日本一の高さを誇る富士山は、多くの登山者を魅了する絶景のスポット。この記事では、初めての方でも安心して富士山の登山を楽しむための役に立つ情報や、おすすめの登山ルート、山小屋の予約方法、必要な装備などを詳しく紹介します。また、知っておきたい登山前の準備や登山中の注意点も網羅しています。富士山の山頂を目指す旅を、より安全かつ快適に楽しむためのガイドとして、ぜひご活用ください。
富士山登山について:富士山シーズンはいつ?予算は?
標高3,776m、日本一の高さを誇る富士山は、静岡県と山梨県の境に位置します。富士山の登山時期は毎年7月上旬から9月上旬までです。この期間は山頂の雪が溶け、登山道が安全に整備されているため、多くの登山者が訪れます。登山道によって開通期間が異なりますので、登山予定の年特に7月前半に富士登山オフィシャルサイトで最新情報を確認しましょう。9月以降は雪化粧した富士山の美しい姿を見ることができますが、雪の中での登山は非常に危険ですので、雪が降っている場合は登山を控えることをおすすめします。
登山以外に、山頂で御来光を楽しむことも有名です。日の出は早朝4時半から5時半頃に見られます。また、近年話題になった宿泊なし、1日中に山を登って降りる「弾丸登山」は危ないので避けましょう。安全で快適な登山を楽しむために、しっかりと計画を立てましょう。
富士山登山の予算について、東京からの往復交通費と山小屋の宿泊費が約2万円前後、装備品や飲食の準備が約1.5~2万円合計およそ4万円程度が目安です。
4つの富士山登山ルートを紹介。あなたに相応しい登山ルートは?
富士山には四つの主要な登山ルートがあり、それぞれ登山道や特徴が異なります。ここでは、各ルートの詳細及び登山者タイプによって相応しい登山ルートを紹介します。
富士山の登山ルート
ルート名 | 吉田ルート | 富士宮ルート | 須走ルート | 御殿場ルート |
位置 | 山梨県側 | 静岡県側 | 静岡県側 | 静岡県側 |
登山口 | 富士スバルライン五合目 | 富士宮口五合目 | 須走口五合目 | 御殿場口新五合目 |
登り所要時間 | 約6時間 | 約5時間 | 約6時間 | 約7時間 |
下り所要時間 | 約4時間 | 約3時間 | 約3時間 | 約3時間 |
難易度 | 中級 | 中級 | 中級 | 上級 |
登山者タイプ | 初心者、観光重視の方 | 時間を節約したい人 | 少し人混みを避けたい人 | 上級者、体力に自信がある人 |
特徴 | 最も人気のルート。六合目まではほぼ平坦。七合目以上はやや岩場。 | 山小屋が比較的に多い。 距離最も短い。全体的にやや岩場が多い。登山道と下山道は全区間で同じ。 | 七合目付近まで樹林帯内で傾斜・地形は比較的緩やか。八合目以上は岩場。 | 距離が最も長い。八合目付近まで緩やかな火山砂利の道。山小屋は全体的に少ない。 |
登山道からのご来光 | 五合目以上で見える。 | 場所によって富士山の稜線からあがるように見える。 | 樹林帯を抜けるとどこからでも見える。 | ほぼどこからでも見える。 |
2024年から実施する登山規則とは?
富士山に安全に登山するために、2024年から各登山道に通行規則が実施されます。
山梨県の吉田ルートには、山小屋の宿泊予約がある人等を除き、任意にオンラインの通行予約システムで通行予約が行われます。山小屋の宿泊予約がなくても登山はできますが、16時~翌3時の間または1日の人数が4,000人を超えた場合は、五合目から山頂方向へは通行できないです。また、山梨県の吉田ルートの通行予約を利用する場合は、通行料2,000円の事前決済が必要となりました。富士山保全協力金1,000も任意で支払うこともできます。
通行の規制は登山道によって異なりますので、詳しくは下記公式サイトをご確認ください。
富士山登山の通行規制について
- 英語:https://www.fujisan-climb.jp/en/for-every-climber.html
- 日本語:https://www.fujisan-climb.jp/for-every-climber.html
通行予約システム:山梨県 吉田ルート
- 英語:https://fujisan-climb.jp/en/news/240513_yoshida_trail_reservation_en.html
- 日本語:https://www.fujisan-climb.jp/info/20240510_yoshida_trail_reservation.html
通行予約システム:静岡県 須走ルート,御殿場ルート,富士宮ルート
富士山登山日程について
通常の登山プランは、下記の日程が一般的です。
- 初日の午前中~お昼頃に山登りを始め
- 夕方までに山小屋に到着、山小屋で夕食を食べて休憩(1泊)
- 深夜に山小屋から出発し、登山を再開
- 早朝に御来光及び山頂周辺の観光
登山のスケジュールは、登山ルートや泊まる予定の山小屋の位置によって異なります。例えば、吉田ルートでは山小屋が多く、比較的自由に計画を立てられますが、御殿場ルートでは長い距離の登山なので計画的に進む必要があります。
また、富士山の山頂で御来光を目指すとしたら、八合目の山小屋に泊まる場合は、日差しのある昼間になるべく山を登って、夜に休憩し、深夜に改めて山頂へ出発。しかし、七合目の山小屋に泊まる場合、宿泊から山頂まで距離がより長いので、昼間より夜に登山の割合が増えてきます。八合目の山小屋に泊まる登山者より早く山小屋から出発するとよいでしょう。登山前に各ルートの特徴を理解し、自分に合った日程を組むことがポイントです。
富士山の山小屋、登山ツアーの予約方法。経験者から予約のコツを公開!
