日本の昔話・民話一覧|桃太郎、金太郎、七夕など13選のあらすじとその魅力を解説

  • Feb 21, 2025
  • Sept 11, 2021
  • Lily Baxter

日本に古くから伝わる昔話や民話。昔話と一言でいっても、教訓が含まれる話、勧善懲悪の話、主人公が幸運を掴む話、怪異や妖怪の話など、さまざまなジャンルの物語があります。

また日本の民話や伝説は、文字ではなく口伝えで時代を越え伝わったものが多いため、語り手が言葉を足したり、内容を変えてしまうことも。そのために、ストーリーや登場人物像などが地域によって違う場合があるのも特徴です。

現在、昔話とされているものの発祥は、およそ14世紀頃、もしくはそれ以前にまでさかのぼります。日本の有名な民俗学者である柳田國男(やなぎだくにお)は、全国各地で古くから親しまれてきた物語や伝説を「日本の昔ばなし」として集め、たくさんの著書を執筆し後世に残そうとしました。
今回は、中でも特に有名な「桃太郎(ももたろう)」「さるかに合戦(がっせん)」「花咲かじいさん」「かちかち山」「したきりすずめ」をはじめとする日本人にとって定番の昔話と日本の年中行事のもとになった物語を紹介します。

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1. 桃太郎

日本の昔話の中でも特に有名な桃太郎の物語。桃太郎の伝説は全国各地に残っていますが、岡山県が舞台とされる説が知られています。理由の一つが、岡山県の昔の呼び名である「吉備(きび)の国」が、鬼退治の時に桃太郎が持参した「きび(黍)だんご」と同じ名称ということもあります。きびだんごは岡山のお土産としても人気です。

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桃太郎の鬼退治

ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、巨大な桃が「どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。、おばあさんが桃を家に持ち帰り切ってみると、桃が割れて小さな男の子が出てきたのです。子どもがいなかった夫婦は喜び、「桃太郎」と名づけて大切に育てました。

それから数年後、大きくなった桃太郎は、鬼が悪さをしていると耳にし、鬼ヶ島(おにがしま)へ退治しに行くことを決意します。こうして鬼退治に出かけた桃太郎は、旅の途中で犬、猿、キジに出会い、母からもらったきびだんごと引き換えに鬼退治を手伝ってもらうことに。

船で鬼ヶ島に着いた桃太郎の一行は、鬼達が酒盛りをしているところに攻撃をしかけます。不意をつかれた鬼を倒した後、鬼達の宝物を村へと持ち帰って、桃太郎は両親と一緒に幸せに暮らしました。

2. 鶴の恩返し 

「鶴の恩返し」は、おじいさんが罠にかかってしまった鶴を助けて、その鶴が恩を返すためにやってくるが、やがて正体を知られて空へ帰ってしまう、という話です。
日本ではとても人気のある物語で、「人の善意に感謝し恩を返す」というシンプルな教訓が込められています。このストーリーに類似する物語は日本全国で報告されており、各地でさまざまなバリエーションがあります。また、動物が人間に恩返しする物語は他にも無数に存在し、サルやツル、スズメ、キツネなど、いろんな動物が登場します。

鶴の恩返しのアナザーストーリー

もっとも一般的な「鶴の恩返し」のあらすじは、前述の通り、おじいさんが山へ柴刈りをした帰りに、沼の近くで猟師の罠にかかって苦しんでいる鶴を見つけて助け、その鶴が恩返しとして人間の娘に化けて美しい布を織りにやってくるが、やがて正体を知られて空へ帰ってしまう、というストーリーです。

ところが、地域によっては、おじいさんが若者として描かれ、娘に化けて恩返しに来た鶴を妻にする「鶴女房」という物語もあります。「鶴女房」のあらすじは次の通りです。

ある若い農夫が畑仕事をしているときに、矢で射られた美しい鶴を見つけたことから始まります。かわいそうに思った農夫は、その矢を慎重に抜いて傷を手当てしてあげたあと、鶴を解放しました。

