合掌造りで知られ、国内外から多くの観光客が訪れる岐阜県の「白川郷」。白川郷というと、雪で白く染まった幻想的な風景を思い浮かべるかもしれません。しかし、夏はまた違った魅力があることをご存知でしょうか?
緑が美しい山々、集落を流れる川のせせらぎ、そして青空の下に合掌造りの家屋が立ち並ぶ夏の白川郷は、冬には感じられない生き生きとした美しさがあります。さらに、夏しか楽しめないアクティビティもたくさん。
この記事では、夏の白川郷の楽しみ方をご紹介します。
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白川郷とはどんなところ?
木の梁を山の形に組み合わせて建てられる日本独自の建築様式「合掌造り」。建物の形が左右の掌(てのひら)を合わせたように見えることから「合掌」と呼ばれるようになったと言われています。
岐阜県の西北部、白川村荻町(しらかわむら・おぎまち)地区を中心に広がる白川郷には100棟あまりの合掌造りの家屋が立ち並び、古いものでは300年ほど前に建てられたものもあります。
日本の原風景を感じられる美しい景観だけでなく、この地域の住民たちが昔から大切にしてきた住民同士の相互扶助の精神も評価され、白川郷は1995年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
夏の白川郷の魅力とは?7月~8月のおすすめスポット
夏の白川郷の魅力は、なんといっても美しい自然です。集落を囲む山々の濃い緑色、日本の夏の風物詩とも言えるセミの鳴く声、夏を象徴するひまわりの花など、冬の白川郷とは異なり、色鮮やかな景色や生命力を感じることができるでしょう。
ここからは、夏に白川郷に行ったら訪れたい観光名所を紹介します。
1. 萩町城跡展望台(おぎまちじょうあとてんぼうだい)
高さ40mほどの高台にある「荻町城跡展望台」は、戦国時代にこの地域を監視し、敵の攻撃から守るために築城された荻町城の跡地に作られた展望台です。
現在、城の要塞の一部が残るのみですが、合掌造りの家屋が点在する白川郷の景観を一望できる絶好の撮影スポットとして知られています。集落全体が雪に覆われる冬とはまた違う、生き生きとした白川郷をこの場所から眺めてみてはいかがでしょうか。
- アクセス:白川郷バスターミナルから徒歩約20分。9:00から16:00頃まで、荻町地区と展望台を結ぶシャトルバスが20分間隔で出ています。(乗車時間:約10分、料金:片道200円)
2. 和田家(わだけ)
和田家は、白川郷に残された合掌造りの民家としては最も規模が大きく、築300年以上の歴史を持ちます。ここに住んでいた和田家は、江戸時代に地域の警備を担う「番所(ばんしょ)」の役人を勤めていたほか、火薬の原料となる「焔硝(えんしょう)」の取り引きで経済的に栄えた一族として知られています。
家屋だけでなく、庭や生垣などの周辺環境の保存状態も良く、和田家は国の重要文化財に指定されています。
現在も住居として使われているため、観光客に公開されているのは居住者の生活スペースを除いた一部だけですが、室内には農具や養蚕の道具、祝い事の際に使われた食器などが展示され、昔の日本の暮らしを感じることができます。
和田家の歴史や合掌造りについての音声説明を、1階では日本語、2階では英語で流しています。
- アクセス:白川郷バスターミナルから徒歩約4分
- 入館料:中学生以上: 400円、小学生:200円
- 営業時間:9:00~17:00
- 休館日:不定休
3. であい橋
白川郷を南北に流れる庄川(しょうがわ)に架かる「であい橋」は、長さ107mのつり橋です。観光用の広い駐車場がある「せせらぎ公園」と合掌造りの家屋が立ち並ぶ集落を結んでいるので、車で来た人はこの橋を歩いて渡って集落に入ることになります。
1990年代に造られた比較的新しい吊り橋ですが、素朴な造形を採用したことで、白川郷の風景とうまく調和しています。つり橋の上から、夏の太陽を反射してキラキラと光る庄川の水面を眺めてみてはいかがでしょうか。
- アクセス:白川郷バスターミナルから徒歩すぐ
4. 白水湖(はくすいこ)
白水湖は大白川ダム(おおしらかわダム)の建設によってできた人工の湖で、硫黄分を含んだ水によって湖面は美しいエメラルドグリーン色をしています。
湖に通じる県道451号線(白山公園線)が開通しているのは6月上旬から10月下旬頃までのため、この神秘的な絶景を見られるのは初夏から秋にかけての数ヶ月間だけ。白水湖の周辺はブナやミズナラの原生林があるので、自然散策も合わせて楽しむことができます。
- 住所:岐阜県大野郡白川村平瀬大白川
- アクセス:荘川インターチェンジから車で60分(東海北陸道荘川ICより国道156を平瀬温泉方面へ約30分、県道451を車で約30分)
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白川郷で夏に楽しめるおすすめアクティビティ
