近年、注目度が年々高まっている「ジャパニーズウイスキー」。特に、サントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」は、世界中で人気が高く品薄状態が続いています。日本にいる間に工場見学ツアーに参加すれば、試飲やショップで商品を購入できる場合もあります。今回は、ジャパニーズウイスキーの代表格「山崎」と、同じくサントリーから発売されていて人気の高い「白州」について、また、リニューアルされた2つの蒸溜所「サントリー山崎蒸溜所」、「サントリー白州蒸溜所」について徹底解説!サントリー山崎蒸溜所については、見学ツアーやおすすめのお土産についても紹介します。ぜひ参考にしてみて!
ジャパニーズウイスキーとは?
「ジャパニーズウイスキー」とは、原材料として使用できるのは麦芽、穀類、日本で採水された水のみ、製法としては「糖化、発酵、蒸留、貯蔵、瓶詰まで日本国内で行う」といったいくつかの規定を満たしたウイスキーのこと。ほかにも3年以上貯蔵すること、瓶詰時のアルコール分は40度以上であることなど、細かな決まりがあります。世界の5大ウイスキーのひとつとされています。
ウイスキーは、大麦麦芽だけを原材料とする「モルトウイスキー」と、小麦やライ麦、トウモロコシなどをベースに、大麦麦芽を加えて作られる「グレーンウイスキー」の2つに大きく大別されます。そして「モルトウイスキー」の中でも、1ヵ所の蒸溜所でつくられたもののみで作られているのが「シングルモルトウイスキー」で、「山崎」や「白州」はシングルモルトウイスキーに分類されます。
「サントリーシングルモルトウイスキー山崎」とは?
サントリーが保有している多種多様な原酒の中から「ワイン樽貯蔵モルト」を使用し、「ミズナラ樽貯蔵モルト」など複数の原酒とヴァッティングしました。ヴァッティングとは、モルトウイスキー独特の用語で、1樽ごとに異なった個性をもつモルトウイスキーを大桶(ヴァット)に入れて混ぜあわせることを指します。それぞれの個性が重なり合うことで生まれた、やわらかく華やかな香り、甘くなめらかな味わいが特長です。ラインナップとして、山崎、山崎12年、山崎18年、山崎25年があります。
「サントリーシングルモルトウイスキー白州」とは?
南アルプスにある森の蒸溜所で生まれたシングルモルト。森の若葉のようにみずみずしく、爽やかで軽快なキレのよい味わいを特長としています。ラインナップとして、白州、白州12年、白州18年、白州25年があります。
ウイスキーづくり100周年を記念し、2つの蒸溜所がリニューアル!
サントリーは1923年に、ウイスキーづくりを始め、2023年に100周年を迎えました。この100周年を記念し、大阪府三島郡島本町山崎にある「サントリー山崎蒸溜所」と、山梨県北杜市白州町にある「サントリー白州蒸溜所」をリニューアル開業。館内施設だけでなく見学ツアーも大きくリニューアルしました。
大阪府三島郡島本町山崎にある「サントリー山崎蒸溜所」リニューアルポイント
1.エントランス
京都の南西、天王山の麓、名水の里にある「サントリー山崎蒸溜所」。桂川・宇治川・木津川が合流する地形で、ウイスキーの熟成に適した湿潤な環境の中で、さまざまな発酵槽・蒸溜釜・熟成樽を使い分けながら、日本のウイスキーならではの原酒を生み出し続けています。リニューアルでは、施設のエントランスを刷新。蒸溜釜の銅素材を再利用した門をくぐり抜け、山崎の「杜」ならではの神秘性も感じられます。
また、敷地内に自然との調和を表現した「杜」を形成するため、周辺エリアの島本町や大山崎町の山林地に生育する草木などを植栽し緑地化。山崎ウイスキー館前の遊歩道わきの階段を上がると、緑が広がり、竹林の散策路もあります。
2. 山崎ウイスキー館の館内展示&テイスティングラウンジ
山崎ウイスキー館は山崎蒸溜所の敷地内に操業当時からある歴史ある建造物です。今回のリニューアルでは、創業者・鳥井信治郎から続くサントリーウイスキーのものづくりの「継承と革新」について、そして、山崎蒸溜所での原酒のつくり分け、長期熟成に耐えうる原酒のつくり込みについての展示を充実させました。未来に向けた日本のウイスキーの美味品質に対する期待感を醸成するような展示を目指しています。
サントリーシングルモルトウイスキー「山崎」ブランドをはじめとしたサントリーウイスキーの各ブランドや、ここでしか味わえない原酒を堪能できるテイスティングラウンジをリニューアル。ラウンジ内には、山崎蒸溜所でつくられた多彩な原酒ボトルが飾られ、山崎蒸溜所で稼働していたポットスチル(蒸溜酒を製造する際に使用される装置の一種)を再利用したバーカウンターを設置しました。バーカウンターのスタンドテーブルは、原酒ボトルに向き合う形でレイアウトされています。また、窓の外に広がる「杜」を望む位置にローチェアなどを設置。ウイスキーに慣れ親しんでいる人から初めて飲む人まで、ここでしかできない日本のウイスキーを嗜む贅沢な空間をつくり上げました。
3. 「山崎蒸溜所ツアー」の内容もリニューアル!