その日、農夫が家に帰ると美しい女性に迎えられ、結婚したいと言われます。貧しい農家の収入では養えないと農夫は心配になりましたが、その女性に説得されて結婚し、幸せに暮らしました。
ある日妻は、夫に「決して入らないで」と言って、狭いはた織りの部屋に閉じこもってしまいます。数日後、痩せて出てきた妻は、夫に美しい織物を見せて、市場で売ってくるよう頼みました。夫が市場に行くと、その織物はとても高値で売れ、2人は裕福になりました。
数日後、妻がふたたび機織り部屋へ入っていくのをみて、夫は「糸がないのにどうやって布を織るのだろう」と好奇心を抑えきれなくなり、部屋をのぞき見してしまいます。すると、部屋の中では一羽の鶴が自分の羽を使って布を織っていたのです。

夫は、妻が実は助けた鶴だったことに気づき、また鶴は「自分は助けてもらった恩返しで来ましたが、正体を知られてしまった以上、ここにはもういられませんと言って去ってしまいました。

3. 竹取物語(かぐや姫)

竹から生まれた「かぐや姫」で知られる竹取物語(たけとりものがたり)。諸説ありますが、10 世紀、平安時代初期の頃に成立した、現存最古の物語文学とされ、作者は不詳です。 多くの歌人の和歌を集めた「万葉集(まんようしゅう)」や、紫式部(むらさきしきぶ)の書いた「源氏物語(げんじものがたり)」にも登場します。現代、子ども達に読み聞かせする「かぐや姫」の物語は、この「竹取物語」をシンプルにしたものです。

近年ではスタジオジブリで映画化されたほか、「美少女戦士セーラームーン」「NARUTO」などの人気アニメのストーリーにも影響を与えていると考えられます。

竹取物語のあらすじ

この物語は、1人の年老いた竹伐り職人が光る竹を見つけるところから始まります。その竹を切ってみると、親指ほどの大きさの女の赤ちゃんがいました。職人は妻との間に子どもがいなかったため、赤ん坊を連れて帰り、その子を「なよたけのかぐや姫」と名づけて育てることにしました。

やがて美しい女性に成長したかぐや姫には、たくさんの求婚者が現れます。かぐや姫は、求婚してきた5人の貴族にそれぞれ、仏の御石(みいし)の鉢、龍の頸(くび)に光る玉、火鼠(ひねずみ)の皮衣(かわぎぬ)、燕(つばめ)の子安貝(こやすがい)、蓬莱山(ほうらいさん)にある宝石のついた枝を持ってくる、という5つの無理難題を出します。
結局、求婚者のうち3人はニセモノを本物の宝と偽って差し出し、1人は諦め、そして最後の1人は死んでしまいます。その後、かぐや姫のうわさを帝(みかど)が聞きつけプロポーズしますが、恋文のやりとりの末、やはり断ってしまうのです。

5人の皇子や帝など、何度も求婚者が現れるのにまったく結婚しようとしないかぐや姫。さらに夜毎に月を見上げては、悲しそうにしている姫の姿のを見て、夫婦はとても不思議に思いました。
そんなある夜、月を見ていたかぐや姫は、夫婦に自分が実は地球人ではないことと、月に帰らなければならないことを告げます。
その後、帝に最後の手紙を書いた姫は、不老不死の薬を渡して月に帰ってしまいました。

かぐや姫が月に帰ってしまって悲しみにくれ、生きる希望を失った帝は、日本で一番高い山の山頂で不老不死の薬を焼いてしまいます。
この不老不死の薬を焼いたことから、「不死山(ふじさん)」という言葉が生まれ、のちの時代に「富士山」という名称になったとされています。

4. 七夕伝説

七夕(たなばた)は、毎年7月7日に行われる日本の年中行事です。
離ればなれになった織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)のカップルが一年に一度だけ再会できる日で、笹に願いごとを書いた短冊と呼ばれる紙の吊るし飾りをつけて祝うイベントです。

7月~8月の初旬にかけては全国各地で七夕まつりも開催され、中でも特に宮城県の仙台で開催される「仙台七夕まつり」 が有名です。

七夕の伝説

七夕は「節句」と呼ばれる中国から伝わった暦にまつわる風習が由来の行事です。そのため、七夕のストーリーも中国に由来しています。

天の川(あまのがわ)のほとりで美しい布を織る仕事をしていた織姫。毎日、機織りの仕事ばかりしていた織姫は、心配した父親である天帝(てんてい※)」の計らいで、飼いの彦星という青年と出会います。二人は恋に落ち結婚しますが、それ以来二人とも仕事を放棄するようになり、天帝の怒りを買ってしまいました。天帝は二人を川の両岸に引き離し、二度と会ってはならないと命じました。しかし、悲しみのあまり二人とも毎日泣き暮らすので、とても仕事になりません。そこで天帝は、二人がまじめに働くことを条件に、年に1度、7月7日の夜だけ二人を会わせることを約束します。

