日本の家庭では、特別なお祝いする時、食卓にお赤飯が出されます。その理由は、その昔、赤い色には魔除けや幸運を呼ぶ力があると信じられていたから。現在では、お赤飯は主に縁起を担いぐために食べられています。
この記事では、お赤飯の歴史や、どんなお祝いの際にお赤飯が出されるのか紹介します。
記事の最後に、炊飯器を使ったお赤飯の作り方の動画を載せていますので、是非チェックしてくださいね ♪
お赤飯について
お赤飯の歴史と由来
お赤飯とは、もち米と小豆(あずき)、そして小豆のゆで汁を入れて炊いたご飯のことです。お米が炊きあがると、ご飯が小豆の赤色に染まることから「お赤飯」と呼ばれています。
現在のお赤飯の材料はもち米や小豆ですが、昔は赤米が使われていました。赤米とは縄文時代に中国大陸から日本に伝わってきたお米(インディカ種)で、炊き上がるとちょうどお赤飯のような色になります。平安中期の「枕草子」には、「小豆粥」としてお赤飯の原形となる食べ物が登場します。お赤飯がお祝いの場面で食べられるようになったのは室町時代で、江戸時代後期には一般の庶民のハレの日(特別な日のこと)の食卓に広まりました。
なぜ、お祝いの席でお赤飯を食べるの?
日本では古くから赤い色には邪気を祓う力、災いを避ける力があると信じられていました。加えて、お米が高級な食べ物であったことから、神様に赤米を炊いて供える風習があったようです。また、縁起が悪いことがあったときに縁起が良くなるように願う「縁起直し」としてお赤飯を食べる習慣もあります。現在は、主に何かをお祝いしたり、縁起を担ぐ際にお赤飯を食べるのが一般的です。
お赤飯は、以下のようなお祝い事の席で食べられています
- 帯祝い : 妊娠して5か月目に、胎児の無事成長を祈って腹帯を締める儀式
- 出産祝い・誕生祝い
- 初節句:赤ちゃんが生まれて初めて迎える「節句」(節句とは「季節の変わり目」のこと)
- お食い初め :「これからの人生で食べることに困らないように」という願いを込めて、赤ちゃんの生後100日目に行う儀式
- 七五三 :男児は3歳と5歳、女児は3歳と7歳に11月15日を吉例としてお祝いする
- 入学祝い・卒業祝い・就職祝い・成人祝い
- 上棟式の祝い:上棟とは、建物を建てる時に、屋根の一番高い位置に「棟木」(むなぎ)という木材を取り付けること。上棟式の祝いは、神様に上棟までの工事が終了したことを報告し感謝を捧げるとともに、建物の完成までの安全と建物が末永く堅固であるよう祈願する儀式
- 還暦祝い(60歳)
- 古稀祝い(70歳)
- 喜寿祝い(77歳)
- 米寿祝い(88歳)
- 白寿祝い(99歳)...など
お赤飯のレシピ&作り方
今回は、炊飯器を使った簡単なお赤飯の作り方を紹介します.
お赤飯の材料(4人分)
- もち米…2.5カップ
- ささげまたは小豆…50g
(A)
- お酒…大さじ1
- 塩…小さじ1
★食べるときに黒ごまと塩…少々(日本のスーパーや100円ショップで黒ごま塩があれば、使用OK)
お赤飯の作り方(4人分)
1. ささげ(または小豆)の下ごしらえ
- はじめに50gのささげをさっと洗って水気を切ります。鍋に入れて400 ml の水を加え、中火にかけます。
- 沸いたら火を一番弱くして、20分間でささげをゆでます 。(ゆでこぼしても、差し水を追加する必要はありません)
- 20分後に豆を一粒食べてみて、中まで火がと通っているかを確認します。 (火通りが甘ければ追加で数分ずつ状態を見ながらゆでてください)
- 火が通っていれば鍋を火から外してそのまま冷やします。人肌ぐらいの温度まで冷める間にも、少し火が通って、豆がふっくらしてきます。
2.お赤飯のもち米の下ごしらえ
- ささげをゆでている間に、もち米は軽く研いで水につけておきましょう。(30分が目安)
- 工程➀のゆで汁が冷めて、もち米の浸水も完了したら、もち米をざるに上げして水気を切り、炊飯器に移してそこにゆで汁を全量加えます。(※ささげを入れるのは水加減の調整が終わった後なので、このタイミングではゆで汁のみ入れます!)
- ささげのゆで汁を全量加えたら、Aの調味料の酒大さじ1を先に加え、2.5合分の目盛まで水を加えます。(炊飯器におこわ専用コースがあれば、その目盛を基準にしてください)
- 水加減の調整が完了したら、Aの調味料の塩小さじ1を加えて、全体を軽く混ぜます。
- 最後にささげを上に広げ入れて、炊飯器にセットします。
3. 炊飯器で作るお赤飯の仕上げ
- 炊飯器にセットしたら、炊飯開始ボタンを押します。(炊飯器におこわコースがあれば、選択する)
- お赤飯が炊き上がったら、全体を底からさっくりと混ぜて、出来上がりです。食べる時は、黒ごまや、ごま塩などを適量ふりかけていただきましょう!
炊飯器より手軽に作るお赤飯
もち米や小豆などの材料を集めて家で作っても良いですが、最近ではインスタントのお赤飯や、お赤飯の素などをスーパーや100円ショップなどで手軽で買うことができます。お祝いの時だけでなく、晩ご飯で食べたり、おにぎりにしても良いでしょう。
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