日本全国には様々なお祭りが存在しており、地域の伝統や文化と深く結びついています。神様に対し感謝を捧げるのがお祭り本来の意味ですが、起源が明らかになっていなかったり、見た目のインパクトが強かったりするものは「奇祭」とも呼ばれ、今でもその地域に住む人々の間で受け継がれています。
今回は「日本三大奇祭」と称されるお祭りについて深掘りしていきますので、ディープな日本文化に関心がおありの方はぜひ最後までご一読ください!
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【長野】御柱祭
概要と歴史
御柱祭は長野県諏訪地方で行われる伝統的な祭りで、6年(数えで7年)に一度行われます。この祭りは諏訪大社の4つの社(上社本宮・前宮、下社春宮・秋宮)に、御柱(おんばしら)と呼ばれる大木を社殿に建てる儀式を中心にしています。
御柱祭は1200年以上の歴史を持っており、平安時代初期から重要な神事として行われていましたが、その起源についてはさらに古代にさかのぼる可能性があるとも言われています。
行事内容
御柱祭における一連の行事は上社と下社により開催時期や見せ所が異なりますが、下記の流れで行われます。
仮見立て(上社:二年前、下社:三年前)
諏訪大社の社有林や国有林から御柱となる大木を見立てる
本見立て(上社:一年前、下社:二年前)
御柱となる大木を正式に決める
伐採(上社:当年三月、下社:一年前)
斧やのこぎりなどを使い、木やり唄を歌いながら伐採を行う
上社抽籤式(当年2月15日)
抽籤で上社御柱の曳行担当地区を決める ※下社の担当地区は予め決められているため実施しない
山出し(当年4月上旬)
人力のみで御柱を山から里へ運び出す。急坂を下る「木落し」や川を越える「川越し」が見どころ
里曳き(当年5月上旬)
各4本の御柱をそれぞれのお宮へ曳行し、社殿の四隅に建てる
宝殿遷座祭(上社:6月15日、下社:里曳き前夜)
御柱年ごとに御宝殿が交互に建て替えられ、御霊代は新築または改築した宝殿に移される
けが人や死者続出?中止を求められたことも
御柱となる大木を運ぶのは数千人で力を合わせなければならない大掛かりな作業であり、その中でも大木の先端に人を乗せて落とす「木落し」が死者を出すほど危険性が高いため、近年では中止を求められ、御柱祭の存続に関する議論を呼び起こしています。
参加者の自己責任に任せるべきという声もありますが、伝統の維持と安全性の両立は今後も主催側が向き合わなければならない課題です。
木落し体験ができる「おんばしら館 よいさ」
下社春宮から徒歩3分のロケーションに位置する「おんばしら館 よいさ」では御柱経路模型、ジオラマや長持ち、法被等が展示されており、「木落し」を模擬体験できるちょっとしたアトラクションもあるので、参拝帰りに立ち寄ってみるのもおすすめです。
- 住所:
〒393-0092 長野県諏訪郡下諏訪町168-1 - アクセス:
JR中央本線下諏訪駅から徒歩約20分 - 営業時間:
9時~17時 ※年末年始と冬期は閉館時間が異なる場合があります - 定休日:
年中無休(臨時休館あり) - 入館料:
【一般】大人300円、子ども(小・中学生)200円、
【団体(20人以上)】 大人250円、子ども(小・中学生)150円、
【障がい者(介護者含む)】 大人150円、子ども(小・中学生)100円
開催概要
- 開催時期:
次回は2028年 - 交通アクセス:
①上社本宮:JR茅野駅から徒歩約45分
②上社前宮:JR茅野駅から徒歩40分
③下社春宮:JR下諏訪駅から徒歩約20分
④下社秋宮:JR下諏訪駅から徒歩約15分 - 観覧席チケット:
御柱祭ホームページから「木落とし」の有料観覧席チケットを抽選で購入可能 - 公式サイト:
https://onbashira.jp/
【秋田】なまはげ柴灯まつり
概要と歴史
なまはげ柴灯(せど)まつりは秋田県男鹿市で毎年2月に開催されるお祭りで、民俗行事である「なまはげ」と900年以上の歴史を持つ神事「柴灯祭」を組み合わせた観光行事です。
昭和39年(1964年)に男鹿温泉郷の冬場の観光振興を目的としてスタートして以降、少子高齢化による担い手不足やコロナ禍の影響を受けながらも中止となったことが一度もなく、地元の人々に支えられ続けてきました。
行事内容
鎮釜祭・湯の舞
鎮釜祭は伝統的な湯立て神事で、神官が呪文を唱えながら大釜に沸かされたお湯をわらボウキでかき回し、その後、男鹿地方独特の祓い神楽「湯の舞」が奉納されます。
なまはげ入魂
なまはげに扮する若者たちが神官から神の入ったお面を授かり、それを被って山へ戻って行きます。
なまはげ行事再現
大晦日に行われる民俗行事「男鹿のナマハゲ」が真山神社の神楽殿で再現されます。神の使いであるなまはげが家々を訪れ、怠け者や子どもたちを戒めるシーンは必見!
