世界的(せかいてき)にも人気(にんき)の日本酒(にほんしゅ/Nihonshu)。全国各地(ぜんこくかくち)で生産(せいさん)されている※醸造酒(じょうぞうしゅ)で、居酒屋(いざかや)や日本料理店(にほんしゅ)で飲(の)めるのはもちろん、最近(さいきん)はおしゃれな日本酒(にほんしゅ)Barなど専門店(せんもんてん)も増(ふ)えています。銘柄(めいがら)や種類(しゅるい)が豊富(ほうふ)で、甘(あま)めや辛口(からくち)など飲(の)み口(くち)も多種多様(たしゅたよう)なので、ぜひいろんな日本酒(にほんしゅ)にTryして、お気(き)に入(い)りの一本(いっぽん)を見(み)つけてみては?
※原材料を酵母によって発酵させたお酒のこと。日本酒以外にワインやビールも醸造酒。
日本酒とは?:What is Sake
日本酒(にほんしゅ/Japanese Sake)は、日本米(にほんまい)と麹(こうじ)と水(みず)を原材料に発酵(はっこう)させた醸造酒です。アルコール度数(どすう)は15%前後のものが多(おお)いです。温度(おんど)によって味(あじ)わいや香(かお)りが変化(へんか)するため、常温(じょうおん)はもちろん、温(あたた)めて飲(の)む熱燗(あつかん)、冷(ひ)やして飲(の)む冷酒(れいしゅ)など様々(さまざま)な楽(たの)しみ方(かた)ができます。
商品(しょうひん)によっては、"清酒(せいしゅ)”と表現(ひょうげん)する場合(ばあい)もありますが、清酒と書かれている場合は海外産(かいがいさん)も含(ふく)め米、米麹、水を発酵させたお酒のことを意味(いみ)します。そのため、海外で生産された、海外米(かいがいまい)を使用した清酒のことは日本酒とは言いません。
日本酒の歴史:The History of Sake
日本酒の歴史(れきし)は古(ふる)く、稲作(いなさく)の発展(はってん)とともに、紀元前(きげんぜん)200~300年頃(ごろ)には、米を原料にした酒造りは始まっていたようです。その後は400年頃に古書(こしょ)に清酒に関する記述が記(しる)されたり、7世紀後半には、当時の法律(ほうりつ)を記(しる)した律令(りつりょう)の中(なか)に、役所(やくしょ)で酒の醸造を担当(たんとう)する者に「酒部」(さかべ)という役職(やくしょく)が与(あた)えられていたことが記(しる)されています。
また、日本には古くから、お神酒(みき)として、神様(かみさま)へ日本酒をお供(そな)えする習慣(しゅうかん)がありました。
神事(しんじ)や祭礼(れいさい)など特別(とくべつ)な日(ひ)に、※神饌(しんせん))のひとつとして日本酒をお供えするというもので、神前に供えられたお酒には神霊(しんれい)が宿(やど)るとされ、祭礼(れいさい)のあとに儀式(ぎしき)の参加者(さんかしゃ)にふるまわれ、それを飲むとご利益(りやく)があるとされてきました。
多くの神社(じんじゃ)や寺院(じいん)でも酒造(さけづく)りが行(おこな)われ、1233年の古書にも寺院で酒造りが行われていたことを示(しめ)す記述(きじゅつ)が残(のこ)っています。
現在(げんざい)でも、結婚式(けっこんしき)や葬式(そうしき)などの冠婚葬祭(かんこんそうさい)や、1月の成人(せいじん)の日(ひ)などのお祝(いわ)い事(ごと)、正月(しょうがつ)のお屠蘇(とそ)などでも日本酒(にほんしゅ)が飲(の)まれています。
※神様に献上する食事
日本酒の原材料は何を使うの?How sake is Made
日本酒は、主に米、水、米麹の3つから作られます。
酒米とは
特に、日本酒造りに使用される米は、酒米(さかまい)といって、一般家庭(いっぱんかてい)やレストランで食(た)べられている米(こめ)とは違(ちが)うものです。酒米で重要視されるのは、「タンパク質、脂質が少ないこと」「粒の大きさ」「心白(しんぱく)の割合」、です。酒米は、タンパク質や脂質が多いと酒の味わいに雑味が出てしまうため、米の外側を削って精米して使用されます。そのため、雑味が少なく、より粒が大きいものが好まれるのです。
