日本の名産品:旅行中に食べておきたいおいしい野菜

日本の野菜や果物は高品質と、世界的に評価されていますが、実は日本の農業用土地は 499 万 ha 程度、国土の約13%ほどしか農用地(農地法第2条第1項に定める農地および採草放牧地)はありません。

しかし、農業に使われる土地は狭くても、高い農業技術によって、特色あるご当地野菜や果物、高品質なブランド野菜、ブランドフルーツが続々と生まれています。今回は、訪日旅行に訪れたらぜひ食べておきたい野菜と、生産量の多い都道府県を紹介します。

北海道(Hokkaido):じゃがいも、かぼちゃ、玉ねぎ(Potatoes, Pumpkins, Onions...etc)

北海道は 2022年時点で耕地面積が114万haと全国の4分の1を占め、戸当たり経営耕地面積では33haと都府県平均の約11倍の広さを誇ります。

広大な土地を活かした大規模な生産活動が行われており、小麦、とうもころしやスイートコーン、砂糖の原料となるてん菜に加え、かぼちゃ(約48%)、玉ねぎ、にんじん、かぼちゃなどの生産量も多く、さまざまな野菜や果物の収穫量が日本一となっています。

特に、北海道産のじゃがいも、かぼちゃ、玉ねぎなどは人気で、じゃがバターやスープカレーなどは北海道を代表するグルメとして観光客にも人気です。いずれも甘みが強く、火を通すとほくほく感が楽しめるのも特徴です。

青森県(Aomori):にんにく(Garlic)

青森県で日本一の生産量を誇る農産物といえばにんにく。国内生産量の約70%を占め、大玉で香りが良いなど、品種の良さにも定評があります。 

なんで、青森でにんにく栽培が盛んなのかって?それには、にんにく栽培に適した土と高度な栽培技術がある点以外にも、青森県ならではの冬の厳しい寒さが影響しています。 にんにくは、冬の間雪の下でじっくりと糖度を蓄えることによって、春の雪解け時に糖度が高く、風味豊かで甘みのある味わいに育ちます。東北地方に位置する青森県の厳しい冬の寒さがにんにくづくりには欠かせない要素なのです。

にんにくは、6月下旬から7月上旬にかけて収穫時期を迎えますが、青森でこの旬の時期にしか味わえないものといえば、収穫後乾燥する前の「生にんにく」!

「生にんにく」とは、収穫後すぐに泥を落としただけのフレッシュな状態でいただくにんにくのこと。ふだん、私たちが市場やスーパーなどで見かけるにんにくは、乾燥させたにんにくが一般的で、生にんにくは年一回の収穫時期に生産地でしか食べられない特別なものです。乾燥させたにんにくとは一味違い、鮮度抜群で香りが強いのも特徴です。

山形県(Yamagata):だだちゃ豆(Dadacha Soy Beans)

「だだちゃ豆」は、「枝豆の王様」「究極の枝豆」と呼ばれる、山形県山形県鶴岡市の名産品。サヤの表面が、茶色の産毛に覆われているのが特徴で、甘さと深い味わい、とうもろこしにも似た独特の香りが特徴です。

名前の「だだちゃ」とは、この土地の方言で「お父さん」「「親父」を意味する言葉で、 その昔、枝豆好きのお殿様が「今日はどこのだだちゃ(お父さん)が作った枝豆か?」と作り手に聞いたことが名前の由来、といわれています。

長野(Nagano):レタス(Lettuce)

自然豊かな長野県は、非常に農業が盛んな県として知られています。ぶどうやりんごなどの果物や花の生産が盛んな他、エリンギやなめこ、ぶなしめじなどのキノコ類も日本一の生産量を誇ります。

そして、冷涼な長野県の気候を活かした農産物といえばレタスです。採れたてを全国に届けるシステムが整っており、夏場の国内シェアは圧倒的。「朝摘みレタス」という言葉も、日本人の中ではよく耳にする言葉です。

レタスは気候に非常にデリケートなため、朝3時から5時頃の早朝の時間帯に収穫され、すぐに冷却保管されます。真空冷却装置でその日のうちに日本全国へ発送され、翌日には早くも店頭に並びます。

長野産のレタスはシャキシャキと歯ごたえがよく、ほんのりと甘みがあり、そのまま食べるのがお勧めです。お湯に簡単にくぐらせて食べる、レタスしゃぶしゃぶといった料理もおすすめですよ!

石川(Ishikawa): 加賀野菜(Kaga vegetables)

©金沢市

加賀野菜とは、石川県の人気観光エリア金沢で、1945年以前から受け継がれてきた郷土野菜のこと。金沢市農産物ブランド協会に認定された品目だけが、加賀野菜と名乗ることができ、現在は15品目が認定されています。

代表的なものでは、肉厚でやわらかいのが特徴の加賀太胡瓜(かがふときゅうり)、葉の表が緑、裏が赤紫色で、茹でるとぬめりが出て独特の食感が楽しめる金時草(きんじそう)、栗のような甘さがある打木赤皮甘栗南瓜(うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ)など。こうした加賀野菜は、金沢市内のレストランや日本料理店で気軽に味わうことができます。

京都(Kyoto):京野菜(Kyoto vegetables)

京料理は、京都府内全域で収穫された野菜のこと。京野菜の中でも歴史がある伏見とうがらし(ふしみとうがらし)は、甘唐辛子の一種で、辛味がほとんどなく食べやすいのが特徴です。その他にも、葉肉の厚さが特徴で、食感が柔らかく風味の良い九条ねぎ、シャキシャキ食感で鍋物・煮物・浅漬けなど様々な料理に使われる京みず菜、球体の形状と甘みが特徴の賀茂なすなどが代表的です。

高知(Kochi):なす(Eggplant)

高知県は、ハウス促成栽培(10~6月)を中心としたなす栽培が盛んで、冬春期には全国一の出荷量があります。高知産のなすは、皮も果肉も柔らかく、和洋中どんな料理にも相性抜群!

3~7月にかけて生産される「春鈴なす」(はるずすなす)、ハウス促成栽培(11月~6月)を中心に栽培される「長なす」(ながなす)などがあります。煮ても焼いても揚げても、主役でも脇役でもおいしいなすは、日本の食卓の定番食材といえます。

熊本(Kumamoto):トマト(Tomato)

日本のスーパーマーケットでは、たくさん種類を見かけるものといえばなんといってもトマト!特に、百貨店の野菜売り場では、プチトマト、ミニトマトといった小さなものから、大きなトマトまで、サイズや形、色、産地が異なる様々な種類のトマトが所せましと並べられています。

そんなトマトの収穫量全国No.1は熊本県。なんと、日本のトマトのうち約5個に1個が熊本産で、一年を通して生産され、全国に出荷されています。これは、熊本が山あり海ありの多彩な地形で、温暖な海沿いでは秋~春にかけて、涼しい高原では夏~秋にかけてトマトを栽培できるからだそう。

特に有名なのが「くまもと塩トマト」。県内でも八代海沿岸の塩分濃度が高い干拓地の土壌で栽培されているトマトで、過酷な環境で育つことで甘味が凝縮されるため、なんと糖度が8~10度もあるのだそう!一般的なトマトの糖度が4~6度なのを考えると、いかにくまもと塩トマトが甘みが強いか分かるはず!そのほかにも、熊本県産のブランドトマトはたくさんあるので、次回の訪日旅行の際にぜひ味わってみては?

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