富士山登山のために、山小屋の宿泊と往復交通を含まれるツアー・パッケージの予約がおすすめです。訪日観光客にはオンラインで予約可能なサービス提供者の旅行会社や登山専門サイトを利用しましょう。予約する前に、自分の登山計画やスケジュールに合ったツアープランの内容をきちんと確認しておくのがおすすめです。予約する際に、ウェブサイトから予約フォームに必要事項を入力し、クレジットカードで支払いまで進めば、予約を完了することができます。
コツ①:登山ツアーに含まれる内容の注意点
- 往復交通手段:登山口までのバスや電車などの交通手段が含まれているかを確認しましょう。これにより、アクセスの心配がなくなります。
- 食事:山小屋での食事(夕食、朝食)が含まれているか確認しましょう。含まれていない場合、自分で準備する必要があります。
- 山小屋のチョイス:1泊を泊まる山小屋の位置や設備を確認します。八合目以上の山小屋が含まれているツアーがおすすめです。
- 登山後の温泉利用:ツアーによって登山後に温泉利用を含まれるプランもあります。疲れた体をリフレッシュできるので、ぜひ利用を検討してみてください。
コツ②:富士山登山プランのおすすめ予約タイミング
山小屋の予約開始時期は通常4月から始まります。八合目以上の山小屋は非常に人気があり、早期に満室になることが多いです。できるだけ早く予約することで希望の山小屋を確保できます。登山シーズン(7月〜9月)の数ヶ月前には予約を始めるのがベストです。
💡個人経験談:八合目以下の山小屋はおすすめしません。その理由は、8合目以下の山小屋に宿泊すると、翌日の登頂に多くの時間がかかり、御来光を見るための時間調整が難しくなります。8合目以上の山小屋を確保することで、より効率的な登山が可能です。
知っておきたい登山中の注意点・リスク
登山時と下山時のおすすめの歩き方・登り方
登山時の歩き方
- ペースを守る:急がず自分のペースで登ることが重要です。急な動きは疲労を増加させます。
- 小刻みな歩幅:歩幅を小さくし、一定のリズムで歩くことで疲労を軽減します。
- 呼吸を整える:ゆっくり深呼吸を心がけ、酸素をしっかり取り入れるようにしましょう。
下山時の歩き方
- 膝を柔らかく使う:衝撃を和らげるために、膝を少し曲げながら歩くと効果的です。
- 歩幅を一定に:歩幅を一定に保ち、急ぎすぎないことが重要です。下山は特に膝に負担がかかるため、ゆっくりとしたペースで下りましょう。
- 転ばないように注意:砂利や岩が多いので、足元に注意しながら歩きます。
体調管理が一番大事
- 定期的な休憩:疲れを感じる前に定期的に休憩を取りましょう。無理をせず、体を休めることが大切です。
- 水分と塩分の補給:喉が渇く前に少量ずつ頻繁に水を飲みましょう。1リットル以上の水を持参することをおすすめします。また、汗で失われる塩分を補うために、塩分を含むおやつやスポーツドリンクを持参しましょう。
- 高山病の予防と対策:登る前に高度順応を心がけ、登山前日に標高の高い場所で過ごすことが効果的です。酸素缶を持参するのも有効です。そして、頭痛、めまい、吐き気などの症状が出たら、すぐに休憩し、必要なら下山することを考えましょう。
その他に注意すべきこと
- 岩場と落石に注意:特に岩場を登る時に、目の前の足場をきちんと確認しながら歩きましょう。また、登山道では落石の危険性がありますので常に周囲に気を付けましょう。
- 防寒、雨の対策:標高が高くなると気温が下がります。特に日の出前後は風が強く、急激に寒くなります。防寒着を持参し、寒さ対策を万全にしましょう。また、富士山の天気は変わりやすく、急な雨や寒さに対応するための準備が必要です。
- トイレの利用:富士山の山小屋や登山道に設置されているトイレは有料です。利用料金は1回200円、300円程度。事前に小銭を用意しておくとスムーズに利用できます。
服装、装備、持ち物の準備チェックリスト
富士山登山を安全かつ快適に楽しむためには、登山前の登山企画や体調管理はもちろん、装備の事前準備も重要です。登山ルートによって、登山口付近に登山ウェアや靴のレンタルを提供しているサービスがあり、レンタルすることで、重い荷物を持ち運ぶ必要がなくなり、手軽に登山を楽しむことができます。
登山に適する服装
- 登山靴(滑りにくく、足を保護する)
- 速乾性シャツ
- 防水ジャケット
- ダウンジャケットやフリースジャケット
- レインウェア・カッパ
- 帽子
- 手袋(寒さや岩場での手の保護)
- 登山用ソックス(靴ずれ防止と保温)
登山に楽になる・役に立つ装備
- 登山リュック
- トレッキングポール
- ヘッドランプ(夜間や早朝の登山に必須)
- 水筒やハイドレーションシステム
- 防水カバー
- サングラス
- 日焼け止め(高地での強い紫外線対策)
- 登山用マップ
他の持ち物リスト
- 行動食・エネルギーバー
- 携帯電話と予備バッテリー
- ファーストエイドキット
- タオル(汗拭きや急な怪我の手当て)
- 現金(山小屋での支払いに備えて)
- ごみ袋
- ウェットティッシュ
- トイレ用のポケットティッシュ(トイレットペーパー)
上記のリストを参考に、富士山登山に向けた準備を整えましょう。必要なアイテムを忘れずにチェックし、安全で楽しい登山を楽しんでください。
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