特急「SPACIA(スペーシア)X」完全ガイド。停車駅、車両の特徴、車内設備は?
浅草から日光間を走行していた特急電車「SPACIA」を引き継ぐ形で、2023年7月に「SPACIA X」が登場しました。6種類のシートは豪華かつスタイリッシュで、オリジナルのドリンクやアペタイザーを提供するカフェもあり、どこを切りとっても絵になる車両です。当記事では、「SPACIA X」の魅力と各車両の特徴や車内設備などをご紹介します。
※料金や時刻表の情報は2024年6月時点の情報です
東京と日光・鬼怒川方面をつなぐ特急電車「SPACIA X」とは?
東京と日光・鬼怒川方面をつなぐ特急電車。従来、走行していた「SPACIA」から進化した形で新型特急「SPACIA X(エックス)」が登場しました。外観デザイン・インテリアともにワンランク上の作りで、開業当初から話題になっています。全席指定、乗車日1カ月前の朝9時から発売開始。週末や日本の連休には、満席となることもあるので早めに予約をしましょう。
SPACIA Xの美しい外観に注目!色、デザインのこだわりは?
まず注目したいのは、車体のボディカラーの色。日光東照宮 の陽明門の柱にあしらわれている胡粉(ごふん)をイメージした高貴な白色で、青みのかかった陶磁器のような色合いです。
運転席のある1号車と6号車は、丸みを帯びており、やわらかい印象。ヘッドライトとテールライトには合計39個のLEDが使われており、ドットで構成されたライトの点灯数を変更することで、ロービームとハイビームに切り替えることができます。
ハイビーム時の点灯LEDの形状は、東武鉄道のイニシャルの「T」に見えるという粋な仕掛けも!
窓枠などには、栃木県の中部に位置する鹿沼市の伝統工芸である組子に用いられる幾何学模様をイメージしたデザインがあしらわれています。
SPACIA Xの各車両について徹底紹介
SPACIA Xの特徴のひとつは、6つある車両の個性が豊かなこと。車両ごとにコンセプトがあり、インテリアデザインやシートのデザインが異なります。
1号車 コックピットラウンジ
コンセプトは「時を超えるラウンジ」 。日光にあり、現存する日本最古のリゾートホテル「日光金谷ホテル」や大使館別荘などがモチーフとなっています。シートはすべてソファ型。ローテーブルもあり、サロンやカフェのような雰囲気です。ソファは4人掛け、1人掛けソファがあります。
2号車 プレミアムシート
1号車とがらりと印象がかわり、シックな雰囲気の2号車。2列タイプと1列タイプの2種類があります。シートの色は、ダークグレーの絨毯の上に映える色合いを採用。また、シートには東武鉄道初となる電動リクライニングや首や肩の疲労が軽減されるネックサポート式可動式枕を設置しています。前のシートとの間隔が120cmと広々しているので、圧迫感がありません。
3・4・5号車 スタンダードシート
6車両のうち3車両を占める最も標準的なタイプ。実用性をあげることを意識しており、コンセントつき、席についているテーブルは、前方座席の背面に設置したテーブルと肘掛け脇の小テーブルの2つがあり、好みに応じて使い分けができます。また、窓はシート1列に対して1つの個窓になるようにデザイン。プライベートな空間を確保し、快適に過ごすことができます。
また肘掛け脇の小テーブルには、鹿沼組子の意匠である六角形が隠されています。
5号車 ボックスシート
向かい合う2シートによる半個室のボックスシートの席。パーティションがあるので、プライベートが守られた空間です。シートは横幅80㎝で、ゆとりがあります。
6号車 コンパートメント
コンパートメントエリアには、個室型のスペースが4室あります。特徴は、ソファをコの字型に配置していること。そして、テーブルは折りたたみ式なので、用途・目的にあわせて、テーブルを広げることもできます。コンパートメントでのみひかれている青いじゅうたん、赤と茶色を基調とした歌舞伎的な色彩の壁など、インテリアで使われる「色」にこだわっています。壁は、限られた色合いを多彩に魅せる江戸文化『四十八茶百鼠』にちなみ、様々な茶色を使ってデザインしました。
6号車 コックピットスイート
浅草行きの場合は、先頭車両となるコックピットスイート。プライベートジェットをイメージし「走るスイートルーム」がコンセプトで、SPACIA Xの中で最上級のシートです。
運転席との間がガラスで仕切られているので、前方と側面に大きな窓があるので開放感があること。前方と側面の窓からの眺めを独り占めできます。個室の広さは11㎡で、日本国内を走る私鉄特急の中で最大の広さ。最大7名まで利用可能。※コックピットスイートでは、車内巡回のため、乗務員が出入りします。
スリッパや洋服かけなど、プライベートルームならではの設えも特徴。乗車日を載せた記念ボードとの撮影もできます。
SPECIA Xの車内設備。車内カフェや大型荷物置き場はある?
