【名城シリーズ】海、湖、河川などに面して築かれた城「日本三大水城」

水城(みずじろ)とは、海や川、湖に面している城のことを指します。そのため、海城(うみじろ)とも呼ばれます。海や川、湖が堀の代わりとなって城を防御する役割を果たしてくれます。一般的に、愛媛県の今治城、香川県の高松城、大分県の中津城が「三大水城」と呼ばれています。今回は、その「三大水城」について紹介します!

日本屈指の海城「今治城」

愛媛県今治市の瀬戸内海沿岸に佇む「今治城」は、江戸時代に建てられた日本屈指の海城。築造したのは、戦国武将の藤堂高虎(とうどうたかとら)。1602年に築城を開始し、約6年を経て完成しました。地の利を活かし、城を囲む堀には海水が引き込まれており、鯛などの海水魚の姿を見ることができます。当時は日本国内最大級の船入(城の港)を完備していたこともあり、交通の要所としても機能していました。ちなみに、今治城の天守は、日本最初の層塔型天守であったとも言われいます。

また、ここは桜の名所としても知られ、敷地内に植えられたソメイヨシノが日本の春を美しく彩ります。晴れた日には、天守閣から瀬戸内海なども一望することができ、四国の絶景を堪能できます。

スポット情報

  • スポット名:今治城
  • 住所:愛媛県今治市通町3丁目1-3
  • 開館時間:午前9時~午後5時
  • 休館日:12月29日~12月31日
  • 観覧料:一般520円/学生260円/高校生以下または18歳未満 無料/高齢者(65歳以上)420円
  • アクセス:予讃線「今治駅」からせとうちバス「今治営業所行き」で約9分「今治城前」下車

香川県の海に浮かぶ城⁉「高松城」

画像提供:(公社)香川県観光協会

高松城は、またの名を玉藻城。その由来は「万葉集」で柿本人麻呂が讃岐の国の枕詞に「玉藻よし」と詠んだことにちなんで、このあたりの海が玉藻の浦と呼ばれていたことによると言われています。瀬戸内海に面した平地に築かれており、三重の天守を擁し、水門を設けて内堀・外堀に海水を引き入れ、船倉を設置して軍船を配備した水城でした。現在は玉藻公園として整備されていて、天守、北の丸月見櫓、水手御門、旧東の丸艮櫓(うしとらやぐら)、石垣、堀などが現存します。

スポット情報

  • スポット名:高松城(玉藻公園)
  • 住所:香川県高松市玉藻町2-1
  • 開館時間:午前9時~午後5時
  • 休園日:12月29日から12月31日まで
  • 入園料:大人(16歳以上)200円/小人(6歳以上16歳未満)100円/ 6歳未満 無料
  • アクセス:JR「高松駅」下車 徒歩約5分

名軍師・黒田官兵衛が築いた「中津城」

大分県中津市の中心部、中津川の河口沿いに位置する「中津城」。堀に周防灘の海水が引き込まれ、潮の干満によって水位が変わる仕組みになっています。また、中心に本丸、北に二の丸、南に三の丸があり、扇形をしているため、「扇城」とも呼ばれています。中津城は、黒田官兵衛が築城し、細川忠興が完成させました。黒田官兵衛と言えば、2014年には、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で取り上げられ、話題となりました。築城中にこの地を離れたため、その後に入城した細川忠興が引き継ぎ、中津城を完成させました。

中津城の特徴の一つは、九州最古とされる石垣。黒田時代の石垣が四角に加工された石を使用して頑丈に作られている一方、細川時代のものは、自然の石の形を生かして組まれています。明らかに造りの異なる石垣が一続きになっていて、時代の違いがはっきり分かります。

スポット情報

  • スポット名:中津城
  • 住所:大分県中津市二ノ丁本丸
  • 開門時間:午前9時~午後5時
  • 休城日:年中無休
  • 入城料:大人(高校生以上)400円/子供(6歳以上16歳未満)200円/未就学の乳幼児は無料
  • アクセス:JR日豊本線「中津駅」下車徒歩約15分

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