中国から漢字とともに伝来した書道は、筆と墨で美しい書体を描く日本の伝統的芸術の一つだ。伝来当初は、当時の中国の影響を受けていたが、しだいに「かな」の誕生とともに日本独自の書体へと発展していった。この記事では、その歴史や現在の日本における書道について紹介する。
書道の歴史・伝来してから日本の書道に発展するまで
中国から日本に書道が伝来したのは6世紀ごろだ。同じ頃に仏教も伝わり、お経を書き写す写経が貴族の間で流行した。そのため、貴族にとって、中国から輸入された漢字を筆で書くことは欠かせない教養となった。しかし、その後、日本のオリジナルの文化が栄えるようになり、書道も独自の進化を遂げた。12世紀ごろには、再度中国から禅とともに書道が伝わり、日本では中国風と日本風の書体に二分されていった。そして、各時代の書は今も残され、美術館などに所蔵されている。こうして、さまざまな時代を経て、書道は日本の伝統的芸術作品へと進化していったのである。
日本の書道で使用される書体
日本の書道には、主に5種類の書体が存在する。篆書(てんしょ)がもっとも歴史が古い書体だ。そして、篆書を省略したものが隷書(れいしょ)であり、その隷書を速く書くために誕生したのが、流れるような書体の草書(そうしょ)だ。その後、草書を美しく整えた行書(ぎょうしょ)が生まれた。そして、最後に成立したのが一点一画しっかりと書き、形を崩さず正確に書く楷書(かいしょ)だ。草書や行書と異なり、読み間違いが避けられるため、契約書などのさまざまな文書に使われている。
パフォーマンスとともに書く書道
書道には、静かに机の上で書くだけでなく、箒(ほうき)ほどの大きな筆を使い、巨大な紙に音楽などに合わせて踊りながら字を書くものもある。書道パフォーマンスと呼ばれるもので、2008年に愛媛の高校の書道部が披露したのが始まりだ。このイベントが評判となり、パフォーマンス書道日本一の高校を決める大会「書道パフォーマンス甲子園」が、毎年開催されるようになった。また、現在、高校生だけでなく、プロの書道家やサークルなどさまざまな人たちが披露するようになり、書道の新たな形として注目されている。
日本で気軽に書道体験ができるスポットがおすすめ
現在、東京や京都に世界的にも注目されている書道が体験できるスポットが増えている。外国人旅行者コースが設けられている教室もあり、丁寧に教えてもらって書いた作品は、おみやげとして持ち帰ることができる。世界に一つしかない作品は、インテリアとしてもおすすめだ。
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