮影のハンドサイン

7-2. ピースサイン

撮影をするとき、撮影者が「ハイ、チーズ」というと、大半の日本人は無意識に人差し指と中指の日本の指を立てる「ピースサイン」をします。両手の場合もあれば片手のみの場合もあります。ピースをした手を頭に乗せて「猫の耳」のようにすることもあります。また、ピースサインを裏返した「裏ピース」、あごを挟むようにピースをする「あごピース」など、アレンジしたピースサインもあります。

7-3. 親指を立てる

親指を立て、「いいね!」と賛同を示すサムズアップの動作は、撮影する時にも使われます。

7-4. 両手を使ってハートを模る

特に、女性の間で、両手を使ってハートを象ります。また、2人で、ハートの片側ずつを模ってハートにして撮影することもあります。

(8)やっていけないジェスチャー

8-1. 人を指で指す

人や物を人差し指を伸ばし、「あれ」、「これ」などと言いながら指をさす動作は、された側はよい気持ちはしません。もし、どうしても物や人を指し示したいときは、手の指をそろえて手のひらを上に向けて、指ではなく手全体を使って示すようにすると丁寧な印象を与えることができます。

8-2. 中指を立てる

怒りや軽蔑、侮辱などを示す表現として用いられますが、大変不愉快な思いをさせるので、絶対に使ってはいけません。サッカーの公式試合中、中指を立てる動作をした観客が無期限入場禁止の処分が下されたこともあります。

8-3. 親指を下にする

「地獄に落ちろ」など、相手をとても強く侮辱するハンドサインです。日本も含めてほとんどの国でタブーとされています。サムズアップの反対で、「サムズダウン」ともいわれ、スポーツ観戦の際などで、ブーイングなどでも使われるハンドサインです。

(9)数の数え方

「手を開いた状態から、親指から順に指を折っていく方法(A)」と「手を握りグーを作った状態から人差し指、中指、親指と順に立てる方法(B)」の2つがあります。

(A)手を開いた状態から、親指から順に指を折っていく方法

  1. 両手を開いた状態のまま、片側の親指だけを折る
  2. 「1」に加え、人差し指も折る
  3. 「2」に加え、中指も折る
  4. 「3」に加え、薬指も折る
  5. 片手の指5本をすべて折る
  6. 「5」の形を保ったまま、もう片方の手の親指を折る
  7. 「6」に加えもう片方の手の人差し指を折る
  8. 「7」に加えもう片方の手の中指を折る
  9. 「8」に加えもう片方の手の薬指を折る
  10. 「9」に加えもう片方の手の小指を折る

(B)手を握りグーを作った状態から人差し指、中指、親指と順に立てる方法

  1. 両手を握った状態から片方の人差し指を立てる
  2. 人差し指と中指をまっすぐに立てる。撮影するときのピースサインと同じ。
  3. さらに薬指も立てる。
  4. さらに小指も立てる。
  5. 片手5本指すべてを立てる。
  6. 「5」の形を保ったまま、もう片方の人差指を立てて、その手のひらの上にのせる
  7. さらに中指を立てる
  8. さらに薬指を立てる
  9. さらに小指を立てる
  10. 両手10本すべての指を立てる


以上、日本人がよく使うハンドサインやジェスチャーをご紹介しました。いかがでしょうか?人を不愉快な気持ちにさせるものもありますので、気を付けて使ってみましょう!

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