待ちに待った七夕の日はまさかの雨。天の川の水かさが増して会うことができない、と悲しみにくれたその時、どこからともなくカササギの群れが現れ、羽を使って橋を作り、二人が川を渡れるようにしてくれた、ということです。

彦星は「牽牛(けんぎゅう)」、織姫は「織女(しゅくじょ)」と呼ばれることもあります。また、織姫と彦星はそれぞれ星の名前でもあり、彦星はわし座のアルタイル、織姫はこと座のベガという星のことを指しています。

※天空でいちばんえらい神様

5. 金太郎

5. 金太郎:Kintaro

金太郎は、生まれつき驚異的な力持ちで、動物たちとも仲良しのヒーローとして描かれます。
金太郎は、武将・坂田金時(さかたのきんとき)の幼名と同じで、彼の幼少時代の伝説を物語としたものという説もあります。そのたくましい姿から、子どもの成長を願う日本の祝日「こどもの日」に飾る五月人形のモデルにもなっています。

金太郎の冒険

金太郎の物語のあらすじは、地域によって様々なバリエーションがありますが、いずれも森の中で育ったという点が共通しています。
母親と一緒に暮らしていたり、父親が死んで、一人で生活するようになったりと彼の境遇はさまざま。

しかし、生まれつきの力持ちで、山の動物と仲が良く、相撲を取って遊んでいたことや、手斧(ておの)を持ち、赤い生地に「金」と漢字が入った腹掛けを着ていたことなどは共通しています。

物語の中の金太郎は、森の中で暴れまわり、熊などの動物と相撲をとったり、鬼を倒したりと大活躍!そして、大人になった彼が平安時代中期の武将で時の権力者・源頼光(みなもとのよりみつ)と出会い、その力量を認められて家来となったと伝えられています。

金太郎の舞台は足柄山(あしがらやま)とされており、神奈川県の人気温泉地・箱根の近くに位置しています。小田急線足柄駅の前に金太郎のモニュメントが設置されるなど、金太郎スポットが点在しています。

6. 浦島太郎

浦島太郎(うらしまたろう)は海岸でいじめられていた亀を助け、お礼に竜宮城へ招かれます。そこに住んでいた乙姫(おとひめ)と楽しく過ごしますが、やがて地上が恋しくなり、帰ると知らぬうちに100年が経っていたのです。乙姫にお土産としてもらった玉手箱を開けると、浦島太郎はたちまち白髪の老人になってしまいました。

7. 一寸法師

背丈が親指ほどの小さな一寸法師(いっすんぼうし)は、侍になるために京(みやこ)を目指して旅に出ます。お姫さまに出会い、護衛についたところ鬼に襲われてしまいます。ですが、一寸法師は小さな体で勇敢に戦い、針の剣で鬼を攻撃した隙に鬼が持っていた「打ち出の小槌(うちでのこづち)」を奪って体を大きくし、鬼を退治します。立派な若者に変貌した一寸法師は姫と結婚し、一人前の侍になりました。

ちなみに「一寸」とは日本の昔の長さの単位で、約3.03cmの長さを表します。

8. さるかに合戦

おいしそうなおにぎりを拾った蟹と、柿の種を拾った猿。猿は無理矢理、蟹のおにぎりと柿の種を交換させますが、蟹はもらった柿の種を育てておいしい柿の実をたくさん実らせました。その実をまたもや猿が奪い、さらには蟹を殺してしまいます。遺された蟹の子どもたちは栗・蜂・臼(蜂の代わりに牛糞が入っているバージョンもある)たちと協力し、知恵を使って猿をこらしめ、無事に仇を討つことができました。

9. 花咲か爺さん

正直じいさんが飼い犬ポチの導きで財宝を掘り当てます。それを見ていた欲張りじいさんがポチを連れて財宝を探すよう命じますが、蛇や化け物を掘り当ててしまい、怒った欲張り爺さんはポチを殺してしまいました。正直じいさんが作ったポチのお墓に生えた木から、またもや正直じいさんはお宝を手に入れますが、欲張りじいさんは木を燃やしてしまいます。焼け残った灰を正直じいさんが木に撒いたところ枯れ木に美しい桜の花が咲き、正直じいさんは一躍有名になります。欲張りじいさんも真似して灰をまいたところ、花は咲かず、見物に来ていた身分の高い人たちを灰だらけにしてしまったため、とうとう欲張り爺さんは罰を受けることになってしまいました。