夏に白川郷を訪れるなら、ぜひ挑戦したいのがサイクリングやウォータースポーツなどのアクティビティ。
ここからは、「白川郷アクティビティーセンターo8(※オー・エイト)」が提供する夏のアクティビティを紹介します。
1. エメラルドグリーンの湖でSUP体験
夏の白水湖を訪れたらぜひ挑戦したいのが、ボードの上に立ちパドルを漕いで水面を移動するSUP(スタンドアップパドルボード)です。
白川郷アクティビティーセンターo8が開催する「白水湖SUP」では、丁寧なレクチャーを受けながらSUPを体験することができるので、初心者でも安心。
エメラルドグリーンの湖の上に浮かんで神秘的な景色を楽しんだり、ボードに寝転んでぼーっと空を眺めたり、SUP上級者はボードの上でヨガをしたりと、さまざまな方法でリラックスしたひと時を過ごすことができます。
- 開催時期:6月1日~9月30日
午後の部:13:00〜15:30
- 料金:150分 ¥8,000(税込)※ボードやウェットスーツのレンタルを含む
- 集合場所:大白川駐車場(岐阜県白川村平瀬)
2. E-バイクで白川郷の周辺を巡る
「サイクルツアー白川郷」は、白川郷周辺の自然の中をガイドと一緒に電動アシスト自転車(E-バイク)で走るアクティビティです。起伏に富んだ山道も、E-バイクならスイスイ進めます。
ツアーには、世界遺産に指定された白川郷の周辺エリアを走る「世界遺産コース」と、白川郷の南部、白山国立公園内にある「大白川園地(おおじらかわ・えんち)」までの約14kmを走る「白山国立公園コース」があります。
大白川園地は、富士山などと並んで「日本三名山」のひとつに数えられる白山(はくさん)の麓にあり、国の特別保護地区に指定されています。巨木たちが立ち並ぶ森や、落差約70mの「白水の滝(しらみずのたき)」、そしてこの記事でも紹介した白水湖など、見どころいっぱいのエリアです。
- 開催時期:
<世界遺産コース>4月中旬~11月末まで(午後の部は9月末まで)
午前の部 9:00~12:00
午後の部 14:00~17:00
<白山国立公園コース>6月中旬~10月末まで
9:00〜15:00
- 料金:
<世界遺産コース>14,000円(税込)
<白山国立公園コース>21,000円(税込)
- 集合場所
<世界遺産コース>白川郷アクティビティーセンターo8(岐阜県大野郡白川村鳩谷445−1)
<白山国立公園コース>道の駅 飛騨白山(岐阜県大野郡白川村平瀬516−62)
3. 透き通る川をボートで下る
スリルあるアクティビティを求める人におすすめなのが、一人乗りボート「パックラフト」での川下りです。雄大な自然の中、透き通った雪解け水が流れる川をボートで下る体験は、特別なひとときになるはずです。
はじめにインストラクターと一緒に操船練習をするので、パックラフトでの川下りが初めての人も安心して参加できます。
- 開催時期:4月中旬~6月末
午前の部 9:00〜12:00
午後の部 14:00〜17:00
- 料金:11,000円(税込)※パックラフトやウェットスーツのレンタルを含む
- 集合場所:道の駅 飛騨白山(岐阜県大野郡白川村平瀬516−62)
4. 大自然の中でサウナに入る
日本で今ブームになっているサウナを、白川郷の大自然の中でも楽しむことができます。「白川郷"Soto"サウナ」では、白川郷に数多くある大自然スポットの中からガイドがその日のベストな場所を選び、テントサウナを設置してくれます。
たくさん汗をかいたあとは、白山の雪解け水が流れる冷たい川へ。心も体もリフレッシュして「ととのう」ことができるでしょう。
- 開催時期:4月中旬~11月末(午後の部は9月末まで)
午前の部 9:30〜12:00
午後の部 14:00〜16:30
- 料金:6,000円(税込)※テント1張:最大4名まで
- 集合場所:道の駅 飛騨白山(岐阜県大野郡白川村平瀬516−62)
白川郷へのアクセス方法
東京方面から
東京駅から北陸新幹線で富山駅へ(約2時間15分)。富山駅から高速バスで「白川郷バスターミナル」へ(約1時間20分)
大阪方面から
大阪駅からJR特急サンダーバードで金沢駅へ(約2時間40分)。金沢駅から高速バスで「白川郷バスターミナル」へ(約1時間20分)
名古屋方面から
名古屋駅から徒歩で名鉄バスセンターへ(約5分)。名鉄バスセンターから高速バスで「白川郷バスターミナル」へ(約2時間30分)
金沢方面から
金沢駅から高速バスで「白川郷バスターミナル」へ(約1時間20分)
この記事では、色鮮やかな自然や、体を動かすアクティビティを満喫できる夏の白川郷を紹介しました。冬とはまた違った魅力を楽しみに、ぜひ夏にも訪れてみてください!
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