オタ芸・ヲタ芸とは?ダンスの種類やスティックの意味を解説


オタ芸 ヲタ芸

アイドルやアニメソングを歌うアーティストたちを熱狂的に独特のダンスや掛け声で応援するオタ芸・ヲタ芸。動画配信サイトやSNSでも見かけることが増えましたが、一口にオタ芸・ヲタ芸といってもサイリウム(光るスティック)を持つ派や持たない派、ダンスの種類、活動範囲など千差万別。そんな奥深いオタ芸・ヲタ芸について、歴史やダンスの種類、ダンスの際の光の軌道を描くスティックも含めて紹介します。

「オタ芸・ヲタ芸」とは?

オタ芸 ヲタ芸

オタ芸・ヲタ芸とは「オタク・ヲタクの芸」の略称で、推し活をしているアイドルやアニメソングを歌うアーティストのライブで、ファンが踊ったり声援を送ったりするパフォーマンスのこと。1970年代、アイドルの歌に合わせて、ファンが掛け声で応援していたのがはじまりだといわれています。2000年代以降はさらに独特な動きが加わり、オタ芸・ヲタ芸へと変化していきました。今では、光るスティックを振りながら踊る人たちと、それらを使わずに踊る人たちなどに分かれ、応援方法も多様化しています。

「オタ芸・ヲタ芸」の種類。どんな技がある?

オタ芸 ヲタ芸

一般的にオタ芸・ヲタ芸は大きく分けて2種類あるといわれ、ひとつがライブ会場でアイドルやアーティストたちの歌に合わせて独特の動きや掛け声で応援するための芸。もうひとつが、発光するスティック=サイリウムを使ってアイドルやアニメの曲に合わせて踊る、パフォーマンス色の濃いサイリウムダンスです。そんなオタ芸・ヲタ芸には多くの「技」と呼ばれる決まった動きが多数あり、Aメロ、Bメロ、サビなどの曲を構成するパートごとにさまざまな「技」を駆使して芸を繰り広げます。ここではそれらのなかから有名な基本技を紹介します。

  • Aメロ「イントロ後の歌のはじめの部分」
  • Bメロ:Aメロからサビへ橋渡しする部分
  • サビ:楽曲のなかでもっとも盛り上がる部分

タイガー・地蔵

オタ芸 ヲタ芸

「地蔵」は、アイドルやアーティストのライブ中、地蔵のように動かないファン。一方タイガーは、動かないという共通点はあるものの、腕を組んで仁王立ちするヲタ芸の一種とされています。ライブに集中したいときにおすすめの技です。

オーバー・アクション・ドルフィン(OAD)

主に曲のAメロで使われる技で、両手を左右に勢いよく円を描くように振り、手を叩く基本動作。この大きな動作の軌道がイルカに見えることからこの名前が付けられました。多くの場合、OADの途中にニーハイオーハイやソイヤ(四突き)などの基本動作を挟みます。ニーハイオーハイは左足つま先に持っていった手を右胸まで引き上げる技。ソイヤ(四突き)は、腕を左右交互に下段と上段の斜めに突き出す技です。

ロザリオ

右腕を頭の真上に上げ、もう片方の腕と一緒に肘から大きく回しながら下ろしていき、地面に向けて力強く突き刺すように振り下ろす、主に楽曲のBメロで使われる技。うまく動くコツは、腕を振り下ろすとき、腰をひねり、右腕を少し後ろに引いてから振り下ろすこと。応援するアイドルに祈りを捧げる十字架を体で表現したことからこの名前が付けられました。

ロマンス

オタ芸 ヲタ芸

主に曲のサビのパートで使われる「サビ技」の一種で、もっとも有名な技のひとつ。左腕を上に伸ばし、右手だけ3回回した後、その腕を斜め上から引く動作を左右交互に行い、さらに腕を振り子の振る動きも組み合わせます。なお、この技はサビの後半に使うことが多く、サビの前半はほかのサビ技を使うのが一般的です。