車内カフェGOEN CAFÉ
1号車にある車内カフェ「GOEN CAFÉ」。日光東照宮 ゆかりの「五猿」と「ご縁」の2つの意味を込めて名付けられました。ここでしか味わえない日光らしさを感じられるオリジナルの商品を多数揃えています。これからの「日光」を担うコラボ先との協業や、日光にゆかりのある素材を取り入れるなど、「日光らしさ」を表現した商品ばかりです。
ドリンクメニュー は、オリジナルクラフトビールや、栃木県の原材料でつくる純米吟醸酒「日光誉」など。アペタイザーは「頂鱒とらっきょうのリエット」や「酒粕と米粉のクラッカービスケット」など、素材の味がいきたユニークなものばかり。「小野糀みその日光サブレ」や「栃木産いちごのブラウニー」などスイーツもこだわりが光ります。
GOEN CAFÉで買えるお土産
日光ラスク苺チョコ(320円)、日光湯波おかき(480円)、いちごミルクキャンディスペーシア X缶(500円)、「旅するいちごチョコ」(1,600円)など、日光や栃木県の名産品を使ったお菓子がラインナップ。タオルハンカチやカードケースといったオリジナルデザインのグッズも揃っています。
GOEN CAFÉの利用条件
1号車の方を優先的に案内。そのほかの車両の方は、オンライン整理券(乗車中に取得)を持っている人のみ利用可
1号車(コックピットラウンジ)および6号車 (コックピットスイート・コンパートメント)
オンライン整理券なしで利用可。営業時間内にカフェカウンターへ。6号車の方は、テイクアウトの利用のみ
2~5号車
オンライン整理券を取得後、カフェカウンターへ。テイクアウトの利用のみ。
GOEN CAFÉ 営業時間
- 上り列車(浅草行き):発車から春日部駅到着まで営業。オンライン整理券の発行は、下今市駅発車後からなくなり次第終了
- 下り列車(東武日光・鬼怒川温泉行き):発車から下今市駅到着までの営業。オンライン整理券の発行は、春日部駅発車後からなくなり次第終了
大型荷物置き場
5カ所のデッキ部に大型荷物置き場を配置。盗難防止用ワイヤーロックもあります。安心して荷物を置けます。
トイレ・洗面所
バリアフリートイレ、洋式トイレ、男性トイレ、洗面設備もあります。デッキの天井部には天窓を模した大型モニターを設置し、日光や鬼怒川の大自然を思わせる映像を流しています。
SPACIA Xの停車駅・運行時間は?
停車駅
浅草、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、栃木、新鹿沼、下今市、東武日光、東武ワールドスクウェア、鬼怒川温泉(便によっては浅草から東武日光まで)。
運行時間
「浅草~鬼怒川温泉」の場合、約2時間。例えば、浅草を12時30分に出発して、鬼怒川温泉駅に14時32運に到着します。「浅草―東武日光」の場合、約1時間50分。浅草駅を10時に出発し、東武日光駅に11時47分に東武日光着。
最新の時刻表は下記をご確認ください。
https://www.tobu.co.jp/spaciax/ticket/
SPACIAXの料金は?
スタンダートシート(3・4・5号車一部)の場合
運賃+スタンダードシート特急料金のみで乗車可能です。
特別座席(1・2・6・5号車一部)の場合
「運賃+スタンダードシート特急料金+特別座席料金」となります。
例えば、北千住~鬼怒川温泉間でコックピットラウンジ(1号車・1人用)を利用した場合、「運賃1,400円+スタンダードシート特急料金1,940円+特別座席料金500円=3,840円」となります。
特急料金・運賃
特別座席の料金
- コックピットスイート(1室定員7名):18,000円
- コンパートメント(1室 定員4名):8,000円
- ボックスシート(1室 定員2名):400円
- コックピットラウンジ(※)特別座席:1人用 500円、2人用 1,000円、4人用 2,000円
※4人用コックピットラウンジは2名から利用可能
※いずれの席もJAPAN RAIL PASSは利用不可
SPACIAXのチケット購入方法は?
①インターネットで購入する場合
特急チケットレスサービス、特急券インターネット・予約サービスを利用
https://www.tobu-ticket.jp/guest/
②駅で購入する場合
東武線各駅の券売機または窓口にて。券売機は、東武線各駅にて設置。発売開始日は乗車日の1か月前の9時から販売スタート。支払い方法は現金またはICカード。駅窓口の場合の支払い方法は現金のみ。