ルールだらけ!?賽銭、結婚式、葬式…お金に関する日本の習慣

ルールだらけ!?賽銭、結婚式、葬式…お金に関する日本の習慣

日本では、結婚式やお葬式、新年など、様々な場面で誰かにお金を贈る習慣があります。この記事では、そんなお金にまつわる日本の習慣やルールをご紹介!あなたの国と比較して、興味深いと感じた点があったら、ぜひコメントを投稿してください!

お賽銭は5円が良い!?

お賽銭は5円が良い!?

日本の神社やお寺を訪れたことがある人は、お賽銭箱(神社やお寺を参拝するときに納めるお金を入れるための箱のこと)にお金を入れた経験があるかもしれません。ちなみに、その賽銭箱にいくらぐらい入れましたか?

本来、お賽銭の金額にルールはなく、自分の好きな金額を賽銭箱に入れれば良いのですが、日本人のなかには、5円玉を入れるのが良いと考えている人がたくさんいます。

お賽銭は5円が良い!?

その理由は、「5円」の発音と関係があります。5円はgo-enと発音します。この発音は、fate/destiny/good relationshipなどの意味を持つ「ご縁」という言葉と同じです。そのため、「お賽銭箱に5円を入れると良い出会いに恵まれる」と考える人が多いのです。

もう一つの理由は、5円玉の真ん中には穴が開いていることです。その穴から目の前の景色を見ることができるので、「未来の展望が良い」と考える人もいます。

一方、お賽銭箱に入れるお金として、避ける人が多いのが10円です。「10」は、juuと発音する以外にtouという発音もあります。10円を「tou-en」と発音する場合(※juu-enと発音するのが一般的ですが。)、「遠縁(良い縁から遠ざかる)」と同じ発音になるため、縁起が悪いと考える人が多いのです。

しかし、先ほども述べたように、お賽銭の金額に決められたルールはありません。1円でも5円でも10円でも、硬貨でも紙幣でも、あなたが入れたい金額をお賽銭箱に入れるのがベストでしょう。

正月に子どもにあげるお金「お年玉」

正月に子どもにあげるお金「お年玉」

お正月に、自分の子供や甥、姪、孫にお金をあげる習慣がある国は、日本だけではないでしょう。日本では、このお金を「お年玉(otoshi-dama)」と呼びます。

「ポチ袋(pochi-bukuro)」と呼ばれる、お年玉を入れるための小さな封筒があり、この封筒にお金を入れるのが一般的です。

お年玉の金額は?

お年玉の金額に決まったルールはありませんが、お年玉をもらう人の年齢が上がるにつれて、金額が大きくなるのが一般的です。

以下は、住信SBIネット銀行が2020年に公開したお年玉に関する調査の結果です。 お年玉としていくらあげたかを、あげた相手の学年別に調査したもので、最も多い金額帯は以下のようになりました。

小学生未満        1,000円未満
小学校1~3年生
1,001円~3,000円
小学校4~6年生
3,001円~5,000円
中学生、高校生、大学生
5,001円~10,000円

お年玉の夏バージョン、「お盆玉」

お年玉の夏バージョン、「お盆玉」

お年玉は、新年のお祝いとして日本に根付いた習慣です。一方で、最近広まりつつある習慣が、「お盆玉 (obon-dama)」です。

「お盆」とは祖先の霊を祀る行事を行う期間で、一般的に8月15日ごろの数日間のこと。多くの日本人はこの時期に夏休みを取って家族が暮らす故郷に帰省します。子供がいる人は、子供を連れて実家に帰るため、彼らの両親にとっては、孫に会える貴重な機会となります。そのため、久しぶりに会った孫に「お盆玉」と呼ばれるお金をあげるのです。いわば、お年玉の夏バージョンです。

お盆玉は、江戸時代(1603~1868年)の山形エリアで始まったと言われています。当時、山形では主人がお盆時期に、自分の奉公人(武士の家や商人の家に雇われて家事や仕事の手伝いをする人)にお小遣いをあげる風習があり、これがお盆玉の起源とされています。

三井住友カードの調査(2018年)によれば、日本の子供の3人に1人がお盆玉をもらっています。 また、お盆玉の金額は、お年玉に比べると少ない傾向にあります。

ルールがたくさん!結婚式の「ご祝儀」

ルールがたくさん!結婚式の「ご祝儀」

日本では、結婚式の出席者が新郎新婦にお祝いのお金を渡す習慣があります。このお金を「ご祝儀 (goshugi)」と呼びます。ご祝儀にはいくつかのルールがあり、守らないと新郎新婦から失礼な人だと思われる可能性があります。

ご祝儀には未使用のお札を使う

ご祝儀には未使用のお札を使う

ご祝儀を入れるための封筒は「ご祝儀袋 (goshugi-bukuro)」と呼ばれます。ご祝儀袋に入れるお札は、折り目やシワがついていない新札(発行されてから一度も使われていないお札)が良いと言われています。

新札を使う理由は、いくつかあり、一つ目の理由は、カップルが新たな生活をスタートさせる結婚式には、新しいお札がふさわしいから。

もう一つの理由は、出席者が新郎新婦に対して「結婚式に出席するためにしっかり準備をしました。」というメッセージを伝えるためです。新札を手に入れるためには、銀行や郵便局に行き、古いお札と交換してもらう必要があります。このような手間をかけて用意した新札は、「あなたたちの結婚式が楽しみだから、しっかり準備をしました。」というメッセージになるのです。

頭の数字が奇数でないといけない

ご祝儀の一般的な金額は30,000円です。新郎新婦の上司の場合は50,000円やそれ以上の金額を渡します。そして、金額は、「3」や「5」など、頭の数字が奇数である必要があります。その理由については、こちらの記事で紹介しています。

新札はダメ!お葬式の「香典」

新札はダメ!お葬式の「香典」

親族や知り合いのお葬式に出席する時に渡すお金のことを、「香典 (kouden)」と呼びます。香典は、故人にたむける線香や花といったお供え物の代わりと位置づけられています。

香典の金額は、故人との関係の深さによって変わります。亡くなった人が自分の親の場合は100,000円、兄弟であれば50,000円、その他の親類は10,000円が一般的です。仕事の同僚や友人の場合は5,000円が一般的ですが、関係の深さによっては数万円の場合もあります。隣人や近所の人なら3,000円か5,000円が一般的です。

4や9が付く金額はダメ

4,000円や9,000円など、「4」や「9」で始まる金額はダメです。「4」の読み方には、yonやshiがあり、このうちshiは、「死 (death)」と同じ発音だからです。また、「9 ku」は「苦 ku (sufferingの意味)」を連想させます。

香典に新札はダメ

結婚式のご祝儀では、折り目のない新札を渡すのがルールだと紹介しましたが、香典の場合は、新札を使うのは失礼だとされています。先ほど述べたように、新札を手に入れるためには、銀行に行くなどの準備が必要です。香典に新札を使うことは、「その人が亡くなることを予期して、葬式に出席する準備をしていた」というメッセージになってしまうのです。手元に新札しかない場合は、意図的に折り目やシワをつけることが推奨されています。

いかがでしたか?あなたの国のお金のルールと同じ点や異なる点があったら、ぜひコメントを下さい!


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