夏に旬を迎える果物といえば、みなさんは何を思い浮かべますか?日本では桃、ぶどう、すいか、メロンなど様々な果物がこの季節に出回りますが、その中でも味、香りや甘さが格別な「ブランドフルーツ」が存在しており、日本が誇る高級果物として海外でも人気を呼んでいます。
今回はそんな果物の主な産地、品種から栄養素やおすすめの食べ方まで紹介し、果物狩りを体験できるツアーをご提案しますので、ぜひおいしい果物をたくさん食べて、今年の夏を思う存分満喫しましょう。
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桃
桃はもともと中国で栽培されており、古代中国では不老長寿をもたらす「仙果」として珍重されていましたが、日本に伝わったのは弥生時代(紀元前300年頃~紀元後300年頃)とされています。
食用としての普及が始まったのは明治時代(1868〜1912年)以降で、最初は薬用や観賞用に栽培されていましたが、1899年に「日本の桃の元祖」と言われている白桃が岡山県で発見され、その後、白鳳やあかつき、川中島白桃といった日本を代表する品種が次々と登場しました。現在では生食用として全国で100以上の品種が栽培され、毎年約11万トンの収穫量を誇っています。
主な産地
山梨、福島、長野、山形、和歌山、岡山(6県で全国の約8割)
有名な品種・ブランド
川中島白桃、清水白桃、白鳳、春日居、あかつき、黄金桃、ネクタリンなど
収穫時期
早生種は5~6月頃、中生種は7~8月頃、晩生種は9~10月頃
桃の選び方、食べごろの見分け方
①果皮の色が濃い
②果皮全体にうぶ毛があり、香りが強い
③まだ食べ頃でない桃は新聞紙に包み、冷暗所で保存して追熟させてください
桃に含まれる主な栄養素
①カリウム:高血圧予防、むくみ解消の効果が期待できます
②ペクチン(食物繊維の一種):腸内細菌の働きを助け、整腸作用があります
③ビタミンC :白血球の働きを助け、免疫力を高めます
おいしい食べ方&アレンジ
①皮ごと食べる:果皮と果肉の間が一番甘く、ペクチンも豊富に含まれています
②桃のコンポート:固い桃、甘くない桃でもおいしく仕上げられます
③桃のカプレーゼ:桃とモッツァレラチーズのおしゃれな前菜です
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ぶどう
日本のぶどうは原産地からシルクロードを経由し、奈良時代(710年~794年)に渡来したとされています。明治時代以降、政府は産業振興のため欧米から多くの品種を導入しましたが、ヨーロッパ種は日本の高温多湿な気候に合わずに失敗が続き、アメリカから導入した品種のみ各地で栽培されるようになり発展しました。
また、世界で生産されるぶどうの7割はワインの原料として使用されていますが、日本では生食用が9割を占めています。
主な産地
山梨、長野、山形、岡山(4県で全国の約6割)
有名な品種・ブランド
シャインマスカット、巨峰、ピオーネ、ルビーロマン、藤稔
収穫時期
一般的に8月~10月
ぶどうの選び方、食べごろの見分け方
①色が濃く、ハリがある
②果皮にブルーム(果粉)がついている
③茎(軸)が太い&茶色く変色していない
ぶどうに含まれる主な栄養素
①アントシアニン(ポリフェノールの一種):抗酸化、がん予防、目の機能改善等が期待できます
②ブドウ糖:体や脳を動かすエネルギー源です
③ビタミンB群:「代謝ビタミン」とも呼ばれ、乳酸などの疲労物質を分解する働きがあります
おいしい食べ方&アレンジ
①皮ごと食べる:ポリフェノールと他の栄養素が豊富で、皮の食感も楽しめます
②炭酸水漬け:シュワッとした爽やか風味が夏にぴったりです
③ぶどう飴:飴で薄くコーティングしたもの。宝石のような見た目もかわいいです
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すいか
すいかの起源は、紀元前5000年前のアフリカまで遡ることができます。エジプトのピラミッド内部の壁画にもすいかが描かれており、当時は実ではなく種を食べるために栽培されていたようです。
すいかが日本に伝わった時期は考証が難しく、経緯についても諸説があります。江戸時代(1603年~1868年)初期にはすでに広く栽培されており、その後もアメリカや中国から様々な品種が導入され、品種改良が進みました。現在、日本国内の市場に出回っているすいかは20種類を超え、その中でも赤肉の大玉が主流です。
主な産地
熊本、千葉、山形
有名な品種・ブランド
でんすけすいか、尾花沢すいか、大栄すいか、金色羅皇
収穫時期
7月〜8月頃
スイカの選び方、食べごろの見分け方
①ずっしりと重い
②皮にツヤがあり、緑の縞模様がはっきりしている
③ツルの付け根部分がくぼみ、その周りが盛り上がっている
④お尻部分にある茶色い花の跡が大きいものは完熟している証拠
スイカに含まれる主な栄養素
①βカロテン:皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます
②シトルリン:血管を拡張させ、血流を改善する効果があると言われています
