訪日には、観光目的だけではなく、ビジネストリップの可能性もある。
日本人のクライアントと向き合ったり日本企業で働いたりする際、文化の違いなどで戸惑った経験はないですか? また、訪日には、観光目的だけではなく、ビジネストリップの可能性もある。
そこで、FUN! JAPANで働く外国人スタッフの経験談から、役に立つ情報を紹介!この記事を通して、あなたの日本人相手のビジネスが成功するよう、私たちがサポートするよ。
日本人クライアントとビジネスで会う時のマナーとは?
どの国にも独自のマナーがあるが、特にビジネスシーンとなるとなおさらだ。特に日本では、職場や取引先との打ち合わせなど、様々な場面で、今でも厳格な慣習がある。
早速、日本企業で働いたり、日本人クライアントと接する際に適用されるルールをいくつか見てみよう。
会議や職場は時間厳守。10分前行動すること
時間厳守は、ビジネスにおいて重要なマナーの一つとされている。日本では、時間に対する敬意と責任を示すために、時間厳守が求められる傾向がある。ビジネスパートナーやクライアントとの信頼関係を築くためにも、時間厳守を心がけることはとても重要で、時間ちょうどではなく10分前に到着するのが礼儀とされる。
名刺交換、渡し方と受け取り方
日本では、名刺は細心の注意と敬意を持って扱われており、適切に保管することが重要です。
日本で受け取った名刺を保存する方法に関するいくつかのガイドラインを次に示します。
- 名刺入れに入れて持ち歩く:名刺入れは、日本では名刺とともに重要であり、会議では名刺を入れて一緒に持ち込みます。
- 名刺の受け渡しを丁寧に:受け取ったばかりの名刺に書き込みしたり、財布やポケットに入れたりするのは日本人にとっては失礼に見えるのでNGです。無礼な印象を与えないようにしましょう。名刺を交換する場合は名刺入れの上に乗せて、交換するまで両手で名刺を持ちます。相手から名刺を差し出されたら、同時に相手の右手の親指と人差し指の間にカードを持って行き、自分の名刺を渡します。
- 名刺を並べる:名刺を受け取った後は、書かれている情報に興味を示しつつ、すぐにしまわないで少し眺める時間を取ってください。次に、受け取った名刺を名刺入れに入れます。もし、同じ場所で会議を続けている場合は、名刺を机の目の前にきちんと並べます。座っている人の順番通りに机に名刺を並べるのが一般的な習慣です。
手土産を渡す
手土産を渡すことは、コミュニケーションのひとつであり、心遣いでもあります。日本のビジネスマナーの一部ですが、一般的には必須ではありません。
席へ案内されるまで座らない
打ち合わせや面談などで、相手方に案内されて入室した場合は、すぐに座らず、用意された席に座るよう誘うまで待つこと。配慮と敬意がある行為だと思われます。相手の立場や地位を尊重し、彼らが自分を導くまで待つことで、相手に対する敬意を示すことができるためです。
飲み物や食べ物を出された場合は、受け取ること
飲み物や食べ物をいただいた時には丁寧に受け取って、その場でいただくのが一般的。ですが、ペットボトルは持ち帰っても構いません。また、「どうぞ」と許可を出されてから飲むのが一般的なマナーです。ただし、とても喉が渇いていたり、咳を抑えたりするために飲み物をどうしてもいただきたい時は、「失礼します」と伝えて飲んでも構いません。
日本人クライアントと仕事をして戸惑ったこと
FUN! JAPANに在籍するグローバルスタッフに、日本人クライアントとビジネスで戸惑った経験やことや分からないことなどをヒアリングしました。
- お辞儀は角度によって種類を使い分けている(らしい)。(Jさん / 香港出身)
- 名刺交換の後、どうすればいいのがわかりません。見たり読んだりしても大丈夫か、ケースに入れるか、テーブルの上に並ぶか、正式な流れがまだよく分かりません。(Pさん / タイ出身)
- よく「台湾人はなぜそう思っていますか?」とかに聞かれます。もちろんこの業界で働くので、多少は回答できます。そうは言っても一人の台湾人の意見は全台湾人の代表意見ではないことを理解してほしいです。(Lさん / 台湾出身)
- 名刺交換のルールには最初苦労します。先方様より下にしなければならないとか。また、クライアントとの会議の時、同じ会社の方には「さん」付けなし、その切り替えは最初戸惑います。(Kさん / 台湾出身)
日本のビジネスマナーは厳しすぎる?FUN! JAPANの山内社長にインタビュー
グローバルスタッフの意見をはじめ、日本は少しビジネスマナーが厳しいと感じる人が多そう。なぜこんなに日本はビジネスマナーが厳しいのか? 老舗企業に長年勤め、海外でのビジネス経験も豊富なFun Japan Communicationsの山内社長に意見をぶつけてみた!
