日本に数ある鍋料理の一つ、「もつ鍋」をご存じでしょうか。ジューシーな牛の内臓を使ったメニューです。福岡の名物料理として知られ、現在は全国的に人気があります。そんなもつ鍋の福岡の名店が東京に初進出。これを機に、訪日旅行中にもつ鍋デビューしてみませんか?
「もつ鍋」とは?食材や味付けについて
「もつ」とは牛、豚、鶏などの内臓のこと。もつ鍋は柔らかい脂がのった牛もつを使い、これを山盛りのキャベツとニラと共に煮込みます。風味付けのためにニンニク、唐辛子を加え、鰹や昆布、鶏ガラなどで出汁をとって醤油で味を付けたものが一般的。
もつは低カロリーでビタミンを多く含み、美容や健康を気に掛ける女性に大人気。具材を食べ終わった後は、ご飯や麺を入れて「締め」まで味わえるので二度美味しく、しっかりお腹を満たしたい男性にもおすすめです。
なぜ福岡は「もつ鍋」で有名?
今や東京を中心に知名度のあるもつ鍋ですが、元々は福岡の郷土料理。そのルーツは1950年代頃まで遡ります。炭鉱が多く営まれた福岡で、過酷な労働に耐えられるスタミナを付けるため、アルミ鍋で内臓とニラを炊き、醤油味で食べたのが始まりとか。
内臓は本来、捨てられる部位。食料が乏しかった時代に、安くて栄養価の高い部位を美味しく食べようという、炭鉱夫たちの工夫から生まれた料理なのです。
「博多もつ鍋 やま中」は予約が取れない名店
もつ鍋を食べられるお店は数あれど、中でもしょうゆ味がスタンダードだったもつ鍋にみそ味を取り入れた、「みそもつ鍋」発祥の店として知られるのが「博多もつ鍋 やま中」。その美味しさが話題を呼び、なかなか予約が取れない老舗もつ鍋専門店です。
1984年創業「博多もつ鍋 やま中」の歴史
今からちょうど40年前、「博多もつ鍋 やま中」は福岡市南区大橋の一軒家で誕生しました。そこで振る舞われるもつ鍋が評判となって次第に客が増え、住居としていた2階もお店に改装されました。
口コミで人気に火が付くと、メディアでも福岡のもつ鍋の代表格として紹介され、県内で店舗を増やしていったそう。現在は福岡の大橋本店と赤坂店、博多店、東京の銀座店の4店舗が運営されています。
福岡を飛び出し、2023年に東京でオープン
そんな福岡の大人気店が満を持して県外へ初進出。2023年11月、東京を代表する美食の街を舞台に、「博多もつ鍋 やま中 銀座店」がオープンしました。「老舗の味を王道の和空間で」 をコンセプトに設えられた、日本の高級旅館の雰囲気が漂うお店です。
今まで福岡でしか食べられなかった「博多もつ鍋 やま中」のもつ鍋。これを東京でも堪能できるようになったと、福岡出張などでその味を知る人も喜んでいるそう。さらに、テレビで「やま中」ファンの芸能人にも紹介されるように。東京でも舌の肥えた人々の間で話題を呼んでいるようです。
看板メニュー「みそもつ鍋」おすすめポイントは?
「博多もつ鍋 やま中」と言えば、やっぱり「みそもつ鍋」(一人前3,300円)。来店した客の8割が注文するとか。完成した状態で運ばれてくるから、「食べ頃が分からない」なんて困ることもありません。ベストなタイミングですぐに頂けて、もつ鍋ビギナーも安心。
門外不出のレシピで作られる「みそもつ鍋」は、厳選された九州産の味噌を数種類ブレンドしているそう。濃厚でコクがありながら上品でしつこすぎず、何度でも口に運びたくなってしまいます。
メインのもつは雑味や臭みがなく、程よく脂ののった国産牛の新鮮な小腸のみが使用されています。だから、噛むほどにじゅわっとあふれる脂は軽く、舌の上でスッと溶けて、口福に満たされるのです。
「博多もつ鍋 やま中」を発祥とする平たい鉄鍋(今では福岡のもつ鍋店でよく使われている)に、ぐつぐつと煮えるスープに浮かぶのはコラーゲン。脂ではありません。翌日には肌がぷりぷりになるかも。
単品で注文をしたお鍋に付いてくる野菜盛りにはキャベツ、ごぼう、ニラ、玉こんにゃく(※玉こんにゃくは銀座店のみ)。「みそもつ鍋」は美容に良いだけでなく、たっぷり入った野菜も相まってスタミナがつくから、とても健康的。季節を問わずおいしいのですが、日本の夏の暑さにバテぎみなときこそ食べてほしいメニューです。
もつ鍋店のこだわり一品料理も見逃せない
「博多もつ鍋 やま中」の魅力は「みそもつ鍋」に留まりません。福岡土産として人気のある辛子明太子。こちらで一品料理として提供される「からしめんたいこ」(2,100円)は、オリジナルの調味液に低温でじっくり付け込んだ柚子香る逸品です。
数量限定の「牛ほほ肉の甘煮」(2,400円)は、国産牛のほほ肉を赤ワインでじっくり煮込んだとろける味わいです。
国産牛一頭からわずかしかとれない柔らかいもつを使った「牛の酢もつ」(1,300円)もおすすめ。さっぱりとした味で、こりこりとした食感が癖になります。なお、コースメニューなら、もつ鍋に加えてこれらの一品料理を少しずつお得に頂くことも可能です。
さらに、「特製杏仁豆腐」(660円)や「匠 抹茶アイス」(660円)など、数種類から選べるデザートも付いてきます。これならお腹も心も大満足すること間違いなしですね。
ラーメン、水たき鍋、餃子など、福岡グルメはさまざまありますが、中でももつ鍋は欠かせません。福岡へ行くなら本店や赤坂店と博多店へ、東京を拠点にするなら銀座店で、本場の味を堪能してみましょう。
博多もつ鍋 やま中 銀座店
- 住所:東京都中央区銀座3-2-15 ギンザ・グラッセ1F,B1F
- アクセス:メトロ銀座駅C8出口より徒歩1分
- 営業時間 :
- 【月~金】ディナー 17:00~23:00 (L.O.22:30)
- 【土・日・祝】ランチ11:30~15:00 (L.O.14:30)、ディナー 16:00~22:30 (L.O.22:00)
- 定休日:年末年始
- URL: https://motsunabe-yamanaka.com/
Comments