10. ぶんぶく茶釜

お寺の和尚が買ってきた古い茶釜にお湯を沸かそうと火にかけたところ、茶釜が「熱い!」と悲鳴をあげました。和尚は気味が悪くなり、古道具屋に茶釜をタダで譲ってしまいます。茶釜を引き取った古道具屋は、その茶釜はタヌキが化けたもので、元の姿に戻れなくなってしまったものだと知ります。古道具屋はタヌキと協力して見せ物小屋を作り、分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)として芸を披露して大儲けしました。やがてタヌキは茶釜の姿のまま死んでしまいましたが、古道具屋は茶釜をお寺に戻して供養してもらいました。その茶釜とされるものは群馬県館林市の茂林寺(もりんじ)に今も伝えられています。

11. 舌切り雀

あるところに優しいおじいさんと欲張りで意地悪なおばあさんがいました。おじいさんは森でケガをしていた一羽の雀を助け、かわいがりましたが、おばあさんはそれを疎ましく思っていました。ある日、雀が家の食べ物を食べてしまったのを見たおばあさんは、怒って雀の舌をハサミで切り落してしまい、雀は森に逃げて行ってしまいました。おじいさんが逃げた雀を探しに行くと、歓迎した雀はお土産として二つのつづら、どちらか好きな方を持っていくようにおじいさんに伝えます。小さい方のつづらを持って帰って開けると、中からたくさんの宝物が出てきました。欲張りなおばあさんは大きい方のつづらを手に入れようと、雀の元へと向かいます。しかし、家に帰るまで決して開けないようにという言付けを守れなかったおばあさん。大きなつづらの中からは魑魅魍魎妖怪変化(ちみもうりょうようかいへんげ)が現れ、おばあさんは一目散に逃げていきました。

群馬県安中市の磯部温泉は「舌切り雀」発祥の地という説があり、舌切り雀にちなんだサービスを提供する宿もあります。

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12. かちかち山

おじいさんが畑に豆をまこうと耕していたところ、そこにやってきたタヌキが豆を全部食べてしまいました。おじいさんは怒ってたぬきを縛り上げ、天井から吊して畑仕事に出かけます。反省するふりをしておばあさんに縄を解いてもらったタヌキは、仕返しにおばあさんを殺してしまいます。悲しみにくれるおじいさんを見たウサギは、自分が仇を討つと決意。そこでタヌキに薪を拾うのを手伝ってほしいと伝えたウサギは、タヌキが背負った薪にカチカチと火打ち石を使って火をつけ、タヌキに大やけどを負わせます。さらに、やけどの薬と偽って味噌に唐辛子をたっぷり混ぜたものをタヌキの傷に塗り、追い打ちをかけました。しまいには、魚をとるための船を作ろうとタヌキを誘い、泥で船を作らせて狸をおぼれ死にさせてしまいました。

ちなみに、文豪・太宰治(だざいおさむ)版の「かちかち山」はこの民話をヒントに美少女と中年男性の恋物語という新解釈で描かれたもので、その舞台は山梨県の河口湖近くにある天上山(てんじょうざん)です。富士山や河口湖を一望できる名所としてロープウェイやハイキングコースなどが整備されています。

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13. わらしべ長者

ある貧しい若者が観音さまに「運を授けてほしい」とお願いし、観音さまから「お寺を出たら、最初に触ったものを大切にしなさい。そして、西に向かいなさい」と、お告げを受けました。若者は寺から出てすぐに転んでしまい、その時咄嗟につかんだ一本のわらを持って西へ歩きはじめます。すると、一匹の虻が飛んできて顔の周りを飛び回るので、若者はその虻を捕まえてわらの先に結びつけたところ、それを見た子どもがほしいと言いました。若者はお返しとして、その子どもの母親からみかんをもらいます。その調子で若者が出会った人に良い行いをしていった結果、最後には立派な家と田んぼをもらうことになり大金持ちになります。若者はわら一本から大金持ちになったので、「わらしべ長者」と呼ばれるようになりました。

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