なまはげ踊り
秋田出身の現代舞踏家と作曲家によって完成され、1970年代の男鹿温泉郷の宴会などで定番だった踊りです。
なまはげ太鼓
なまはげと和太鼓を組み合わせた男鹿独自の郷土芸能が披露されます。
なまはげ下山・献餅
松明をかざした15体のなまはげが雪山から会場に降りてきて、柴灯火で焼かれ神力の宿った護摩餅を神官から受け取った後、神のもとへ戻ります。
里のなまはげ乱入
市内各地区のなまはげが乱入します。地区ごとに伝承されている手作りのお面が見どころ。
護摩餅配り
護摩餅には無病息災・厄難除去・開運招福等のご利益があると言われており、お祭りの最後になまはげが切り分けた護摩餅を観客に配ります。
なまはげ習俗が体感できる「なまはげ館」、「男鹿真山伝承館」
なまはげをテーマに地域の歴史や風土を紹介している施設。なまはげ館では男鹿市内各地で実際に使われていたなまはげ面や衣装が展示されており、大型スクリーンによるドキュメンタリー映画の上映も行っています。
隣接する男鹿真山伝承館は男鹿地方の典型的な曲家(まがりや)民家を活用し、なまはげ習俗が体感できる学習講座を毎日開催中。
- 住所:
〒010-0685 秋田県男鹿市北浦真山字水喰沢 - アクセス:
JR男鹿駅よりタクシー・なまはげシャトルで約20分
昭和男鹿半島I.Cから車で40分 - 営業時間:
【なまはげ館】8:30~17:00
【男鹿真山伝承館】
4~11月(毎日開講)
9:00・9:30・10:00・10:30・11:00・11:30・13:30・14:00・14:30・15:00・15:30・16:00・16:30
12~3月(毎日開講)
9:30・10:30・11:30・13:30・14:30・15:30
※12/31は上記のほか10:00・11:00・14:00・15:00も開講
※1/1~1/2は上記のほか9:00・10:00・11:00・14:00・15:00も開講 - 定休日:
年中無休 - 入館料:
【なまはげ館】660円(小中高生330円)
15名様以上の団体 590円(小中高生260円)
【なまはげ館、男鹿真山伝承館共通】1100円(小中高生660円)
15名様以上の団体 1000円(小中高生530円)
30名様以上の団体 900円(小中高生450円)
開催概要
- 開催時期:
毎年2月第2金、土、日曜日 - 交通アクセス:
JR男鹿駅より「なまはげシャトル」で約25分
※当日はJR男鹿駅・男鹿温泉郷から会場間の臨時有料バスもあります - 観覧席チケット:
なし
※事前入場申込制、入場協賛金1,000円/人(中学生以下無料、現金のみ) - 公式サイト:
https://oganavi.com/sedo/
【山梨】吉田の火祭
概要と歴史
吉田の火祭りは山梨県富士吉田市で毎年8月26日、27日に行われる鎮火祭で、北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社が共同で開催する秋祭りでもあります。
吉田の火祭りの歴史は古く、今からおよそ400年前までさかのぼりますが、現在では富士山の噴火を鎮める祭りだけれなく、富士山の夏山シーズンの終わりを告げる風物詩ともなっています。
行事内容
初日(8月26日)の午後、北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社にて神事が催行され、その後2基の神輿が上吉田地区を練り歩きます。夕方に神輿が「御旅所」に到着したら、金鳥居から浅間神社までの沿道に設置された大松明100本以上が同時に点火され、夜遅くまで光り続けます。
二日目(8月27日)の午後に2基の神輿が再び担がれ、金鳥居での神事が終わった後神社に還御します。白い紙帯で清められたすすきの小枝の束(すすきの玉串)を持った参拝者が神輿の後に続き、神社の境内にある「高天原」と呼ばれるエリアを7周廻ります。
最後に本殿にて還幸の祭が行われ、鎮火祭両日の結びとなります。
神輿と大松明の実物が見れる「ふじさんミュージアム」
ふじさんミュージアムは富士吉田市が運営する歴史民俗博物館で、富士山信仰に関する資料を中心に、富士山の魅力を紹介しています。館内の常設展示として明神神輿、御山神輿と大松明の実物が公開されており、火祭りの歴史に触れることができます。
- 住所:
〒403-0013 山梨県富士吉田市上吉田東7-27-1 - アクセス:
富士急行富士山駅よりバスにてサンパークふじ前下車徒歩約1分
中央自動車道河口湖ICから約10分
富士吉田西桂スマートICから約15分 - 営業時間:
9:30-17:00
※最終入館は16:30まで - 定休日:
火曜日(祝日を除く)、年末年始(12/28‐1/3)
※7月、8月は無休 - 入館料:
大人400円、小中高生200円
※団体割引あり( 20名以上:大人320円、小中高生160円)
開催概要
- 開催時期:
毎年8月26日、27日 - 交通アクセス:
公共交通:富士急行富士山駅から徒歩5分
車:中央道河口湖ICから国道139号経由2km10分 - 公式サイト:
https://fujiyoshida.net/feature/himatsuri/index
吉田の火祭りを体験できる日帰りツアーに参加してみませんか?
「吉田の火祭りを見に行きたいけど、土地勘がなく移動手段の手配に不安がある」という方にはツアーへの参加がおすすめです。富士山周辺の観光スポットも回れるので、現地の魅力を満喫できる充実した1日になること間違いなし!
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