新宿駅からJR中央線快速で5分足らずでアクセスできる中野。日本のマンガやアニメ、ゲーム、フィギュアなど、いわゆるサブカルチャーを扱う店舗が軒を連ねる「サブカルの街」と名高いエリアなのだ。
今回は、その中心的存在、中野ブロードウェイの2Fに2023年4月にオープンした村上隆プロデュースの「純喫茶ジンガロ」と、4Fの「Tonari no Zingaro」を取材。昭和レトロと最先端技術やアートが融合した、中野の新名所を徹底レポートする!
村上隆プロデュースの店内は写真スポット満載!昭和レトロと最先端技術が融合したアート空間
「純喫茶ジンガロ」は、現代美術作家・村上隆がプロデュースし、作品の世界観と「昭和レトロ」を融合させた話題のカフェ。もともとブロードウェイ内で「Bar Zingaro」という別店舗を運営していたが、コロナ禍での一時閉店を経て、4月にリニューアルオープンしたばかり。店内の内装は、「恵比寿横丁」や「渋谷横丁」を手がけた浜倉的商店製作所の浜倉好宣が担当した。
ポイント1. 昭和レトロな看板や枯山水など日本らしくてユニークな内装
ジンガロの店内は1970~80 年代に日本に多くあった「純喫茶(酒類を置かないカフェのこと)を彷彿とさせる※昭和レトロな内装と、近未来感が融合しており、まず店内入り口では、「純喫茶ジンガロ」の文字が書かれたレトロな看板や花のネオンサインがお出迎え!
※日本では、若い世代を中心に近年ブームとなっている、昭和時代(1926-1989)に流行したお店や雑貨をリバイバルしたもの、当時の雰囲気を感じさせる物のこと。
天井にはカラフルなガラス照明がたくさんぶら下がっており、カウンター席から店内奥にかけて枯山水の川が流れ朱色の橋が架かる、POPさと日本らしさが融合したユニークでありそうでなかった空間。
ポイント2.ゲームテーブルで名作ゲームを楽しめる!
座席は、革張りのソファや花柄のカーペット、壁の陶器タイルなどで、昭和の純喫茶を忠実に再現しており、なんといっても注目なのが全席ともテーブルがテレビゲーム機となっている点!
こうしたゲームテーブルは、日本では1970年代から90年代頃に流行っていたものの一つ。店内で専用のお花コイン(1枚500円)を購入し、投入すれば「ストリートファイター」や「ゼビウス」などおなじみの名作レトロゲームが遊べるようになっている。
こうしたゲームテーブルの座席は、実際の純喫茶でゲームを楽しんでいた世代から、若い世代まで大人気だそうで、コインは絵柄も可愛いので、使わずにおみやげ用で買って帰る人も多いとか。
ポイント4.村上隆プロデュースの作品鑑賞も楽しめる
さらに、店内奥の壁や特大のブラウン管テレビ風モニターでは、村上氏がコロナ禍以降に発表したNFTのアート作品も鑑賞可能。特に、モニター右手の壁は初のNFT作品として販売された「Murakami.Flowers」の展示となっている。これは、村上氏を代表する「花」のアートを70年代のテレビゲーム風ドット絵で表現した作品で、店頭や4Fのショップ「Tonari no Zingaro」のショップでは、この作品の絵柄が用いられたグッズなどを購入することができる。
村上氏がNFT作品を制作したきっかけには、コロナ禍でオンラインゲームが大流行し、ゲーム上で友だちと花火を観るなど、リアルと同じように人々がデジタルの世界の中にも美を見出してコミュニケーションを楽しんでいる様子にインスパイアされたからだそう。
昭和レトロとWEBの最先端技術NFTが混在するこの純喫茶ジンガロは、まさにリアルデジタルとが行き来する場所なのだ。
ポイント5. 可愛くておいしい!本格スイーツやこだわりのドリンクも充実!
ここまで外観や内装を紹介してきたが、カフェといえばやはり気になるのはスイーツやドリンクメニュー。ジンガロではお花をモチーフにしたスイーツやドリンクが提供されており、スイーツメニューは「となりの開花堂」のパティシエが商品開発し、コーヒーメニューは店で焙煎した豆を使っているこだわりっぷり!
今回は、中でも人気のお花プリンとカフェラテにTRY!お花クッキーが添えられたプリンは喫茶店らしい固めのしっかりしたプリン。パティシエがオーブンで60分蒸して1つ1つ手づくりしているそうで、スプーンですくって口に入れると濃厚な卵のうまみと滑らかな口当たりが楽しめる。
ドリンクメニューは、今回いただいた「お花」のカフェラテ以外にも各種コーヒー類がある他、抹茶ラテ、メロンフロートやコーヒーフロート、バナナシェイクやコンブチャなど種類豊富。スイーツメニューも、「お花コーヒーゼリー」、「お花パンケーキ」などインスタ映え抜群だ!また、おみやげに通販でも大人気のお花のクッキー缶の購入もできるので、ぜひチェックしてほしい。
日本らしい小物からPOPなグッズ、アパレルまで網羅! Tonari no Zingaro
中野ブロードウェイ4Fに店舗を構えるTonari no Zingaroは、村上隆のグッズやアパレルを購入できるショップ。
特に人気なのが様々な配色や表情のFlower Cushion。直径60cmと30cmの2種類のサイズがあるため、異なるサイズと色を、インテリアに合う商品を購入する人が多いそう。表面と裏面が違ったり、笑顔の表情の商品が多い中、表情が違うものがあったりと、遊び心満点!また、絵画作品などでもおなじみの親子パンダの姿も。
また、入り口入ってすぐのレジ前ショーウィンドウには、製菓ブランド「となりの開花堂」の「Murakami.Flowersレインボークッキー缶」をはじめ、パズルやキーホルダー、お花型のゲーム機で「おはなちゃん」を育てる「フラワーゴーウォーク」なども陳列されている。中には、こけしなど日本らしいアイテムもあるので、ぜひ店頭をのぞいてみては?
4Fには純喫茶ジンガロ跡地も!?通路のシャッターもSNS映えスポット
4Fには他にも村上隆ワールドが楽しめる写真映えスポットがある。Tonari no Zingaro向かいの純喫茶ジンガロ跡地と、通路のシャッターだ。
特に、ジンガロ跡地のドアには「CLOSE」の札がかけられ、ガラス部2か所に「店舗移転のお知らせ」という注意書きの日本語版と、英語版が貼られている。実はこれは完全なるダミーの跡地で、元々4Fにあった店舗が2Fに移転し現在のジンガロになったというストーリー設定なのだそう。筆者も実は取材時にまんまと騙されたのだが、ヴィンテージに見えるような加工を用いて、まるで本当の喫茶店跡地のような雰囲気を出しているそうで、映え要素満点!
また、カイカイキキやお花が所せましと描かれた通路のシャッターにも注目!笑顔のカラフルなお花たちと、喜怒哀楽さまざまな表情のカイカイキキたちを背に写真を撮れば、友達にも自慢できるはず!
- 純喫茶ジンガロ, Tonari no Zingaro
- 東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ2F(純喫茶ジンガロ),4F(Tonari no Zingaro)
- アクセス:JR中野駅より徒歩6分
- 営業時間:12:00〜19:00(純喫茶ジンガロ),12:00〜17:00(Tonari no Zingaro)
- 定休日:火水(純喫茶ジンガロ),不定休(Tonari no Zingaro)
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