サンダースネイク

ロマンス同様、サビのパートで使われる「サビ技」の一種で、もっとも有名な技のひとつです。基本的な動作は、左右の手を時間差で右から左に出した後、左右の手を同時に右に戻します。そのまま体の前で腕を2~3回回転。左上で手を止め、左右の腕を時間差で右下へ。その後、「スネイクサンダー(六突き)」という右手を左側に左手を右側にと、交互に下段、中段、上段と突き出していきます。これらの動作により、激しい雷としなやかな蛇を表現する技です。なお、この技もほかの技同様、基本動作に共通点はあるもののさまざまなバリエーションが存在します。

アマテラス

サビ技のひとつで、弓を引くような動作左右交互にし、左右の腕をそれぞれ大きく回す技。神話の天照大御神(アマテラスオオミカミ)をイメージした天を照らすような動作が特徴です。「スネイクサンダー(六突き)」につなげる場合もあります。

ムラマサ

左右の手で交互に斜めに空を切る動作や大きく弧を描く動作などが組み合わされたサビ技のひとつ。ネーミングの由来は、妖刀伝説にもなっている「村正」です。オリジナルバージョンのほか、さまざまなバリエーションがあります。

ケチャ

両手をアイドルやアーティストに捧げるかのように差し出すヲタ芸の一種で、主にサビ前の楽器の音量を極端に下げる部分で使われます。この動作のほか、手拍子をしたり、背中を反らせたり、手首を回したりといったパターンも。アイドルに愛を感じてもらえる技です。

メリーゴーランド

一人が輪の真ん中に立ち、その回りをほかの人がメリーゴーランドのように回るオタ芸・ヲタ芸。ここで紹介した技が一人芸であるのに対し、この技は、少なくとも3人~20人ほどで行う技です。なお、50~100人といった大規模で行われることもあります。

「オタ芸・ヲタ芸」で使われるスティック(サイリウム)は何?

オタ芸 ヲタ芸
At Anime Japan 2019, Lumica booth (Taken on March 2019)

ヲタ芸で技を行う際に使う光るスティックは、大きく分けると2種類あります。ひとつが、電池で継続的に使用できるペンライト。もうひとつが折ることで発光するサイリウム(ケミカルライト)と呼ばれる使い捨てのスティックです。

スティック=サイリウムの特徴

サイリウムは、1本のスティックに2種類の溶液が分かれた状態で密閉されたもので、ポキっと曲げることで溶液が混ざり、発光する仕組みになっています。鮮やかな蛍光色で、赤やオレンジ、緑、紫などカラーバリエーションも豊富なうえとても軽いのが特徴。そのため、パフォーマンスで振り回す際、複数本持っても重さが気になりません。

また、ペンライトは激しく振り回すと電池などの接触不良によって光が消えてしまうことがありますが、サイリウムにはその心配はありません。ただし、製品により明るさや発光継続時間に違いがあるので、本番で使用する前に確認しておいたほうがいいでしょう。なお、ペンライトに比べてリーズナブルなので、予備のサイリウムを用意しておくのもおすすめ。

サイリウムダンスとは?

サイリウムダンスとは、サイリウムを使ったオタ芸・ヲタ芸。サンダースネイク、ロザリオ、アマテラス、ムラマサなどのさまざまな技を曲に合わせて独自に組み合わせて行うのが一般的です。また、ライブ会場での応援だけでなく多くの人たちに見てもらうため、よりスタイリッシュでクオリティの高いパフォーマンスを目指す人やチームも多く存在。その活動範囲は、動画配信サイトやSNS、イベント、メディアなどへと広がっています。

オタ芸・ヲタ芸の「コール」とは?

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コールとは、ファンが「推し」という自分が熱烈に応援したいアイドルライブを盛り上げるため、歌に合わせて叫ぶ掛け声のこと。分け方に明確な基準はありませんが、基本的なものとしてMIX、合いの手コール、口上など4~5種類に分けられます。なかでも定番といわれるのが、MIXの「あー!よっしゃ、いくぞー!タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!ダイバー!バイバー!ジャージャー!」というもの。ただし、ライブによってはオタ芸・ヲタ芸の一部やコールが禁止される場合もあるので、コールしたい場合、事前にチェックしておきましょう。

ライブを盛り上げるだけでなく、披露するために技を極める人やチームまで多彩に展開するオタ芸・ヲタ芸。また、技も紹介したものはほんの一部だけで、実際には数えきれないほどの技やバリエーションが日々生まれています。あなたも奥が深いオタ芸・ヲタ芸の世界を体験してみませんか?

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