日本では、5月の第2日曜日は「母の日」です。日本だけでなく、世界のほかの国・エリアにも、母の日がありますが、制定日、過ごし方、贈るものなど、その風習は国や地域によって異なります。当記事では、日本の母の日について、徹底紹介。なぜ、5月第二週なのか、一般的に何をするのか、贈り物は?など詳しく説明します。アンケート結果から見えてくる、最近の母の日についてもご紹介します。
日本の母の日はいつ?
日本では、5月第2日曜日は「母の日」。2024年は、5月12日の日曜日です。
母の日はいつから、そして、どのように始まったのでしょうか。
母の日のはじまり
さまざまな説がありますが、最も古いのは、古代ローマ時代。「神々の母」といわれた女神・リーアへ感謝を捧げるためにお祭りが開催されていたという話です。
また、17世紀ごろのイギリスでは、イエス・キリストの復活をお祝いするキリスト教の行事「復活祭」の3週間前の日曜日になると、当時、実家を離れ出稼ぎに行っていた子どもたちが休暇をもらい、帰省し、母親と教会で会っていたそうです。その日は「mother's Sunday(里帰りの日曜日)」とされ、現在でも、イギリスやアイルランドでは、ケーキ上面にアーモンド粉を練ったマジパンの飾りを11個並べた「シムネルケーキ」を家族で食べたり、可憐なラッパスイセンの花を贈ったりして、母に感謝の意を伝える風習があります。
日本で現在のような「母の日」が根付いたルーツは、1907年のアメリカ・ウェストバージニア州でのできごとです。母を亡くした女性、アンナ・M・ジャービス が、亡くなった母をしのび、5月に教会で追悼会を開催。参加者みんなに、母が大好きだった白いカーネーションを一輪ずつ配ったことがその始まりとされ、その後、次第に広がり、いつしか、アメリカのほとんどの州で母の日を祝うようになりました。
1910年には、ウェストバージニア州知事が「母の日」を制定、1914年には当時のウッドロウ・ウィルソン大統領が、追悼会が開かれたとされる5月の第二日曜日を正式に母の日と制定し、祝うようになりました。
日本で母の日が定着したきっかけは?
日本では、大正時代にキリスト教会や婦人団体を中心に少しずつ広がり、1936年に大手菓子製造会社の森永製菓が「森永母を讃へる会」を結成。関係諸団体に呼びかけを行い、「森永母の日」の行事を全国で開催しました。その頃、母をたたえる歌の懸賞募集を行なったところ、1万5000件もの応募があり、選ばれた歌詞は、レコード化され、市販もされました。翌年5月8日・9日の両日に、全国の20万人もの母親を招待し、東京・豊島園の野外ステージで、第1回「森永母の日大会」を開催しました。その様子は新聞や雑誌で大々的に取り上げられ、母の日の存在が知れ渡り、定着するきっかけになったとされています。
日本の母の日は何をする?
1. プレゼントを渡す。カーネーションを渡す風習もある
日本では母の日といえばカーネーション。母の日が近くなると、花屋さんの店先には、カーネーションが並びます。花束として切り花を渡すこともあれば、鉢植えで渡すこともあります。花束の場合は20~30本2,000~3,000円前後です。鉢植えの場合は、サイズによりますが五号(鉢植えの直径15センチ)で3,000円前後です。カーネーションを1輪だけ渡す人もいます。
母の日の創始者といわれる、アンナ・M・ジャービスが送ったのは「白色」のカーネーションですが、それは母が亡くなっていたから。健在ならば、白色以外の色のカーネーションを送るのが一般的です。赤やピンク色のカーネーションが多く見受けられますが、紫色などもあり、日本の市場だけでも8000種類以上のカーネーションがあると言われています。
カーネーションの花言葉
- カーネーション全体:無垢で深い愛
- 赤色:母への愛、愛を信じる
- ピンク色:感謝、上品・気品
- 紫色:誇り、気品
- 白色:尊敬、純潔の愛、泣き母をしのぶの意味もありますので、できれば、贈るのは避けたほうがよいでしょう。
カーネーションのほかに、洋服、カバン、アクセサリーなど身に着けるもの、ケーキやクッキーといったスイーツをプレゼントする場合もあります。心を込めて書いた手書きの手紙を添えるとなお喜ばれます。また、カーネーションとお菓子のセットのギフトなどを販売しているお店もあります。
2. ごちそうをする
日本では、母の日に、決まって食べるものは特にありませんが、外食する場合は、リクエストを聞いて訪れることが多いです。いつもより少し奮発してカウンターのある鮨屋やフレンチレストランなどへ行く場合もあります。また、別に暮らしていて一緒に食事ができない場合、食事券を渡すこともあります。
また、洋菓子の場合、チョコレートなどを使って、カーネーション風のデコレーションをした母の日限定スイーツを販売しているお店もあります。
3. 旅行をする
近場へ日帰り旅行や温泉旅行に行く人も多くいます。普段、なかなかゆっくり話ができていなくても旅行なら、移動中、食事中、温泉に入りながらゆっくり話をして、感謝の意を伝えられますよね。
母の日に出かけるところをどのように決めるか、まずは希望を聞くケースが多いです。温泉好きなら温泉へ、買い物が好きならアウトレットモールへ、自然が好きならハイキングへ。
旅館・ホテルによっては、母の日限定で、温泉展望風呂付きの客室に無料アップグレードしてくれたり、夕食時、お刺身舟盛りサービスしてくれたりといった、豪華な宿泊プランを提供しているところもあります。
4. 家事・お手伝い
特に一緒に暮らしている場合は、普段、担ってくれている「家事」をするのも、母にとっては、この上なく嬉しいこと。お手伝いをすることで、物を贈呈するのではなく、行動で感謝の気持ちが伝えるのもおすすめです。離れて暮らす人は、母の日は実家に帰って一緒に過ごすだけでも、母にとっては嬉しいことです。
「肩たたき券」や「お手伝い券」をプレゼントする子ども多いようです。また、家事が少しでも楽になるようにと、少し値が張りますが、お掃除ロボットや電動スライサーなどの家電グッズ、日ごろの疲れを癒してもらえるようにと、マッサージャーやドライヤーなどの健康・美容家電を贈るのも喜ばれます。
最近の母の日の傾向は?
2023年に行った「2024年度母の日に関するアンケート調査(母の日.me)」によると、10~70代の男女(計974名)のうち、2023年、約66%の人が母の日に贈り物をした」という結果でした。また、約66.5%の人が「お母さんとは別々に過ごした」と回答。離れて暮らす人のうち、多くは帰省せず、母の日をお祝したことがわかります。
また、同じアンケートで下記の結果も出ています。
母の日に贈るプレゼントを選ぶときに参考にするもの
- ネット検索で調べて探す…37.8%
- 実店舗に見に行って探す…37.2%
- 欲しい物を聞く…11.0%
贈るギフトの予算
- 4,000~5,000円未満…19.4%
- 2,000~3,000円未満…19.2%
- 3,000~4,000円未満…15.1%
贈りたいもの
- 食品・グルメ…23.2%
- お花・観葉植物…22.6%
- スイーツ…17.5%
インターネットで食品類やスイーツ、お花などのお贈り物を探して、宅急便で送るという人が多いようです。
出典:母の日.me (https://hahanohi.me/)
【2024年度】母の日に関するアンケート調査」(母の日.meより)
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