新たにつくり手自ら、ものづくりについて語るツアー「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」(10,000円)を新設計しました。これまでのツアーでは立ち寄れなかった製造エリアに入ることもできます。以前から催行していたツアーは「山崎蒸溜所ものづくりツアー」(3,000円)としてリニューアル。テイスティングの際に、提供するウイスキーの種類を増やし、自宅でもウイスキーを愉しめるよう、テイスティンググラス等をお土産にお渡しします。
山梨県北杜市白州町にある「サントリー白州蒸溜所」のリニューアルポイント
1. ビジターセンター
南アルプス甲斐駒ケ岳のふもと、広大な自然に囲まれた場所で、水や気候などの自然条件だけでなく、発酵槽や蒸溜釜など設備の違いから、山崎蒸溜所とは個性の異なる原酒を生み出し続けている「サントリー白州蒸溜所」。
敷地内には「白州蒸溜所」と「サントリー天然水 南アルプス白州工場」があり、それら共通のゲートとなる「ビジターセンター」をリニューアル。場内見学や見学ツアーの受付を設け、新たにジオラマを設置。敷地全体を視覚的に理解できる空間や、両工場のオリジナルグッズを購入できる「ビジターセンターGift Shop」も併設しています。
2. バードサンクチュアリ
サントリー白州蒸溜所では、1973年の竣工当時から敷地内に野鳥の保護区「バードサンクチュアリ」を設け、豊かな自然と清らかな水を育む環境を守っています。今回のリニューアルに際しても、白州の自然環境をより身近に感じてもらいたいという思いから、新たにバードサンクチュアリでサントリーの取り組みや森に住む鳥たちについての展示、鳥の声を聞くことができる集音機などを設置しました。
3. セントラルハウス
セントラルハウスにある「テイスティングラウンジ」では、「白州の森」の魅力を感じられるよう、壁一面、窓越しに広がる森を見ながらリラックスできる空間にしました。そこでは「白州」ブランドをはじめ、稀少なウイスキーをテイスティングできます。また、併設の「セントラルハウスGift Shop」では、白州蒸溜所ならではのグッズを揃えています。
4. 「白州蒸溜所ツアー」の内容もリニューアル!
蒸溜棟や貯蔵庫を見学し、そのあとのテイスティングでは「白州」ブランドだけでなく、希少な「モルトウイスキー原酒」も堪能できます。ツアーは「白州蒸溜所ものづくりツアー」(3,000円)と、「白州蒸溜所ものづくりツアー プレミアム」(5,000円)の2種があり、いずれも予約・抽選制(ウイスキー博物館やセントラルハウスも入館可能)。
ウイスキー「山崎」が飲める!買える!? 「サントリー山崎蒸溜所見学ツアー」を徹底解説
なかなか手に入らないことで知られるジャパニーズウイスキー「山崎」や、その貴重な原酒を試飲できるのが有料の「サントリー山崎蒸溜所ものづくりツアー」(80分、3,000円)と「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」(120分、10,000円)の2つのツアーがあります。いずれも公式Webサイトから申し込みを。
多言語対応については、毎日5回催行する見学ツアー「山崎蒸溜所ものづくりツアー」のうち1回を英語専用ツアーとし、音声ガイドも活用しながら英語で案内しています。また音声ガイドツアーの言語を、3か国(英・中・仏)から4か国(英・中・韓・スペイン)対応に。利用したい人は、来館前にスマートフォンへアプリのインストールを。
アプリのダウンロードはこちらから
「山崎蒸溜所 ものづくりツアー」とは?