③リコピン:肌の老化やシミ予防等の効果が期待できます
おいしい食べ方&アレンジ
①焼きすいか:すいかを輪切りにし、焦げ目がつくまで両面を焼きます
②すいかの皮の漬物:ポリポリとした食べ応えのある食感が楽しめます
③丸ごとすいかゼリー:親子で一緒に作れる簡単スイーツです
メロン
メロンの原産地はアフリカやインドなど諸説あり、古くから栽培されてきました。日本ではまず中国方面から東洋系品種であるマクワウリが渡来し、少なくとも弥生時代には栽培されていたと考えられています。一方、西洋系のメロンは明治中期に導入され、明治時代後半~大正時代(1912〜1926年)にかけて温室栽培が始まりました。
当時のメロンは高級品で庶民にはなかなか手の届かない代物でしたが、昭和37年(1962年)に当時の皇太子ご成婚にちなんで発売された「プリンスメロン」が登場し、メロンを一般家庭でも食べられる身近な果物として定着させました。
主な産地
茨城、北海道、熊本
有名な品種・ブランド
夕張メロン、らいでんメロン、アールスメロン、クラウンメロン、プリンスメロン
収穫時期
5月~7月
メロンの選び方、食べごろの見分け方
①網目が細かい
②ツルがしおれている
③甘い香りがする
メロンに含まれる主な栄養素
①ビタミンC:白血球の働きを助け、免疫力を高めます
②カリウム:高血圧予防、むくみ解消の効果が期待できます
③βカロテン:皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます
おいしい食べ方&アレンジ
①生ハムメロン:イタリアとスペインの伝統的なオードブルです
②メロンカレー:茨城と北海道のご当地カレー。フルーティーな味わいがクセになります
③丸ごとメロンケーキ:メロンをくりぬき、スポンジケーキ、果物と生クリームを敷き詰めたおしゃれスイーツです
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マンゴー
マンゴーは約4000年前からインドで栽培されていたと言われています。ヒンドゥー教の文献や仏教の経典にも登場しており、宗教とも深い関わりがあります。
日本にマンゴーの栽培が伝わったのは明治時代のことですが、当時は開花時期が梅雨と被るため結実しにくく、また炭疽病も発生していたため、営利を目的とした栽培は実現できませんでした。1970年頃にビニールハウスによる雨よけ栽培が導入された後、ようやく安定して果実をつけることができるようになり、経済栽培が本格化しました。
主な産地
沖縄、宮崎、鹿児島
有名な品種・ブランド
アップルマンゴー(アーウィン種)、キーツマンゴー、太陽のタマゴ
収穫時期
5月~8月(日本)
マンゴーの選び方、食べごろの見分け方
①果肉が柔らかくなっている(黒い斑点が出たら追熟を避けてください)
②甘い香りが漂っている
③表面にプルームが付着している
マンゴーに含まれる主な栄養素
①ビタミンC:白血球の働きを助け、免疫力を高めます
②ビタミンE:「若返りのビタミン」とも呼ばれており、血行促進、抗酸化作用があると言われています
③葉酸:赤血球の形成を助ける栄養素です
おいしい食べ方&アレンジ
①マンゴーラッシー:インドの国民的なヨーグルトドリンク。腸内環境を整える効果があります
②カオニャオ・マムアン:マンゴーとココナッツミルク風味のもち米を使用したタイのデザート
③マンゴーのセビーチェ:マンゴーとエビ、サーモンなどシーフードのマリネサラダ
さくらんぼ
さくらんぼの原産地は小アジア(現在のアナトリア半島)とされており、野生種は紀元前3000年頃には食べられていたと考えられています。さくらんぼにはヨーロッパ系(甘果おうとう、酸果おうとう)と東アジア系(中国おうとう)の二大グループがあり、日本で栽培されている品種は前者に属し、甘みが強いため生食に適しています。
さくらんぼが日本に渡来したのは明治時代のことであり、当時はアメリカやヨーロッパから多数の品種が導入され、その後東北、北海道、甲信地方でさくらんぼの栽培が普及しました。
主な産地
山形(全国の約8割)、北海道、山梨
有名な品種・ブランド
佐藤錦、紅秀峰、紅さやか、ナポレオン
収穫時期
温室栽培:4月上旬~6月上旬、露地栽培:6月中旬~7月下旬
さくらんぼの選び方、食べごろの見分け方
①果皮が鮮やかな紅色で、ハリと艶がある
②表面に傷や変色がない
③軸が太くて緑色
さくらんぼに含まれる主な栄養素
①ビタミンE:「若返りのビタミン」とも呼ばれており、血行促進、抗酸化作用があると言われています
②鉄分:鉄欠乏性貧血の予防、肌の健康維持などの効果が見込めます
③アントシアニン(ポリフェノールの一種):抗酸化、がん予防、目の機能改善等が期待できます
おいしい食べ方&アレンジ
①さくらんぼのクラフティ:フランスの代表的な家庭菓子で、固めのプリンのような食感が楽しめます
②ブラックフォレストケーキ:ドイツ発祥でキルシュ漬けのチェリーが入った大人味スイーツです
③チェリーボンボン:お酒に漬けたチェリーをチョコレートでコーティングしたものです
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