また、白とは、酒米の中心にあるデンプンの構造が粗くなっている部分のこと。色は乳白色で、心白があると米麹の菌糸(きんし)が米の中央部まで入(はい)り込(こ)みやすくなるのだそう。ただし、心白はもろく、精米の際に崩(くず)れてしまいやすいため、心白(しんぱく)だけを残(のこ)して精米(せいまい)するには、高(たか)い技術(ぎじゅつ)を必要(ひつよう)とします。職人(しょくにん)さんによる丁寧(ていねい)な仕事がおいしい日本酒を生(う)み出(だ)しているんですね。
水の重要性
日本酒の成分(せいぶん)はなんと80%近(ちか)くが水(みず)!そのため、日本酒に使用される水(みず)はおいしくなければなりません。
また、その生産過程(せいさんかてい)の多くの工程(こうてい)でも水(みず)が使(つか)われます。代表的(だいひょうてき)なもののひとつが、精米したお米を洗(あら)う「洗米(せんまい)」。精米で米の表面を削っているため、この段階(だんかい)で米に水がどんどん吸収(きゅうしゅう)されます。
このように、原酒(げんしゅ)の製造過程(せいぞうかてい)で使用(しよう)される水(みず)を「仕込み水(しこみみず)」といい、軟水(なんすい)か硬水(こうすい)かでも味(あじ)わいが変(か)わります。
米麹とは
麹(こうじ)とは米や麦(むぎ)、大豆(だいず)といった穀物(こくもつ)にカビの一種(いっしゅ)である「麹菌(こうじきん)」を繁殖(はんしょく)させたもの。
ぶどうが原料のワインは、ブドウを潰(つぶ)して放置(ほうち)するだけでも、アルコール発酵をさせることができますが、日本酒は違います。酒米を蒸し、水と一緒にタンクに入れるだけで、アルコール発酵することはありません。日本酒を造るためには、米のデンプンを糖(とう)に変え、その後「酵母菌(こうぼきん)」で糖をアルコールに変化させる必要があるのです。米麹の麹菌には、この米のデンプンを糖(とう)に変える役割があります。
麹は日本酒以外の食品(しょくひん)などにも使用されており、醤油(しょうゆ)や味噌(みそ)など、日本食(にほんしょく)に欠(か)かせない調味料(ちょうみりょう)も麹(こうじ)を原料(げんりょう)としています。ちなみに、日本でブームになった塩麹(しおこうじ)は、塩と米麹、水で造られたものです。
日本酒の名産地:Famous Sake-brewing Locations
日本酒は、全国各地で生産されており、各県にご当地(とうち)ものの日本酒があります。とくに水質が良いエリアや米(こめ)どころといわれる地域は日本酒の生産が盛(さか)んです。
特に有名なのは兵庫県の灘。灘(なだ)は兵庫県神戸市灘区(ひょうごけんこうべしなだく)から西宮市(にしのみやし)の沿岸部に位置する日本酒の一大生産地(いちだいせいさんち)。その理由は、ミネラルの多い六甲山系(ろっこうさんけい)の水質(すいしつ)と気候(きこう)、そして昔(むかし)から海運業(かいうんぎょう)が盛(さか)んで、※江戸(えど)との貿易(ぼうえき)での重要(じゅうよう)な海運港(かいうんこう)であったから。なお、兵庫県には白鶴(はくつる)や大関、菊正宗などの、大手スーパーマーケットやコンビニでもよく見かける有名酒造メーカーの本社もあります。
その他、米どころで、山(やま)からの雪解け水(ゆきどけみず)を利用した新潟県(にいがたけん)や、ブランド米 ”あきたこまち”で有名な秋田県(あきたけん)も日本酒の名産地です。
※昔の東京の名称
日本酒の楽しみ方:How to Enjoy Sake
ここまで、日本酒の歴史や原材料について書いてきましたが、ここからは日本酒の飲み方や楽しみ方について紹介していきます。
まずは日本酒にまつわる酒器について。日本酒は、まず徳利(とっくり)と呼(よ)ばれる背(せ)の高(たか)い容器(ようき)に入れて提供(ていきょう)されます。徳利は、注ぎ口が細く、下部にむかってふくらんだ壺(つぼ)のような形状(けいじょう)だったり、ひょうたんのような形(かたち)だったりと様々(さまざま)な種類(しゅるい)があり、素材(そざい)も磁器(じき)や金属(きんぞく)のもの、ガラス製(せい)など様々(さまざま)です。
日本酒を飲む際にも様々な酒器があります。たとえば、カジュアルに楽(たの)しみたい時(とき)に使(つか)う大きなコップのようなものは「ぐい飲み」、18mlの36mlの小さなサイズのものは「おちょこ」と言います。
また、 枡(ます)と呼(よ)ばれる酒器に入れて飲むことを枡酒(ますざけ)と呼びます。料亭や専門店などで日本酒を注文すると、桝の中におちょこを入れ、おちょこにあふれるぐらい酒を入れ、枡にこぼして提供されます。
