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日本の瀬戸内海沿岸地域は、温暖で少雨の気候のおかげで、自転車を使った各観光スポットへの移動がそんなに苦ではありません。そのため、瀬戸内海をはじめ各所に世界に誇れるサイクリングコースが生まれました。
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二年に一回開催されるイベント「サイクリングしまなみ」で使用されるしまなみ海道は、日本だけでなく、海外でも「憧れのルート」とされています。ですから、今回、読者のみなさんに「しまなみ海道」の魅力を紹介するために、FUN! JAPAN編集部も「サイクリングしまなみ2022」にチャレンジしてみました。
海外自転車マニアに愛される「しまなみ海道」とは?
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「しまなみ海道」は本州の中国地方に位置する広島県尾道市と四国の愛媛県今治市の間に点在する向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島という、瀬戸内海に浮かぶ六つの島々を7つの橋で結ぶ、全長約70キロの道路です。
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しまなみ海道は、日本唯一の自転車歩行者道とバイク道が併設されている自動車道です。そのために、 自転車に関する施設の備えは万全です。自転車を漕ぎながら、瀬戸内の景色を満喫できるうえ、しまなみ海道に沿う観光スポットを観光したり、道の駅でご当地グルメを楽しんだりするのも、サイクリストの間で好評です。
国際的な一大イベントである「サイクリングしまなみ」
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2019年11月に国から「ナショナルサイクルルート」として指定され、世界有数の自転車聖地になった「しまなみ海道」には、世界各国からのサイクリストが集まります。大会期間中、この自転車歩行者道・バイク道が併設されている自動車道は、自転車専用車道になり、開放感あふれるサイクリングを楽しむことができます。
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この大会は、順位やタイムを競うレースではなく、サイクリングを楽しむイベントです。ゆっくりなスピ―ドの人も、素人でも楽しめるよう、30キロから140キロまでの計8コースを用意しています。子供(小学校4年生以上)から大人まで、初心者からプロまで、興味があればそれぞれのニーズに合わせ、大会を申し込むことができます。
「2022サイクリングしまなみ」体験談
参加準備
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大会開催一週間前、ゼッケン3枚と契約書が家まで届きます。ゼッケンは安全ピンでヘルメット、ウェア(またはリュック)、自転車に取り付けます。そして、契約書内容の記入とサインを終え、当日受付のスタッフにお渡しします。
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安全や天気にも考慮し、推奨されている携行品はグローブ、ヘルメット、サングラス、防水リュック、ウインドブレーカーやサイクルパンツなどの基本的なスポーツウェアや防寒着です。途中に、エイドステーションが数キロ間隔で設置されているため、補給食は少量でいいです。
当日注意事項
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今回は大会に参加するためのツアーに参加しました。当日は福山のホテルを4:00に出発し、集合場所の向島運動公園でレンタサイクルを受取りました。持参でもレンタルでも、一斉に受け取ってから組み立てます。準備終了後、スタート位置に移動します。
一つ注意しなければいけないのは、スタート位置から1番目のエイドステーションまでの区間にトイレが設置されてないこと。出発前までにトイレは済ませておいた方が良いです。
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数千人の参加者をいくつのグループに分け、それぞれのスタート位置から出発するので、自分のゼッケン番号をしっかりと確認してください。間違ったら、たいへんなことになるかもしれませんよ。
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秋の瀬戸内海は、朝晩の気温差が激しく、大会ではさらにつめたい海風が吹く島々を自転車で走行することになります。防寒対策はしっかりしましょう!
いざ出発!GO!
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しまなみ海道に入ると、目の前に広がるのは、瀬戸内海島々の絶景と立派にそびえている大橋です。大会スタッフの案内と暖かい声援の中走るので、間違ったルートで走行するという心配はありません。
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さらに、沿道には、公式スティックバルーンやハンカチを持って応援してくれる地元のおじいちゃん、おばあちゃんのかわいい姿も見られます。
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各コースではいくつのエイドステーションを設けます。ステーションで提供する補給食もそれぞれですが、主にご当地グルメです。私が参加したAコースには3つのエイドステーションがあり、補給食のほかに太鼓ショーや無料マッサージなどのサービスもあり、参加者たちの疲れた体と心を癒します。
ゴール!
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Aコースのスタート時間は朝7時頃で、ゴールに到着したのは12時半でした。予想より、2時間も早かったです(自転車の返却とシャトルバスの搭乗時間を間に合うために、猛ダッシュしました。)ゴールで待ってくれたのは、歓喜の声を上げていた観客ではなく、黙々と案内した大勢のスタッフでした(笑)。
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アドバイス
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「サイクリングしまなみ」に参加する場合、イベントの使用可能車種であれば持参することができます。もしくは、現地でクローズバイクや「E-Bike」をレンタル。しかし、一日最長35キロしか乗ったことない私にとって、今回参加した全長約70キロのAコースには、不安な要素はいっぱいありました。ハーフマラソンだけの経験を持った人がいきなり42キロのフルマラソンに参加するようなものです。また、ルートの情報もあまり把握していなかったからです。熟考を重ねた結果、変速ギア付きの「E-Bike」をレンタルすることを決めました。
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3段変速ギア付きの「E-Bike」について、大会スタッフの説明によると、強いモードのままだと、バッテリーの使用時間は約40キロで、弱いモードなら約80キロまで走行することができます。悠々と70キロを完走しようと思うなら、「E-Bike」の電動アシスト機能とギアの切り替えは大事です。
幸い、Aコースにおいて、橋や一部の坂を除いて、大半のルートは平地でした。また、後半の体力を考えると、前半には電動アシスト機能はほとんど使わなかったです。ですから、ゴールに着いたとき、バッテリーはまだ残り63%でした。それを見た瞬間、「私ってすごいなぁ~」と鼻が高くなりました。ですから、私みたい心配性の人には、「E-Bike」をおすすめします。
大会概要
- 名称:サイクリングしまなみ
- 開催日程:毎年10月、二年に一回(次回は2024年)
- 公式サイト:https://cycling-shimanami.jp/
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