海外に比べて日本企業のビジネスマナーは厳しいと感じる?また、日本にはビジネスシーンで気をつけなければならないルールが多いのはなぜだと思いますか?
日本のビジネスマナーは厳しいと感じるかもしれませんが、日本で生まれた人にとっては「そういうものだ」と感じるのが本音です。日本のビジネスマナーは、相手に不快な思いをさせずに良好な人間関係を築く、周囲に対する気遣いを忘れない、相手の時間を無駄にしないという「思いやり」が起源。その思いやりは日本らしいと思います。
さらに、いくつかの日本のビジネスシーンでのマナーについて、山内社長がそれぞれどのように感じているかも伺いました。
●会議が時間厳守
日本はあらゆることに時間厳守で、それは日本の電車や新幹線を見れば分かります。電車が10時出発なら10時5分前に日本人は駅に到着しています。小学校の頃から「5分前行動」を教わっているので、日常生活で自然と5分前行動が染みついているんです。10時に会議がスタートするなら、10時に着席して話し始められるように準備しておくのがマナーと考えておくとビジネスもスムーズに進むでしょう。でも、逆に早すぎて到着してもいけません。相手の時間に配慮できているかどうか、結局は「思いやり」が大切なんだと私は思います。
●お辞儀のマナー
侍社会ではうなじが急所だったそう。なので、ここを見せることで「相手に従います」という意思の表れなんだそうです。
お辞儀は、45度が基本と言われていますが、接客業でなればそこまで角度を意識する必要はないと感じる人が多いはずです。反対に、ハグや握手を会議の挨拶で日本人はしません。その代わり、お辞儀を大切にしている人が多いと思います。
●手土産を渡す
実は、最近の日本でもビジネス上ではあまり手土産を渡しません。季節の変わり目の挨拶である「お中元」「お歳暮」といった贈り物も、コンプライアンス違反にあたる可能性もあるので控える企業が増えています。ただし、本当に御礼をしたい、感謝したい、謝罪したい、ふるさとや自分の国のお土産を知ってほしいという気持ちは否定されません。
外国からビジネスで日本を訪れて、アジアのお土産を渡すのは喜ばれるはずですよ。
●席に案内されるまで座らない
これは、日本の歴史に紐づいていたマナーだと思います。侍の時代、殿様はいつも襲われる可能性があり安全を確認してから部屋に入る必要がありました。だから身分が高い人は、案内されてから部屋の奥に案内されるのかな、と思います。最近は、こうした習慣も薄れてきていて、意識はだんだん薄れつつあるんじゃないかなと思います。
ただ、エレベーターのボタンを偉い人に押させない、というのは自然に行う日本人が多いので、外国の方でもそれができるとクライアントや上司から「おっ」と思われるんじゃないでしょうか?
●来客時に出された飲み物や食べ物に関するマナー
確かに、相手にすすめられるより先に食べることはしないかもしれません。そこには日本人の礼節があって、基本的には相手からお茶やお菓子をすすめられない限りは手をつけないですね、それは「はしたない」となってしまうと考えられるからです。反対に、お客様が来られる場合は先に早く「どうぞ」と言ってあげるようにしています。双方の思いやりが大切なんでしょうね。でも別に、先に手を出したからと言って「失礼」とまでは思われないんじゃないかな。
そしてインタビューの最後、山内社長は日本企業で働いたり、日本人クライアントと仕事をする場合のマナーについて、こうまとめてくれた。
日本のビジネスマナーは思いやりがあれば問題ない!
ビジネスマナーは民族ごとの文化の表れ。マナーは相手への思いやり。相手のことを思いやった結果なら、結果オーライ!時代が変わるごとによって、また新しいマナーができるんじゃないかな。だから、臨機応変にやればいいし、堅苦しく思わないで日本に来てほしいです!
日本でこれから働こうと思っているそこのあなた。日本人とのビジネスだからといって難しく考えすぎなくてもOK!ただ、相手への思いやりを持って接しよう!
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