枡の素材は、杉(すぎ)や檜(ひのき)、漆塗(うるしぬ)りなどさまざま。結婚式などのお祝い事で参加者に酒をふるまう場合は「祝」という漢字が焼(や)き印(いん)された祝枡を使うことが多いようです。TPOに合わせて選びたいですね。
また、正月(しょうがつ)に飲む祝い酒「お屠蘇(とそ)」など、よりフォーマルな場面や重要(じゅうよう)なイベントの時は、盃(さかずき)と呼(よ)ばれる小(ちい)さな皿に注(そそ)いで飲みます。
ちなみに日本酒は、熱燗(あつかん)、常温(じょうおん)、冷酒(れいしゅ)の3つの飲み方ができる珍(めずら)しいお酒です。
日本酒の常温はだいたい15~25℃。日本酒の香りが優しい飲み口が楽しめます。3つの飲み方の中では、最も日本酒の個性を捉えやすいため、テイスティングをするときは常温でおこなうことが多いようです。冬は徳利にいれた日本酒を湯煎(ゆせん)で温める熱燗が特に人気ですが、繊細(せんさい)な風味(ふうみ)が失(うしな)われる可能性(かのうせい)があるため、種類によってはおすすめできないものもあります。
また、冷やして飲むと、すっきりしたさわやかな味わいを楽しむことが出来ますが、ついつい杯が進んでしまいますので、たくさん飲まないよう気をつけましょう。
※木製で四角形の、もとは体積を計量するための測定器。現在は、お祝い事の際に日本酒を飲むための「祝枡」や節分用の豆を入れるための「節分枡」などでも使われる。
<日本酒の温度と名称>
<冷>
- 5℃:雪冷え
- 10℃:花冷え
- 15℃:涼冷え
<常温>
- 15~25℃
<燗>
- 30℃:日向燗
- 35℃:人肌燗
- 40℃:ぬる燗
- 45℃:上燗
- 50℃:熱燗
- 55℃:飛び切り燗
日本酒の種類:Different Kinds of Sake
日本酒は、原料(げんりょう)や※精米歩合(せいまいぶあい)によって、さまざまな種類(しゅるい)に分類(ぶんるい)されます。大きく分けると「純米酒」「本醸造酒」の3種です。蒸留酒などの副原料と、米の外層を削って芯に到達する精米歩合の2つが主な要因である。
- 純米酒:米、水、酵母、麹のみで、醸造アルコールなどの副原料を含まない酒。精米歩合などの決まりはない。米本来の旨味や香りが楽しめる
- 本醸造酒:精米歩合は70%以下で、醸造アルコールによって雑味が抑えられ、飲み口はすっきりとした仕上がり
- 純米吟醸:精米歩合は60%以下で、醸造アルコールが加えられていない。
- 吟醸:精米歩合は60%以下ですが、醸造アルコールが加えられている。
- 純米大吟醸:精米歩合は50%で、醸造アルコールが加えられていない。
- 大吟醸。精米歩合は50%で、醸造アルコールが加えられている。
※精米(玄米から表層部を削った米)して残った米の割合
おすすめのブランド日本酒:Famous Sake Brands to Try
日本酒の銘柄(めいがら)は数(かぞ)え切(き)れないほどあり、おみやげショップや居酒屋(いざかや)さんに行(い)っても悩(なや)んでしまうほど。。。ここでは、日本酒バーで利き酒をしたり、おみやげで購入するのにぴったりな有名日本酒を紹介します。
人気の銘柄は以下の通り。有名な日本酒についての知識は、日本人や酒好きとの会話にもつかえますので、ぜひいろいろチェックしてみましょう。
- 十四代(じゅうよんだい / 山形県産):1615年創業の山形県の老舗酒造が製造する日本酒。希少性(きしょうせい)の高さから「幻の酒」と呼ばれている最高峰の日本酒の一つ。フルーティーで甘みがありバランスの良さで知られる日本酒。
- 獺祭(だっさい / 山口県):山口県岩国市の酒蔵が手掛けるプレミアム日本酒。酒米の王様と言われる「山田錦」のみ使用し、精米歩合は驚異(きょうい)の23%。小さなサイズで2~3000円の低価格帯のものから、3万円以上する純米大吟醸まで商品バリエーションが豊富で酒屋などでも購入可能。
- 賀茂鶴(かもつる /広島県):オバマ米国元大統領と安倍元首相の東京での会食にふるまわれ話題(わだい)になった酒。驚くほど手頃な価格で、その味わいから国内外の賞を多数獲得。
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