「サントリーシングルモルトウイスキー山崎」が生まれるものづくり現場を見学し、その場所でしか感じられない香りや温度を五感で体感できます。ツアーでは、まず、スタッフの説明のもと、映像やウイスキーの原料など使って、モルトウイスキーの製造工程の流れを説明、その後、実際の製造工程の見学へ。貯蔵庫では、蒸溜されたモルト原酒を見学したり、様々な樽を使い分けて貯蔵(熟成)するといったことを解説してくれます。
テイスティングでは「サントリーシングルモルトウイスキー山崎」や希少な「モルトウイスキー原酒」、「山崎ハイボール」を堪能できます。ツアー後には、「山崎オリジナルテイスティンググラス」をお土産に。
- 所要時間 80分
- 参加費 3,000円(税込)抽選制
「山崎蒸溜所 ものづくりツアープレステージ」とは?
サントリーシングルモルトウイスキー「山崎」ブランドが生まれるものづくり現場を見学し、その場所でしか感じられない香りや温度を五感で体感できるツアー。プレステージツアーでしか立ち寄れない製造エリアや実際のつくり手の作業の様子を見学することで、山崎蒸溜所ならではのものづくりへのこだわりを知ることができます。テイスティングでは「山崎12年」や希少な「モルトウイスキー原酒」などを堪能できます。また、テイスティングは新設されたゲストルーム「The YAMAZAKI」にて。山崎の魅力をさらに感じられるよう、ポットスチルを再利用したカウンターや樽材でつくったテーブル・椅子にてテイスティングを堪能できます。
- 所要時間 120分
- 参加費 10,000円(税込)抽選制
山崎ウイスキー館のYAMAZAKI DISTILLERY GIFT SHOPおすすめ商品3選
1. 山崎蒸溜所ロゴTシャツ 5,280円(税込)
サントリーウイスキー「山崎」と、デザイナー菊池武夫氏がコラボレーションした蒸溜所限定Tシャツ。黒と白の2色展開。
2. 山崎蒸溜所ロゴ入りテイスティンググラス 800円(税込)
グラスにある下の線までウイスキーを注ぎ、上の線まで水を加えると簡単に1:1の飲み方ができ、ブレンダー気分でテイスティングをすることができる優れもの。
3. 樽燻ナッツ価格:1,200円(税込)
サントリーのウイスキーを育んでいた樽で、その役割を終えたものを樽材チップとして活用した、燻製のミックスナッツ。ウイスキーが染み込んだ樽材に由来する柔らかな香りと、ナッツ本来のやさしい甘みが魅力。ウイスキーと相性抜群です。
2023年、サントリー創業者・鳥井信治郎がウイスキーづくりをはじめて100周年を迎えました。サントリーが紡いできたウイスキーの歴史、そして受け継いできたその魅力をぜひ感じ取ってみて!
※サントリー白州蒸溜所にある「ウイスキー博物館」、「セントラルハウス」へは、ツアーに参加せず、テイスティングラウンジやウイスキー博物館、ギフトショップを利用したい場合でも、「ウイスキー博物館・セントラルハウス入場(無料)」の予約が必要です。
※サントリー山崎蒸溜所にある「山崎ウイスキー館」へは、ツアーに参加せず、ショップやテイスティングラウンジのみ利用したい場合でも、「ウイスキー館見学(先着順、無料・製造工程見学なし)」の予約が必要です。
※ウイスキーの在庫が流動的であるため来場日時・見学コース等によってウイスキーを購入できない場合もあります。
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